ヤバすぎるスキル｜RJ・ハンプシャー「ラストラップ首位逆転劇」2023 AMA ハイポイントMX

by SetagayaRacing · 2023-06-27

2023 AMAモトクロス第4戦ハイポイント（全11戦）、AMAモトクロス史上多くの名勝負が繰り広げられた、すり鉢状の地形にレイアウトされた歴史あるコース。

プラクティス時のマディから徐々に路面状況が回復していくコースコンディションとなった大会でしたが、決勝日最初のレースとなる250MXモト1での劇的な大逆転劇シーンをシェア。

レースはホールショットから首位快走するAMAの250クラスを代表するベテラン RJ・ハンプシャーが独走状態を築きます。しかし、レース中盤の単独転倒で2位後退。変わって首位浮上したのは話題の大型新人ヘイデン・ディーガン。

3位以降を大きく引き離した両者のバトルは、ハンプシャーがディーガンに4秒弱のビハインドを削って最接近。勝敗の行方はラストラップのコース後半のバトルで大きく動くのでした。

エンジョイ！

@ p r o m o t o c r o s s

ハイポイントのコースを象徴する逆バンクコーナーに深く刻まれた轍が今大会通して、多くのパッシングを演出したコーナー。

数ラップ前からパッシングに至らずもイン側ラインをトライし続けていたハンプシャー。逆転劇に至ったのは、下り斜面から逆バンクに侵入するスピードがラストラップは1ランク上の「迷いゼロ」の飛び込み。

ステップから両足が離れ、ボディバランスも大きく崩れ、決して美しいパッシングではありませんが、レース終盤の勝負強さを持ち味とするハンプシャーらしさが凝縮されたかのような泥臭いまでの勝利への貪欲さを象徴する大逆転劇！

最後の最後で勝利を掴んだハンプシャーの素晴らしいパッシングに全く異論はないのですが… 今大会に限らず、首位だろうが後方からの追い上げ中だろうが、自らのミスや転倒で順位を落とす展開が多いのもハンプシャーのネガなレーススタイルの一面。

ラストラップ逆転劇での勝利が印象的なレースでしたが、レース通して観ているとディーガンをラストラップ前にパスできるチャンスは他にもありました。しかし、自らのミスで後退… 再び追い上げるという展開で、結果的に首位浮上がラストラップになってしまった感は拭えない点。

ハンプシャーの貪欲なまでの勝利への姿勢は、レースを大いに盛り上げてくれますし「ネバー・セイ・ダイ」的な、何があっても諦めない不屈の精神はレースファンの大好物でもあります。

とはいえ、安定して表彰台フィニッシュを揃えていかないとタイトル争いにはなかなか手が届かないというのも直面する現実的な大きな問題。

27歳のハンプシャー、勝てるライダーとしてまだまだ活躍が期待される存在で来季以降の契約も確定済み。シリーズ中盤を迎えた今季AMAモトクロス、今後も大注目です！

Simon Cudby