MXGP事件簿|ロマン・フェーブル「手からこぼれ落ちた王座」転倒一部始終映像

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2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 最終戦 チッタ・ディ・マントバGP(イタリア)の最高峰MXGPクラスでのジェフリー・ハーリングス、ロマン・フェーブル、ティム・ガイザーのGP王者3名による僅差のタイトル争い。まだまだハーリングスの大逆転タイトル獲得劇の興奮冷めやらぬ中、その逆転タイトルを決定づけた瞬間映像一部始終をシェア。

 

 

シリーズ最終戦の最終レースとなるレース2。「同点」というシビれる状況でハーリングスとフェーブルがオープニングラップからバトルを展開するレーススタート。2周目、首位フェーブルにハーリングスがアグレッシブな仕掛けから首位浮上。スピードに勝るハーリングスが徐々にリードを拡げた5周目にまさかの瞬間が…。

 

 

ハーリングスに逃げられていくプレッシャーが焦りを生んだのか? コーナー立ち上がりで、フロントがまくれ上がるというGPライダーとしては、レアケースな転倒を喫したフェーブル。

ライブ中継見ていて、転倒という事実だけでなく、衝撃的な転倒の形に現実を受け止めるのに時間を要するほどでした。

「タラレバ」ですが転倒なく、首位ハーリングスにレース終盤までプレッシャーを与えるポジションをキープできていたとしたら…。また違った、ドラマチックなタイトル争いが繰り広げられていたはずでしょう。

 

 

上記写真は当該セクションを後方から撮影したもの。サンド路面のコーナーから硬質路面のジャンプへと土質が変化する「境界」に角の立ったギャップが出来ていました。

フェーブルだけでなく、多くのライダーがその硬いギャップを嫌がる様子が中継内から確認できていました。コーナー直後にはビッグジャンプということで加速が重要なセクション。ギャップを避けたいが、加速を考えるとなるべくコーナー立ち上がりの勢いを維持して直線的にジャンプのアプローチに入りたいというのが本音でしょう。硬く角の立ったギャップは、ボディブローのようにライダーの体力を奪っていく、ライダー泣かせのギャップなのです。

推測ですが… それまでのフェーブルのライン取りを振り返ると、転倒時はそのギャップをフロントを軽く浮かせて通過しようとした際に、アクセルワークのミスなのか? 荷重ミスなのか? はたまた両方なのか? フロントが意図する高さよりも浮いてしまったように見受けられました。

 

 

同点で挑んだシリーズ最終レースでのタイトル争いを自らの転倒でフイにしてしまったフェーブル。悔しさをにじませたレース後の姿が印象的。しかし、2015年のMXGP王者獲得後は負傷欠場が多く、6年ぶりのタイトル争いにカムバックを果たした今季の活躍は、フェーブル復活を強く印象づけた今季シリーズでした。

来季は同じカワサキファクトリーからの参戦も、チーム運営母体が変更へ。ある意味、新体制とも言える環境での復活フェーブルの活躍、大変期待したいです!

 

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