MXGP事件簿|ジェフリー・ハーリングス「3戦連続転倒」どうなるGP最終決戦
MXGP事件簿|ティム・ガイザー「ペナルティ裁定」大きすぎた代償
僅差のタイトル争いが大きな話題を集めている、2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGPシリーズ。先にお伝えしたように、ガイザーに対するペナルティ裁定も下された為、事実上のタイトル争いはポイントリーダーのフェーブルを「3点差」で追うハーリングスの2名に絞られた形に。
【MXGP ポイントランキング 17 of 18】
1. Romain Febvre (FRA, KAW), 661 points
2. Jeffrey Herlings (NED, KTM), 658(−3点)
3. Tim Gajser (SLO, HON), 646(−15点)
フェーブルとハーリングスとの「3点」というポイント差。「1位 – 25点、2位 – 22点」というポイント制度を考えると最終戦で勝った者がチャンピオン獲得濃厚という、シビれる最終決戦!
と、タイトル争いのポイント差についてのおさらいをざっとしたところで、最終戦を前に最も気になる点。シリーズ終盤戦で多発する「ハーリングス転倒」の件。まずは、前戦の転倒シーンをシェア。
エンジョイ!
目を疑うような、凡ミス感…。プラクティス時にも同セクションで、全く同じ形の左足をコースサイドに接触させたことによる転倒を喫しており、追う立場のハーリングスとしてはミスのないレース運びが重要となるはず。
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シリーズ終盤戦、最大24点リードを築き上げていましたが直近の3戦で連続転倒。結果、最終戦を前に3点ビハインドのランキング2位。
対するフェーブル、シリーズ中盤戦まではマシンの挙動も安定していないようにも見受けられ、単独での転倒が多く見られました。ところが終盤戦ではミスが減り、勝利を重ねるごとにスタートも安定。これまでとは別人かのようにレース序盤から自信がみなぎるライディングを披露。
スピードではハーリングス優勢という傾向はシリーズ通して変わりませんが、シリーズ終盤での安定感ではフェーブルが上回っているというのは、レース展開や数字からも表れています。
スタートの精度を上げることが急務であると語るハーリングス。フェーブルとのスピード差を考えるとホールショットとまではいかなくてもトップ5前後からレースを組み立てられれば、KTM勢のチームオーダーも期待でき、タイトル争い最終決戦を有利に運ぶことも可能でしょう。
対するポイントリーダーのフェーブルは、前戦同様に総合優勝を逃したとしても安定感を武器に「1-2., 2-1」のような形でレースを終えることが出来れば、2015年以来となる2度目のタイトル獲得へ。
因みに、両者が最終戦をポイントランキング同点で終えた場合は、総合優勝回数に勝るハーリングスが、2018年以来のMXGPクラス2度目のタイトル獲得という結果となります。
「自信・安定感のフェーブル vs. スピードのハーリングス」という対決構図から目が話せない、MXGP最終戦。GP史に残る熾烈なタイトル争い決着の瞬間を見届けましょう!
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Ray Archer