MXGP事件簿|ティム・ガイザー「ペナルティ裁定」大きすぎた代償

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フェーブル、ガイザー、ハーリングスのGP王者達による「残り2戦・3点差・3人」というGP史に残る僅差のタイトル争いが大きな注目集めている、2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGPシリーズ。最終戦を前にした 第17戦 ロンバルディアGP(イタリア)で、ディフェンディングチャンピオンのティム・ガイザーにまさかの事態が…。

 

レースビデオ&リザルト|2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第17戦 ロンバルディアGP(イタリア)

残り2戦となったシリーズはイタリア、マントバでの2連戦「ダブルヘッダー」で幕を閉じることに。タイトなコースレイアウトが最大の特徴なコースではあるのですが、短いスタートストレートに加えて、1コーナーでのスタート直後のクラッシュが多発している、スタートが勝敗を左右するコースとしても知られています。

 

レース1、そのスタート直後にガイザーはコースアウト。その後のコース復帰時にコースカット判定のペナルティが下されたのは御存知の通り。そのコースアウトの瞬間をガイザー装着のゴープロカメラ映像からチェック。

 

エンジョイ!

 

<該当シーン(0:00〜0:35)>

 

ホンダからのリリース内、ガイザー公式コメントを抄訳すると

「他のライダーと接触してコースアウトしてしまいました。コースアウトした時の順位はトップ5直後だったという認識だったので、コースの設計上で最も安全な場所から、アドバンテージを得ないように同じようなポジションでコース復帰したつもりでした」

 

ガイザーのコメントに嘘はないと思います。1コーナーのレイアウトに問題もあるのでは? という考えもありますが、「5順位降格」ペナルティが下されました。3位でフィニッシュしたガイザーですが、正式リザルトは「8位」。

 

 

ガイザーのコース復帰時の判断、ペナルティの是非や内容については海外メディアやSNS上で大きな話題となっています。

 

今年、同会場で開催された国別対抗世界選手権「モトクロス・オブ・ネイションズ」でも、同様のケースで優勝国イタリア代表のルピーノに「10順位降格」のペナルティ裁定も下され、イタリア優勝が危ぶまれたことも大きな話題となりました。上述の通り、スタート直後の接触転倒が多いコースレイアウトでもあります。

 

好スタートの場合、出遅れた場合、転倒・コースアウトした場合を想定した、スタート時のシュミレーションは行われていたと推測します。だとしたら、ガイザーのコース復帰に関して結果論ですが「2つの判断ミス」が映像から確認出来ます。

 

まず、コースアウト直後の左手側パネルの間からコース復帰できる箇所が用意されています。もうひとつは、トップ5直後というコースアウト時の順位ですが、少々認識が甘かったのではと見受けられます。土手状のバンクを乗り越えた時点が、コースアウト判定だと仮定すると、コース復帰時の順位にアドバンテージを得ているという裁定も納得出来てしまうのです。

 

不運な接触が招いたコースアウトが原因であるのは間違いありませんが、僅差のタイトル争いというプレッシャーがガイザーの判断を狂わせたのかもしれません。

 

 

【MXGP ポイントランキング 17 of 18】
1. Romain Febvre (FRA, KAW), 661 points
2. Jeffrey Herlings (NED, KTM), 658
3. Tim Gajser (SLO, HON), 646

 

残すは最終戦(2レース)のみという状況で、15点のビハインドはあまりにも大きすぎる…。数字上、自力タイトルの可能性は残されていますが、フェーブルとハーリングスの2人が揃ってアクシデントに見舞われない限り、逆転タイトルは極めて難しいと見るべきでしょう。

 

しかし、僅差のタイトル争いだけでなく、ドラマチックなレースが何度も繰り広げられてきた今季MXGPシリーズ。ガイザーも「最終戦は何が起こってもおかしくないのであきらめません」とコメント。

 

ドラマ、波乱の予感しかない最終戦、大注目です!

 

レースビデオ&リザルト|2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第17戦 ロンバルディアGP(イタリア)

Honda Racing Corporation


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