たまモト|2025 vol. 2「渡辺祐介の2024-2025」
ここ数年、怪我に泣かされ本来の力がなかなか発揮できずにいた渡辺祐介選手。それでも昨年は大きな怪我からの復帰、その直後のネイションズ出場など話題を提供してくださいました。衝撃的なIAデビューから気がつけばもう13年、波乱万丈のここ数年を振り返り、怪我からの復帰で仕切り直しとなる今シーズンに賭ける気持ちなども伺ってみました。
■新しい体制での2025年
たま:久しぶりです。今年もよろしくお願いします。
渡辺:今年もよろしくお願いします。
たま:さてインタビューですが、どこからにしますか?
渡辺:どこからもなにも初めてなんで(笑)
たま:結構、ゆっくりお話を聞く機会がなくってね。今度(インタビュー)やりましょうねって言いながら、その都度怪我をされてしまって…。
渡辺:そうなんですよ(苦笑)
たま:YAMAHAのファクトリーに入られたのは何年でしたっけ?
渡辺: 2014年です。
たま:10年以上前になりますか…
渡辺:そうですね。
たま:で、今年はファクトリーではなくなっちゃったんですね。
渡辺:はい。一応、ファクトリーはジェイだけにしたいってなってJ.Wilson’s Racing TEAMがファクトリーみたいな感じになって、その下に新しいチームができてってカンジですね。サテライトの枠でそこに日本人ライダーというか…僕ら、僕と大城、中島、田中がいるという。
たま:なるほど。今回ニュージーランドに行った2人(中島、田中)は、それもあってのニュージーランド、みたいな感じですかね?
渡辺:そうですね。
たま:前に祐介君がダグ・デュバックさんのところに行ってたのと同じような?
渡辺:そんな雰囲気だと思います。
たま: チーム名が…
渡辺:僕がヤマハブルークルーレーシングチームです。他の人たちはヤマハブルークルーレーシングチームwithババナショックスとか…
たま:なるほどわかりました。ジュンジュン(田中淳也)だったらwithボスレーシングとか…
渡辺:多分そうですね。僕はそれ(with)なしで…
たま:で、IA-1。
渡辺:僕はIA-1です。
たま:大城君もIA-1で、じゅんじゅんと(中島)漱也君がIA-2。
渡辺:はい。

@ryoheyphotography
2024年シーズン、第2戦直前の怪我で戦線離脱していた渡辺選手、後半戦の近畿大会からレースに復帰したがこの段階ではまだ体調は完全回復していなかった。満身創痍ながら、8-11で総合10位と健闘した。
■昨年、ネイションズ参戦の顛末
たま:ここでちょっと渡辺祐介選手のこれまでをざっとおさらいしておきたいんですが。2013年にIAルーキーで2014年にいわゆるファクトリーに入られてその時はIA2?
渡辺:IA2ですね
たま:IA2は何年まででしたっけ?
渡辺:IA2が2019年までです(うち2017にIA2チャンピオン、2018年2019年はAMA参戦)その後2020年からがIA1ですね。
たま:で、IA1に上がってからが怪我がちょっと多かったんだよね?
渡辺:そうですね。…IA1に上がってからというか、ここ2年ですね。
たま:ここ2年…2023年と、24年。
渡辺:はい。ちょっと怪我が多くて…
たま:あんまりレースを走れなかったので悔しい感じ。
渡辺:そうですね。はい。
たま:そうすると、今シーズンはある意味仕切り直し?
渡辺:そうですね
たま:昨年、2024年ネイションズに行かれて…なんか、奥さんのインスタを拝見したら、ネイションズに行くまでがたいへんだったって…
渡辺:そうなんですよ。
たま:あれだよね、大城選手が怪我して…その代役という形で
渡辺:大城がオフビで怪我したじゃないですか。それで、その日の夜に代わりに行ってくれって言われて「無理です」って言ったんですけど…
たま:だってさ、その週に出発だったでしょ?
渡辺:その2日後出発だったんですよ。
たま:それは厳しい…オフビから直接行ったわけじゃないですよね?
渡辺:オフビのレースの後に帰らないでちょっと残ってくれって言われて。行く行かないで3時間ぐらいやりとりして。オフビの駐車場で「今の状態じゃ行けないです」っていう話をして「いやでも行ってくれなきゃ、日本代表が不参加になってしまう」っていう風に言われて。
たま:どこからその話が出てきたの?
渡辺:元々は僕が去年「ネイションズに行きたい」って話をしてて。それでYAMAHAが何十年ぶりぐらいにネイションズに予算を取ってくれて「ネイションズに向けて頑張っていきましょう。代表・渡辺祐介で行けるように頑張りましょう」っていう予算立てをしてくれていたんですよ。ただ、第2戦の前に僕が怪我したじゃないですか。怪我したからその代役として大城魁之輔が出るって話になっていたんですよ。
たま:つまり、本来は祐介くんが代表で行く予定だったと。
渡辺:僕が何年もかけて何とかお願いして…やっと。ここ数年、250でも(ネイションズの)オファーをいただいたりとかしていたんですけど、その時は「会社的に許可できない」って言われて。でもどうしても「やっぱりネイションズにYAMAHAのライダーとして参加したいです」って言ってたんです。やっとそこが通って…でも怪我してしまって、それで大城が行く事になって…ところがその大城もオフビで怪我してしまって…っていう。オフビで3ヒート目走り終わった後に「ちょっとネイションズを考えてほしい」みたいなこと言われたんですが「いやいや無理です」って「今、俺、本当に(怪我が完治していなくて)走れる体ではないんです」っていう話をして「そんな状態の僕が日本代表でいくなんて、一緒の選手に対しても迷惑かけるし、失礼だし」「僕はもうベストな状況だったら行きたいですって言いますけど、ちょっと今の状態で行っても足を引っ張るだけだって思います」っていう話をしたんですけど…最終的に僕が行かないと日本代表が行けなくなってしまうからって、YAMAHAとしてはバイクとかももう送っちゃってるんで僕しか出せないっていう状況で。最後は「だったら他の代表選手に確認とってください」っていう話をして「本当に渡辺祐介でいいのか」っていうのを確認とってもらって「じゃあお願いします」みたいなカンジになったので受けさせていただきました。
たま:なるほど、そういう感じで決まったネイションズ行き。といっても2日前じゃない?
渡辺:はい
たま:なんか準備も大変だったし、出発の前の日、空港に行くまでに電車が止まっちゃったとか…って話で
渡辺:はい(苦笑)
たま:オフビから一回家に戻ったの?
渡辺:一回、家に戻りました。パスポートも取りに行かなきゃだし、ウエアも何もなかったんですよ。(オフビで)使ったウエアしかなかったし、プリントもしなきゃいけないじゃないですか…だからそれは全部もう、Carryさんにお願いして。なんなら洗ってないウエアをそのまま預けてほしいっていう風になって…
たま:じゃあ、オフビでCarryさんにそのまま預けて?
渡辺:そうです。洗ってないウエアをそのまま出してしまって(苦笑)
たま:じゃあ自分は家に帰ってパスポートやら他の旅行の準備をして…翌日、成田空港に向かおうとしたら新幹線止まっちゃったみたいな?
渡辺:止まったのは新幹線に乗る前の在来線なんですよ。
たま:ああ、そうだったんだ!
渡辺:ギアバッグ2つ持ってるのに…嫁も手伝いというか見送りみたいな感じで一緒に空港まで来てくれることになってたんですけど、僕の家の最寄り駅から仙台駅まで行く途中の在来線が「車両爆発が原因で復旧の目処が立ちません」みたいな感じになって途中で降ろされて、ギアバッグ持ちながら、嫁と…何キロ歩いたんだろう?
たま:歩いたの?!
渡辺:歩くしかなくて…そんな状況だからタクシーも全然つかまらずにバスも乗れるわけもなく、そんな大きい荷物で積んでいただけるわけもなく、何キロ歩いたんだろう?たぶん7、8キロ歩きました。次の駅まで。電車が動いてる駅までっていうか。
たま:乗れる駅までってことですね。どれくらいかかりました?7、8キロっていうと…
2〜3時間ぐらいかかるよね?
渡辺:3時間ぐらいですかね? 3時間まではかからなかった気がしますけど…
たま:駅まで歩いてそこから動いてる電車に乗って仙台に着いて新幹線に乗って…
渡辺:最終ギリギリ間に合った感じです。一応、前泊して…ちょっと何があるか分からないから前泊で入っててくれって言われたんですけど、ほんとにちゃんと前泊で良かったなって思いました(苦笑)当日だったらマジでヤバかったなって。
たま:それで翌日出発という、本当にバタバタの…
渡辺:そうですね。
たま:前もってわかっていたらね、奥さんも一緒に行けたのにね。
渡辺:そうなんですよ、嫁がパスポートなくて(笑)
たま:うわあ、それは残念、せっかくの機会に…
渡辺:そうです。ネイションズを見せてあげたかったんですけど…

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2024年最終戦SUGO大会
■2024年シーズンの怪我について
たま:話がちょっと戻りますけども、昨年は第2戦の前のテストで怪我をされてシーズンほとんどお休みになってたわけですが、どこをどんなカンジに怪我されたんでしたっけ?シャフトが入ってるって聞いたんですけども…
渡辺:シャフトは最近やっと抜きましたけど
たま:あ、そうなんですね。奥様がね「シャフト入ってるから同じとこ怪我しちゃうとシャフト抜けなくなっちゃう」って心配してらして…
渡辺:胸椎と腰椎ですね
たま:うわ…それはかなり大きいじゃないですか
渡辺:だからあの…本当に去年はなんとか走ってた感じだったんですね。体が…旋回ができなかったんですよ、まず。腰からこう、いわゆる腰からグッと例えば旋回とかするじゃないですか、それが全くできない状態でバイク乗ってたんで、本当に乗りにくくて、乗りにくくてっていうか乗れたもんじゃなくて。
たま:要はその…動きが限定された状態、特に上半身が限定された状態で無理やり乗ってたみたいな感じなんですか?
渡辺:そうですね。
たま:それはシャフトが入ってるから…いわゆる動かせない状態ってことですよね?
渡辺:はい。結局ロックされてる状態なんで。
たま:そうやって治るのを待ってた状態…本来は待ってた状態なのにネイションズ…
渡辺:はい。
たま:そっかー。もうなんかあれだねえ、厄年?
渡辺:そうなんですよ。厄年じゃなかったはずなんですけどね。
たま:個人的に厄年だったって感じだよね。
渡辺:はい。
たま:でも、それであの走りができるところがさすがですが。
渡辺:いやいや。でも本当に(シャフトが)入ってる時はやっぱなんだろう…骨盤脱臼もしてたんで…腰椎、胸椎、骨盤脱臼、肋骨、腕だったんで…
たま:え? 肋骨も?
渡辺:肋骨3本と、胸椎、腰椎、あと腕。
たま:腕ってのは?
渡辺:左です、左腕。あと右の肩の神経が切れてしまってて…
たま:え?それは治ったの?
渡辺:ちゃんと動くようになりました。最初は動かなくて。
たま:神経ってある程度は繋がるじゃないですか。そういうこと?
渡辺:はい。
たま:今、伺っただけでももう満身創痍っていう言葉しか浮かばないですけども。
渡辺:そうですね(苦笑)肘がまず上がらない状況というか。
たま:これ全部が2024年の怪我…なんですよね?
渡辺:そうです。2024年の第2戦前のテストの時の怪我です。
たま:全部そうなの?
渡辺:全部一気にやりました(苦笑)
たま:へぇー。開幕がオフビだったじゃないですか?それで、弟さん(IA2渡辺陵選手)とおそろいのヒップネームを入れてらして写真撮らせてもらって、今度は弟さんと2人の話をしようねって言ってたら、次のレースにはいらっしゃらなくて…
渡辺:そうですそうです(苦笑)
たま:これだけの怪我だったらねえ、そりゃ…どのくらい入院されてたんです?
渡辺:入院してたのは1ヶ月くらいですね。
たま:今時はケガってすぐに退院させるじゃないですか?それが、1ヶ月入院ってことはめちゃくちゃ重傷ってことじゃないですか。
渡辺:そうですね、本当に大変でした。
たま: いやー、そっか、今聞いてなんかうわーってなってる…むしろよく帰って来られたなと。
渡辺:はい、やったばかりの時はもう無理だなって思いましたもん、初めて。まず、僕、股関節抜けた時に…なんだろう、転んだ瞬間からもうなんか足が変で。股関節抜けてなんかありえない場所に足があったんですよ。だから「あ、ちぎれた」と思ったんですよ。一応手で触ったら「あ、足はあるけど、ここに足あっちゃダメでしょ」みたいな「なんで俺の肩の横に足があるんだろう」みたいな感じの。
たま:怖い怖い怖い…そんなだったんだあ…その股関節抜けたのも?
渡辺:一緒です。全部同じ時です。同じ日です。
たま:いぃぃ…怖いな。いやーでも一瞬いろいろ覚悟をするよね。いくらライダーはしょっちゅう怪我してるって言ったってそんなね…
渡辺:そういういつもの怪我っていう感じじゃなかったですね。普通はなんとなくどこがいったか分かるじゃないですか
たま:うんうん
渡辺:背中も折れてる感じはありましたし…
たま:いやー、これでもかなり怪我の話は聞き慣れてるんですけど、私。
渡辺:はい。
たま:ちょっと、久々の衝撃かもしれない。
渡辺:はい(苦笑)
たま:よく、本当によく年内戻ってこれましたよね。
渡辺:そうですね、本当に。
たま:リハビリ、めちゃくちゃ大変だったんじゃないですか?
渡辺:リハビリ、めちゃくちゃ大変でした。でも本当に、なんだろう、医者にありえない回復力って言われましたけどね。
たま:え、今おいくつでしたっけ?
渡辺:僕、29になりましたね。
たま:29歳でその回復力はさすがにお医者さんびっくりかも。まだ、20代前半とかだとね、わりと早いけども…祐介くんはフィジカル強いんですね。
渡辺:強いんです。でも、もう怪我したくないんですけどね。『怪我しない強さ』が欲しいです。
たま:確かにね。いくら治るって言ったって、もうそういう怪我はしないでほしいです。
渡辺:いやですね、もう痛いです、あれは。
たま:今年の何より一番の目標は怪我しないだよね。
渡辺:はい、それは最重要ポイントです。

@ekakiyatama
後半戦から配布されたYAMAHAファクトリーライダーのイラストステッカーを手ににっこり。
■2025年シーズンにむけて
たま:そんな大変な怪我もしつつ、そんな大変な思いでネイションズも走りつつという2024年でしたが。改めまして2025年に向けて「2025年僕はこんな風に頑張りたいぜ」みたいな話とか。怪我をしないはもうマストとして(笑)
渡辺:そうですね、本当に何だろう、25年は気持ち新たにというか。まあ新しいチームで。
たま:パドックがどうなるのか気になりますが。
渡辺:たぶんファクトリーの横ですね
たま:昔、ジェイさんと町田選手のテントがファクトリーの横に並んでたあのカンジ?
渡辺:そんな感じだと思います
たま:チームが新しくなって、メカニックさんはどなたが?
渡辺:メカニックが石川晃太郎君。中島漱也がヤマルーブで走った時とか、あとは星野優位君のメカをやったりとか。で、2年前かな、ファクトリーで僕のサブメカをしてた人なんです。僕、同期なんですよ、そのメカニックと。
たま:そうなの?
渡辺:はい。年は違うんですけど、 IBとかジュニアで被ってて。
たま:そうなんだ。じゃあ気心が知れた…
渡辺:そうですね。
たま:年代的にも近い?
渡辺:近いですね。先輩なんですけど(笑)
たま:そうだ!あなたはIA上がるの早かったから!
渡辺:16歳です。
たま:めちゃくちゃ衝撃が走ったのを覚えてます。なんだあいつめちゃくちゃ速いぞって。
渡辺:それが2013年なんで。懐かしいですね。
たま:で、2025年は新しいチームで心機一転という感じで
渡辺:心機一転ですけど、本当に今年はシーズンフルで…シーズン通して。まあ本当にIA-1は今、激戦区なんですけど、その中で毎戦毎戦しっかり戦い抜いて、ちゃんとライバルたちとレースしたいですね。レースして勝ちたいです。本当にジェイがやっぱり強いし横山遥希くんも速いですけど…
たま:勝負はSUGOですね!
渡辺:そうですね。2戦目ですからねSUGO。
たま:やっぱり前半戦で良い成績、良いレースができるとさ、流れが違うから…
渡辺:流れに乗りたいですね。絶対来てくださいよ、たまさん。
たま:でもね「たまさんの推しライダー、たまさんいない時に勝つの法則」があるらしいよ (笑)
渡辺:僕はそれ適用されないんで大丈夫です(笑)
たま:開幕から頑張られるのはもちろんなんだけど、ある意味前半戦の勝負どころがSUGOってとこはあるかもしれないですね。
渡辺:そうですね。本当にしっかり、ちゃんとポイントを積み重ねていきたいです。
たま:あれだね、一昨年の横澤(拓夢)君がねそんなカンジでしたね。東北の人な感じだったね。
渡辺:僕、東北人なのに全然それができないんで、ほんっとに。
たま:そうなんですか?
渡辺:そうなんですよ。「生き急ぎすぎる」って言われるんですけど(笑)
たま:イメージと全然違うんですね(笑)今回は生き急ぎすぎないでください。
渡辺:はい、しぶとくいきます。今年は「しぶとい渡辺祐介」になろうと思います

2024年の開幕戦オフロードビレッジにて。バッドパッチは『GAME TIME』と虎のイラスト。弟の渡辺陵選手の『JUMP』とウサギイラストと対のデザインだった。ツーショットを撮れなかったのが残念。
■プライベートな話
たま:このあたりでちょっと柔らかい話題をいただきましょう。シーズンオフに結婚式を挙げられましたよね。
渡辺:はい、僕の誕生日に挙げました。12月14日ですね。本当は3年前から式を挙げたい、挙げようって話してて。写真だけは最初に撮ってたんで、その写真と式がセットのプランだったんですよね。…だったんですけど、なんかまあ、コロナもすごかったじゃないですか。だからその時に挙げるのもねっていう話になって見送ろうかって言って1年目は見送って、で2年目になったらそれこそ23年ですか。23年は膝怪我したじゃないですか。だから「怪我した年に挙げるのは嫌じゃない?」って言って。じゃあ「24年の末にあげようね」っていう話をしてたら24年も怪我しちゃって(苦笑)でもそのプランが「写真撮影してから3年以内に式を挙げる」っていう条件なんですよ。なので「去年も今年も怪我したけど、もう挙げるしかないよね」ってなって「なんなら今年の方が大きい怪我だったけど、まあいいか」って挙げました(笑)。逆にもう自分らしくていいよぐらいでしたね(笑)。もう大変な時もありましたが…みたいな感じで。
たま:大変でしたね(笑)奥様がそういうところに理解がある奥様でよかったですね。
渡辺:そうですね。まあ本当に迷惑、苦労かけてます。
たま:奥様もモトクロス走ってらしたんですよね?
渡辺:そうです。成田さんのチームでずっと走ってます。
たま:何年くらいだろう?
渡辺:全日本は、多分本当に3、4年くらいじゃないですかね。
たま:そういう方だとおそらく理解度が全然違うんじゃないですか。モトクロスライダーがどういうものだかすごく解っていらっしゃるから。
渡辺:そうですね。ライディング的なアドバイスとかもやれるじゃないですか。良くも悪くも見れてしまうんで。「誰々はあそこ通っててあそこ速いのに、なんであなたラインを変えないの?」みたいな(笑)
たま:練習走行の時とか見ててラインとか、誰々があそこを何個飛んでたとか?
渡辺:はい「本当に?!」みたいな感じになってくる(笑)
たま:でもそれはありがたいですよね。そういう目線が外にあるっていうのはね。
渡辺:はい、一番身近で見ててくれるパートナーではあるので。ちゃんと二人で協力してやっていけてるのも、この2年が苦しかったですけど一緒に苦しんだ分、本当に感謝もしてますし。
たま:この2年、しんどいことがあっても寄り添ってくれる人がいたっていうのは大きいですね。
渡辺:はい。
たま:なるほどね、いいタイミングで結婚してよかったってことですね。
渡辺:そうですね、確かに本当そうですよね。
たま:振り返ってみたらそうだったっていうことだよね。
渡辺:はい、まあこれで彼女がいなかったら(モトクロスを)やめてたかもしれないなって…今は思うんで。
たま:ありがたいねえ、大事にしないとねえ。
渡辺:はい、はい。
たま:そんな明るい話題もありつつの。明るい話題といえば YAMAHAのSNSアカウントでトラックの上のところをレポートしておられましたね。
渡辺:ファクトリーパドックを一般の人に紹介しましょうみたいな。ジェイがバイクだったり本当にテントの下っていうか、オーニングの下を紹介で、僕はトラックの中みたいな感じになってて。実際、トラックの中って見れないじゃないですか。だから一般の人たちだったり、例えば若手のライダーにYAMAHAのファクトリーに入りたいなって思ってもらえるようになればいいかなって思ってやってました。
たま:拝見して、なかなか喋り慣れてるなと思いました。
渡辺:いやいや、めちゃくちゃ噛んでるんですよ、早口になってしまって。
たま:いや、なんかね、あんまりこうたくさん喋るイメージがなかったから新鮮でした。恥ずかしかった?
渡辺:もうめちゃくちゃ恥ずかしかったですけど(笑)
たま:でもあれだよね、祐介君はさ、実は話しだすと面白いことを言うタイプだよね(笑)
渡辺:そうですか?
たま:しれっと面白いこと言うてくる(笑)なのでそこをね、今年は推していこうかと思ってるんですよ。でも、どうなんだろう?ファンの人とお話をするのとかは?
渡辺:いや全然、僕、結構ヘラヘラ喋ってますよ。大好きなんで(笑)
たま:では、今シーズンもぜひ話しかけてくださいって感じで
渡辺:はい、寂しくなっちゃうんで。
たま:ああ、確かにね。今回、色々お話を聞きましたが、怪我の話は書いても大丈夫そう?
渡辺:大丈夫です。全然。
たま:これだけ怪我してても、頑張って去年戻ってきたんだよっていうのはちゃんと伝えたいよね。
【編集注】ここからのパートは、当サイト「TheNewsmoto」運営する「世田谷レーシング」から渡辺選手へ伺ってみたい質問をえかきやたまさんに託し、インタビューしていただいた内容となります。渡辺祐介インタビュー、セカンドパートをお楽しみください。たまさんのフィルターを通した話の広がりは必見です。エンジョイ!
■ネイションズについて改めて
たま:話が前後しますけども、昨年走られたネイションズについてちょっと追加で伺っていいですか?
渡辺:はい
たま:実際に参加されてみて、見えたものとか経験した「世界最高峰ってこんななんだ」みたいなのを伺いたいんですけれども…その辺はどうでしたか?
渡辺:まずもちろん「レベルの差はやっぱりあった」っていうのもありますし、単純に「すごい」っていうのもありますし、ネイションズって今まで僕がずっと行きたくてもなかなか機会がなくて行けなかった。お声をかけていただいたんですけど、タイミング的にも行く機会が取れなくて行けなかったので、僕としても夢の舞台で。本当はやっぱり「ベストな状態の時に行きたかった」っていう気持ちが第一であるんですけど、それ以前に世界各国の猛者たちと…それまでAMAだったり(日本以外にも)チャレンジはしてたんですけど…それ以上のレベルというか、各国のトップグループが集まる大会なので、やはりモトクロスのオリンピックって言われる大会だけはあるなって思うくらい、お客さんの熱さだったりレースの雰囲気が「ネイションズは一味二味も違うな」という感じでした。イギリスのコース自体も今まで…AMAでも体験したことがないぐらいの轍。ギャップというよりかは轍しかないみたいな感じで。
たま:コースが轍みたいな?
渡辺:はい、全部轍。ジャンプの飛び出しから着地までも全部轍みたいな感じで。本当になんだろう、すごい難しい。乗ってても難しいですし、コース的にもなかなか攻略をすることができず、本当に「今まで経験したことがないぐらい走れなかった」のが印象ですね。
たま:祐介君の場合、AMA走ってるし全日本もたくさん経験されてるし。シーズンオフにもアメリカでダグ(デュバック)さんの元で走ったりっていう…そういった経験値が高いにもかかわらず、それでもやっぱり、スピードとかその他いろんな部分で歯が立たないなっていう…
渡辺:そうですね、まあギャップはそれほど出なかったんですけどギャップが出る前に本当に全部轍なんですよ。それがなかなかで。加えて、僕、背中にブリッジしてたじゃないですか。なのでバランスが取れずに…
たま:そうですねえ。体調が万全じゃなかったっていうのはね。たらればを言ってもしょうがないけど、体調が万全の100%の渡辺祐介だったらもうちょっと勝負できたかもしれない?
渡辺:本当にもうたらればになってしまうのであまり言いたくないですけど、でも、もっとしっかり戦えたとは思いますね。僕もああいう路面だったり轍は本当に好きなので。とは言っても、それだとしても、すごかったです、あのコースは。
たま:ちょっと体験したことのない…長いライダー経験の中で、人生の中で初の凄さみたいな?
渡辺:はい。本当にスタートのストレートしか轍がないところはないみたいな感じだったんで。
たま:そんななんですね…土質はどんなですか?
渡辺:黒土のちょっと粘土質みたいなカンジで掘り起こし方が半端じゃないんですよ。
たま:深い?
渡辺:深くて、水撒きも朝からですっごいマディ。ドライだったはずなんですけど、朝は完全に本当のマディみたいな水撒かれて、実際走っててもタイムアタックとかは全部マディみたいな感じでしたけど。
たま:なるほどね。その土の深さとか、轍の深さとか、そういうところからまず日本でなかなか体験できないじゃないですか。日本のコースにはないものだから、まずそこからなんだね。
渡辺:そうですね。
たま:コースが広いとか、でかいとか以前の…
渡辺:そうですね。で、僕が(ネイションズで)出場したのはMXGPクラスだったじゃないですか。MXGPクラスなんで一番上みたいな感じというか(他に)MX2とMXオープンっていうのがあるんですけど、MXGPクラスの前は(コースに)ブル入れないんですよね。だからもう本当に、あのような経験したことがないってくらい難しかったです。
たま:目から鱗がボロボロ、みたいな。そんなん知らんかったわ!みたいなカンジですか?
渡辺:そうですね。本当に(体調万全で)ちゃんと走れていれば、もっと得るものは多かったんじゃないかなと思うんですけど、ライバルとどうとかっていうよりは本当にコースを走るのに必死だったというか…
たま:他のライダーを意識するどころじゃなくて、そのコースと自分の戦いみたいな?
渡辺:そうですね。
たま:それはしんどかったですね。じゃあ昨年、そんな感じのネイションズを経験されてですね、もしまた今年も出れるとなったら…
渡辺:はい。本当にベストな状態で絶対再チャレンジはしたいなっていう気持ちは、尚更強くなりましたね。行ってみて、体験して、やっぱり本当にすごい大会だなって思いましたし、モトクロスってこうあるべきだなっていうのも感じたことなので、この環境の中でレースをさせてもらえるって、やっぱり本当に幸せなことというか誇りなことですし。もう一回、自分がベストな状態で、ちゃんと日本代表としてしっかり貢献できる形でネイションズにいきたいですね。
たま:不本意というか、万全でない状態でチャレンジしたにせよ、その体験ができたことで気持ちは新たになった…みたいなところはあるのかな?
渡辺:もともと上を見てやっていかなきゃダメですし、あとは若手の人たちに伝えられることも多かったなと思いますね。
たま:体験しないと伝えられないことっていうのはあるからね。
渡辺:はい

@ekakiyatama
■海外ライダー参戦や下田丈選手について
たま:もう一つ質問なんですが、ジェイ・ウイルソン選手が全日本モトクロスにフル参戦するようになって3年、またAMAで活躍中の下田丈選手がスポットで2回参戦しましたが、それについて、国内レース界全体と渡辺選手にとってどのように見えましたか?っていう、要は海外の走りが全日本を走ることに対する全日本ライダー渡辺祐介選手視点の感想というか…
渡辺:はい。実際、全日本自体のレベルはやっぱり上がったとは思いますね。ジェイがいたり、下田選手がスポット参戦で来てくれたり、昨年一昨年もそれこそビクトル(アロンソ)が来てくれたりっていうのがあって、今年もブライアン・シュー、トロペペ(GIUSEPPE TROPEPE)とかって選手が来るんですけど、本当に海外でしっかり結果を出してきた人たちなので、それだけライダーとしてのスキルも持ってますし、それが全日本に出場してくれるっていうのは全日本のレベルアップ自体もそうですし、もちろんライバルとして絶対負けたくない、それを超えないことには僕らは勝てない(優勝できない)ので「超えなきゃいけない壁が目の前に居続ける」っていう感じですかね。
たま:祐介君の場合はもう、10年以上前から走っているから外国人選手があまりいなかった…走ってなかった全日本の状況をもちろんご存知で、スポット参戦で外国人選手が最終戦のSUGOに来ることはあってもシリーズ全戦にはいないっていう…
渡辺:それが普通のスタンスだったと思うんですけど、ここ最近はそういう感じではないじゃないですか。ジェイを筆頭にずっと外国人選手がいる状態…ライダーとしてはすごくありがたいですけど、プロのお仕事としてはちょっと勘弁してよっていう気持ちは、正直ありますよ(苦笑)
たま:それはそうだよね(笑)
渡辺:(プロとして)賞金で稼ぐのに(そのチャンスを減らすのは)ちょっと勘弁してよっていう感じのところは正直ありますけど。
たま:ライダーとしては嬉しいみたいな?
渡辺:そうですね。目の前に絶対的に強い…お手本とはあまり言いたくないですけど、ただしっかりそこに目標を立てて僕らは努力できるのかなというふうには思いますけど。
たま:漠然とした目標じゃなくて具体的に目の前に自分より速いライダーがいるのが頑張り甲斐がある?
渡辺:モチベーションにはなりますね。
たま:それまでは海外にシーズンオフに行ってチャレンジするとかね、そういう形でしか全日本と違う走りっていうのが経験できなかったところはあるので、それが全日本にいてできるというのはある意味、ライダー的にはいい環境って言えるのかなって。でもお仕事的には勘弁してほしいなっていうのも正直なところではあると思いますけど…
渡辺:(苦笑)そうですね。
たま:例えば(下田)丈君みたいな、海外に行ってずっと向こうで戦い続けているライダーがどんなカンジかっていうのは、祐介君くらいの立場だと、全日本しか走ってない人よりもなんとなくわかると思うんですよ。
渡辺:はい。
たま:どうなんだろうその辺は。自分もできるならそうしたかったっていうのも含めてですが…
渡辺:うーん、そうですね。なんと言ったらいいんですかね…
たま:なんかこう、羨ましいとかじゃなくさ。いや、もちろん羨ましい気持ちもあるだろうし、逆に大変さもただのファンよりも全然よくわかってると思うし。そういう立場の人が、ああやってスポット参戦で丈君が来るじゃない、で、走るじゃない、その時の全日本ライダーの気持ちってどうなんだろうなって思ってて。
渡辺:下田君に関しては、正直、僕、全く関わりとかなくて。ちょっとお話をさせてもらったことはありますけど、まあ全然親しいわけじゃないんですけど、それでも本当に応援してるというか…僕らじゃ為し得なかったことを彼はしていて、そこに行くまで並大抵の努力じゃなかったと思いますし、本当の日本代表というか。そうですね僕としては本当にリスペクトしかないですよね。今250(クラス)ですけど、450になってもどんどん活躍していってほしいですし、大きな怪我とかもなく、あそこに日本人がいるっていうのはすごい僕らにとっても嬉しいことですし、全くメーカーとかも違いますけどそこは嬉しいことなんで。
たま:どこかに「自分たちの代表」っていう言い方もあれだけど、同じ日本人のライダーとして、自分たちの代表みたいな気持ちはあったりするんですか?
渡辺:そうですね。でもそれはみんなだと思いますよ。僕ら全日本走ってる人、日本人であればそれはみんなだと思いますけど。
たま:なるほどね。それこそ…祐介君は知らない世代なのかな、昔、全日本でティシュナーとか、マタセビッチとか…
渡辺:はい、はい。カイル・ルイスとかですか?
たま:そう、カイル・ルイスが走ってた時代っていうと…祐介君はお幾つくらい?
渡辺:僕はキッズまでも行ってなかったくらいですね
たま:そっか、そんなモンか。
渡辺:でも、本当にギリギリなんですよね。1歳とかで2歳だと思いますね。僕が初めて全日本を観に行った時は、カイル・ルイスの最後の年なんですよね。
たま:そうすると外国人選手が活躍していた全日本というのは、ほぼ知らない状態での今なんですね。
渡辺:そうですね。
たま:だからスポット参戦で来た外人が速い!っていう、それがデフォルトなんだ。
渡辺:そうですね。 最終戦は各メーカーで速いライダーを呼んでもらえてるみたいな感じのイメージだったんですけど。
たま:だから外国人選手はあくまでもお客さんっていうか…そういう意識だったのに、自分がトップライダーになった時に、いきなり外人選手ずっと常駐することになっちゃってっていう(笑)
渡辺:はい(笑)いつまでいるのかなって…(笑)正直、思ったりもしますけど。
たま:なるほど(笑)まあ、それはね、言うてもしゃあないし、そこと戦っていくことが今の全日本ライダーの課題なので
渡辺:そうですね。

@ekakiyatama
■これまでと違う取り組み
たま:あとですね、今期これまでと違う取り組みがあったら何か教えてくださいという質問があります。
渡辺:全日本で、ですか?
たま:全日本で。
渡辺:違う取り組み?そうですねえ…
たま:って言ってもね、今までも何もね、2年間ちょっとあんまり走れてないんで比較しようがないといえばないわけですが…
渡辺:はい。まあでもサテライトチームになって、まあ、よりファンの人たちの前に出やすくはなったかなと思いますね。
たま:サテライトチームはちょっとちっちゃいテントで長屋状態になる感じなのかな?
渡辺:多分テントが4本バーと並んで、バイク4台並んでっていう感じになると思いますね
たま:昨年の中島くんや田中くん達と同じですね。そういうファンとの交流って、ちょっと自分的には気持ちが上がったりっていうのはあるんですか?
渡辺:もちろんそれはありますよ。やっぱり応援だったりってすごい励みになりますし、会場で話しかけてもらえるのって嬉しいことなんで。本当にそこは逆にすごい楽しみなところではあります。
たま:去年までの感じだと、トレーラーの2階にずっといて、なかなか会えなかったりが多いし、あと、ああいう体制だとやらなきゃいけないことがたくさんあるじゃないですか。それが少し減る感じになるのかな。
渡辺:そうですね。もっと自由に動けるようにはなると思うので、そうしたらファンの前に行く時間は増えると思いますし、僕も積極的にテントというか、お客さんの前に出ていこうと思っているので。
たま:今シーズンの大きく体制が変わったけど、そこがすごい楽しみだっていうのはぜひお客さんにも知っておいてもらいたいことですね。
渡辺:はい!ジェイ・ウィルソン以上に僕を応援してください(笑)
たま:それ!言っちゃっていいの?!
渡辺:全然いいです。ジェイ・ウィルソンを倒すには、ジェイ・ウィルソン以上に僕を応援してもらわないと勝てないので、皆さんも力貸してくださいみたいな感じで。
たま:なるほどそうだよね。チャンピオンを獲るってことはジェイさんを倒すってことだもんね。
渡辺:はい、なのでぜひ応援お願いします。

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ネイションズ出場から間を置かずに開催された最終戦のSUGO大会。
地元ということもあって奮闘。9-6で総合7位。
■モトクロスをもっと知ってもらうために
たま:今年、何よりの目標はチャンピオンを獲ることだと思うけども、他に渡辺祐介選手的に、何か今年の課題とか目標ってありますか?
渡辺:目標って言ったらいいのか分からないですけどやっぱり、モトクロスという、このスポーツを知ってもらいたいっていうのがあって。スポーツランドSUGOさんと協力して、親子バイク体験スクールっていうのに僕は結構出るようにしたんですよね。実際、その子たちを全日本に招待してみたりとか、という活動も始めたところなので。
たま:モトクロスの裾野を広げる活動、みたいな?
渡辺:そうですね。子供達にも知ってもらいたいですし、バイクってどういうものなのかも知ってもらいたいですし。
たま:そういう子達に観戦に来てもらって旗振って応援してもらう感じですね。
渡辺:そうです。
たま:そのお話はSUGOさんからオファーがあったんですか?
渡辺:最初SUGOさんが「こういう活動をやってるんですけど、全然お客さんが来ません」みたいな感じだったんです。それで去年、僕が怪我して休んでる時からお手伝いを始めて…そしたら結構お客さんに来てもらえて。それをリピートしてくれる子たちもかなりいて。すごい興味持ってきてくれるんで、なんなら最終戦とか観戦に来てくれたりとか、招待とかしたわけではなかったんですけど観に来てくれた子たちが結構いたので、そういう活動も大事にしていかなきゃなっていうのがあります。
たま:怪我してる間にあったことの一つではあるんだけど、そういう新しい視点ができたみたいな?
渡辺:そうですね。
たま:いくつぐらいのお子さんたちですか?小学生とか?
渡辺:幼稚園から小学1、2年生までですかね。
たま:じゃあ本当に…モトクロスのバイクの入り口の年代ですね。
渡辺:だからYAMAHAのPW50のバイクでやってます。毎回14〜15人は必ず来てくれるんで。
たま:可愛いでしょ?そういう子たちから先生、先生って言われるの…
渡辺:いや、もう、祐介くんって言ってきます(笑)
たま:そこまで距離感近いんだ?(笑)でも、そうやって親しんでくれるとすごく教え甲斐もあるでしょうし、応援してくれたら力になりますよね。
渡辺:はい。
たま:やっぱりそういう、これから育ってくる人達とかについても目線が行くようになる時期なんですね。
渡辺:そうですよね。たまさんと知り合った時は高校生くらいだったのに…。
たま:本当そうですよ。そのうちたまさんと知り合った時は高校生くらいだったのに、うちの子がもう走ってます、なんてなるんですよ(笑)
渡辺:本当そうですよね(笑)
たま:でも、そういう感じで、視野が広がっていくところはあるのかもしれない。自分が走るので精一杯の時期ってのがあるじゃないですか。そこから段々いろんな世界も見れたし、海外の走りも見たし、自分の走りも変わってくると、見る目も変わるみたいな感じですかね。
渡辺:そういうのはあると思いますね。
たま:と、長々お話させていただきましたが。もう今年はとにかく、みんな渡辺祐介を応援してください!ってことですね。
渡辺:そうですね。お願いします。戦線離脱しないように僕はしっかり走るので。
たま:それ大事だね。すごい大事だよ。
渡辺:はい。もう戦線離脱はしたくないので。
たま:じゃあご活躍を期待して。春のSUGOで勝って、秋のSUGOの時にはチャンピオン獲れている、それがベストですよね。
渡辺:そうですね、それがベストですね。
昨年、一昨年と怪我による欠場が続いて思うように活躍できなかった渡辺選手ですが、だからこその今シーズン、心機一転、全戦を戦い抜きチャンピオンに挑もうという覚悟が伝わってきました。昨年の大きな怪我について、ネイションズに賭ける格別の想いについて、また辛い時期を寄り添い支えられた奥様の話などいろいろな話を伺うことができ、渡辺選手らしさを再認識するとともに意外な一面も知れたように思います。様々な経験を経てきた今だからこそできる渡辺選手ならではの戦いを期待して見守りたいと思ったインタビューでした。
たまモト – The Newsmoto