モトゴシップ|下田丈「ホンダファクトリー」加入正式発表

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アメリカ拠点で活動する日本人プロライダー、下田丈選手。今季まで所属したプロサーキットカワサキから、ホンダファクトリー(Team Honda HRC)への移籍がついに正式発表となりました。

ホンダ発プレスリリース、ビデオ&ギャラリー、ニューモト雑感とまとめてお届けします。

 

 

アメリカン・ホンダモーターは本日、下田丈が2024~2025年シーズンにワークスチームTeam Honda HRC(チーム・ホンダ・エイチアールシー)からCRF250Rで参戦することを発表しました。

鈴鹿で生まれ育った下田は、4歳からダートバイクに乗り始め、国内でアマチュアとして早くから成功を収めたのち、世界に舞台を移しました。ヨーロッパでは、ジェット・ローレンスとの対戦なども含め活躍したのち、アメリカでも戦い、ロレッタ・リン・ランチで開催された2016年のスーパーミニ2 AMAアマチュア・ナショナル・チャンピオンシップで14歳の若さで優勝しました。2017年にHondaがサポートするFactory Connectionのアマチュアプログラムとして契約し、2019年シーズン終盤にプロに転向しました。

プロデビューシーズンの2020年には、AMA250SX東地区最終ランキングで3位に入り、AMAスーパークロスの新人賞を獲得しました。2021年、日本人ライダーとして初めてAMA250SXのメインイベントで優勝し、東地区の最終戦でランキング2位となりました。翌2022年は日本人ライダーとして初めてAMAプロモトクロスで総合優勝を果たし、250クラスのランキングで総合2位となりました。今年前半は同シリーズで3位、初開催のスーパーモトクロス250クラスでも2位を獲得しました。これまで下田は、AMAプロモトクロス250クラスで総合優勝3回、AMAスーパーモトクロス250クラスで地域優勝1回、スーパーモトクロス250クラスで優勝1回を記録しています。

 

下田丈(Team Honda HRC)
「Hondaのワークスチームに加入することになり、とてもうれしく思っています。以前と比べても自分はすごく成長したと感じていますし、AMAチャンピオン総合優勝という次のステップに進みたいと思っています。ローレンス兄弟とはFactory Connectionでチームメートだった頃からの友人で、Hondaのマシンが頂点の戦いで勝てることを証明してくれました。すでに2024年に向けてテストを開始しており、来シーズンの開幕が待ちきれません」

ブランドン・ウィルソン(アメリカン・ホンダモーター レーシング&エクスペリエンシャル・マーケティング)
「ジョー(下田)がHondaファミリーに戻ってきたことを本当にうれしく思っています。2021年当時に彼が移籍したのはとても残念だったので、再会したような気分です。彼はここ数年で大きく成長し、250クラスのトップライダーのひとりとして確固たる地位を築いてきました。ライダーとの契約のニュースは常にエキサイティングですが、今回のニュースは、日本とのつながりを考えると、我々の経営陣や多くの仲間にとって特に意味のあるものです。ジョーは、アメリカでレギュラー参戦をする日本人モトクロッサーとしてはすでに最も成功しているライダーですが、今後さらに大きな目標を見据えていきます」

 

下田丈

生年月日:2002年5月16日

2016: 全米アマチュアモトクロス選手権(ロレッタリン) スーパーミニ2チャンピオン
2017: Factory Connectionとアマチュアプログラム契約
2018: モンスターエナジーカップオールスターズチャンピオン
2019: AMAプロデビュー(AMAプロモトクロス最終3戦で参戦)
2020: AMAスーパークロス ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得、AMAスーパークロス250SXイーストランキング3位。AMAプロモトクロス250ランキング11位
2021: AMAスーパークロス250イーストランキング2位(1勝)、AMAプロモトクロス250ランキング5位
2022: AMAスーパークロス250ウエストランキング4位、AMAプロモトクロス250ランキング2位(5勝)
2023: AMAスーパークロス250イーストランキング13位、AMAプロモトクロス250ランキング3位(3勝)、AMAスーパーモトクロス250ランキング2位(総合優勝: 1回)

 

Jo Shimoda Signs With Team Honda HRC!

(via: Honda Racing)

 

 

 

海外でのリリース内容含めて関連情報をまとめると…。

・2年契約(2024〜2025年)
・250クラス参戦
・ジェット・ローレンス(450)、ハンター・ローレンス(450)、チャンス・ハイマス(250)がチームメイト
・モンスターエナジー契約継続
・FOXウェア
・ヘルメットがBELLからFOXへ変更
・SCOTTゴーグル
・11月18, 19日 仏パリスーパークロスがホンダ初レース

 

2019年にホンダファクトリーサポートチーム「ガイコホンダ」からプロデビュー。2020年 プロフル参戦初年度でAMAスーパークロス新人賞獲得する活躍を残すも突如ガイコホンダが消滅。行き場を失った下田選手はトライアウトを経て、2021年のプロサーキットカワサキとの契約を獲得。

2021〜2023年のプロサーキットカワサキ所属期間にAMAスーパークロス、AMAモトクロス、AMAスーパーモトクロスでタイトル争いや優勝を経験し、AMAの250クラスを代表するライダーに成長。

そして今回の2024年からのホンダファクトリー Team Honda HRCとの契約は、チームは異なるもののホンダへの復帰。ホンダはF1、MotoGP、世界トライアル選手権という世界最高峰カテゴリーで日本人ライダーと契約してきましたが、下田選手はモトクロスライダーとしてホンダファクトリー Team Honda HRCと初めてファクトリー契約を結んだ日本人ライダーとなることに。

 

AMAスーパークロス、AMAモトクロス開催全クラス完全制覇した今季ホンダファクトリー。来季はローレンス兄弟が揃って、450クラスにステップアップすることで空いた250クラスのシートを下田選手が獲得。

250クラスのチームメイトは来季プロフル参戦初年度のハイマスということで、ホンダファクトリーとしては下田選手にタイトル獲得を期待しての今回の獲得劇でしょう。

 

下田選手のホンダファクトリー移籍の噂は、AMAスーパークロス期間中から根強く囁かれていたモトゴシップのひとつ。250クラス参戦有力チームの多くが下田選手獲得に動いていた模様で、中には450クラスステップアップ後の契約も条件に上げたオファーもあったのでは…との情報も。

今回の下田選手のホンダとの契約は、250クラス参戦の2年契約。ホンダファクトリーはジェット・ローレンスと2025年まで、ハンター・ローレンスとは2024年までの複数年契約済。ローレンス兄弟を中心としたチーム運営方針が明確な来季からのホンダファクトリー。下田選手がホンダファクトリーとして、450クラスへステップアップできるかは、250クラスでのタイトル獲得は必須条件となってくるでしょう。

ローレンス兄弟不在となる来季以降のAMA250クラスは、大幅に勢力図が変わることが予想されます。これまで以上にタイトルへの期待が高まる下田選手の活躍が今から楽しみです。

 

Honda Racing


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