たまモト|「全日本呟きネタ」2023 全日本モトクロス選手権 第8戦 オフロードヴィレッジ
全日本モトクロス選手権 第8戦 オフロードヴィレッジ大会。IA1チャンピオンはすでに決定したもののHONDAより電動モトクロッサーでトレイ・カナード選手が参戦、IA2にはチームYAMAMOTOよりブライアン・スー選手が参戦するなど、話題の多い大会でした。そんな第8戦振り返りレポ。当日、X(旧Twitter)にて発信した現地の様子プラスアルファの現地ネタをお送りします。
土曜日朝のIAライダーズブリーフィングにてカナード選手に熱心に話しかける大城魁之輔選手。海外から取材に来られたプレスの方も驚いたほど英語が達者な魁之輔くん、実はカナードさんの大ファンで事前に話を伺った時にも以下のように熱心に語っておられました。
「カナードですか? 好きです!何と言ってもライディングのスタイルが好きですね、かっこいいんですよ! すごい教科書みたいな乗り方するんですよ。きれいなのに硬くなくて柔らかい、なのにめっちゃキレがあるんですよ」、「パドックが一緒なのでその立場を乱用してちょっとお話とかしてみたいなって思っていて、っていうか実を言うとすでにちょっとお話させてもらいまして。日本食どうだとかいう話もしましたけど、めっちゃ真面目にモトクロスのこととかも聞いちゃいました。ちゃんと答えてくれるんですよ、めんどくさそうにしないんですよ。一緒にレースをして吸収できるものは全て吸収したいです。おそらく僕があの人から吸収してプラスにならないことは一つもないので、コース上のどの1ミリをとっても僕が優っているところはないので、全部吸い取ったほうがいいなと」
さて、今回一緒に過ごされたことでどれだけのコトを吸収できたのか、そしてこれからに活かされるのか、大城選手の今後に期待です。
ライダーズブリーフィングの後、MFJのスタッフの方となにやら話し込んでおられたのはアドバイザーの熱田孝高さんと北居良樹さん。なんのお話か気になって聞き耳を立ててみたら今回のブリーフィングで話題になった「レース中の負傷で医師に脳震盪と診断された場合は走れない」という通達についての意見交換でした。元ライダーのお二人からすると脳震盪の危険を理解しつつもそれでも走りたいというライダーの気持ちもよくわかるので悩ましいところですよね。
今大会の目玉と言えばHONDAの電動モトクロッサーCR ELECTRIC PROTO。トレイ・カナード選手が乗ってTeam HRCから参戦するというので観客のみならず関係者からも注目されていました。展示車がHONDAのブースにあるもののもっと間近でいろんな方向から観たいのがマニア。というわけで洗車場のぐるりには興味津々の人だかりが。そんな中ざぶざぶ現れる電動モトクロッサーを見て思わず「…洗うんだ」と率直な感想をこぼしてしまったえかきや。
いや、頭ではわかってるんですよ。めちゃくちゃ汚れるモトクロッサー、洗ってナンボなんだから十分に安全かつそれを前提に作られた車体だっていうのは。それでもなんだか「電動なのに丸洗いしちゃって大丈夫なの?」って気持ちがどこかにあってね。と、思ってたら周囲の観客からも「こんな豪快に洗っちゃうんだねえ」って声が聞こえて、やはり考えることは皆同じなのねと安心した次第。
その後、カナードさんもやってきて全日本のライダーと同じくざぶざぶ洗われてるのみて「カナードさんも洗うんだ…」と呟いてしまいました。こちらもあたりまえっちゃあたりまえですね・笑
練習走行後にタブレットを観ながらなにやら話し込んでおられるトッチこと富田俊樹選手とスタッフさん。そこにやってきた同じく練習走行後のジェイ・ウイルソン選手。練習走行の動画をご覧になってコースのアプローチについて話し合っているのでしょうか。こうやって手を手刀の形にしてバイクの挙動を表すのってモトクロスライダーの国籍超えた共通言語ですよねえ。
前回の九州大会でIA1チャンピオンを決めたジェイさん。今年の恒例として始められたファンサービス、オリジナル缶バッジも『日本一』デザインに。最終戦のSUGOでは「スペシャルデザインを考えているよ」とのことなので、観戦に行かれるみなさんはぜひゲットしてください。
CR ELECTRIC PROTOのライダーとして参戦されたトレイ・カナード選手はファンサービスもスペシャル。とにかくニコニコ楽しげにファンに接しておられました。サインスペースにはオフィシャルスタッフの姿も。そりゃせっかくの機会ですもの、誰だってサインもらいたいよねえ。サイン会の後にはマシンとのツーショット撮影大会の時間も設けてくださって、いや、さすがファンサというものをよくわかっておられる、と感心。
Kawasakiのテント裏でお会いしたTKこと勝谷武史さん。北海道大会では選手として参戦されましたが今回は別のお仕事でおいでになっているとのこと。
「ヨーロッパから帰ったばかりで時差ぼけだよ〜」とボヤいておられましたが「そうそう、これ見て!」と嬉しそうに取り出されたのはフランス人ライダー、ロマン・フェーブル選手のネイションズジャージ!
TKさんのお仕事に感謝してフェーブル選手自らがプレゼントしてくださったそう。「ちゃんとTo Takeshiって書いてくれたんだよ」って自慢されていました。よくみると「To Taka」に見えるけどこれはきっとあちらでのTKさんの呼び名ですよね?(編注:海外の方は皆、タカと呼ぶ)
全日本モトクロスに新型車あり! となれば、海を越えておいでになりますドン前ことSwap Moto LiveのDonn Maedaさん。今回もCR ELECTRIC PROTOやカナードさん中心に精力的に取材されていました。そんな前田さんとツーショットされてるのはコースビルダーの長田智邦さん。前田さんとは旧知の仲。
そんな長田さんの愛車もとえ愛重機はCarryデザインさんのデカールによって今回からめちゃくちゃかっこよくなってました。重機界広しといえどこんなCoolな重機はこれ一台じゃあるまいか。
IA2クラスで大活躍中のスペイン人ライダー、ビクトル・アロンソ選手。IA2クラスで今一番チャンピオンに近い位置にいらっしゃいます。そんなビクトル選手を第2戦からずっと支えておられるのがレジェンドライダー立脇三樹夫さん。チームの方針でビクトル選手に直接インタビューができなかったので、アドバイザーであるミッキーさんにちょっぴりお話をうかがってみました。
「チームアドバイザーになったのは2戦目から。ビクトルにチャンピオンを獲らせたいのでその精度を上げるためにとチームオーナーから依頼されました。バイクの整備から練習の手配、練習にも同伴しますし…アドバイザー兼コーチですね、雑用から何から・笑」、「このあいだは富士山にも行きました。本人もずっと行きたいって言ってましたし、必勝祈願ですね。神頼みです・笑」、「今は五合目までしか行けないので五合目の神社にお参りしたり写真撮ったりして。外国人は富士山に憧れがあるみたいですからビクトルも『富士山に行ったぞ』っていうのを帰国したら自慢したいんじゃないですかね・笑」、「ビクトルは全日本のスパンが長い時には帰国しますが、後半戦のHSR九州大会から最終戦まではずっと日本にいます。お父さんと2人ですね。ですから私も入れて3人でいつも一緒にいる感じですね。日本での滞在先が神奈川県川崎市なので練習に行くのはオフビ、モトビが多いです」、「ビクトルは結構真面目に練習するんですよ。他のライダーもいる時はそれなりなんですが、一人だと結構ハードにやるんです。才能型ではなく努力型ですね。まだ成績に波はだいぶありますね。あれは若さとか経験値ですね。とはいえ、チャンピオンしか考えていませんので。チャンピオン以外は2位も10位も同じですから」
スペインの若駒ビクトルくんにミッキーさん、まさに「鬼に金棒」ってやつですね
IA2ヒート1、前半トップを走られた福村鎌選手。サインエリアではメカさんが「レン!いちばん!!」ってマイクに向かって叫んでおられました。そりゃ嬉しいから叫んじゃうよね。数周踏ん張ったのちに抜かれてしまって結果は4位でしたがトップを走ったことは自信につながったはず。
昼休みニッコニコで歩いて来られた福村選手は先輩の稲垣佳樹さんと「トップ走るとテンション上がるよねー!」って盛り上がっておられました。
スタート前の整地に余念がないカナード選手。かと思えばお隣の小方誠選手となにやら談笑してにっこり。
IA2ヒート2、最終周にマシントラブルで止まってしまったアロンソ選手を抜いて優勝された鈴村英喜選手。勝利者インタビューの後、あちこちからおめでとう&写真を撮られまくる状態に「こういう風になりたかったんです!」と笑顔。棚ぼた勝利と言わば言え、棚の下まで辿り着けなきゃ棚ぼたもないんだからってことです。よくぞ踏ん張られました! おめでとうございます。
IA2ヒート2とヒート3で思わぬ(失礼)活躍を見せたモリーこと森優介選手。数年前に就職されてしばらくレース活動を休んでおられたのですが、復帰して数周とは言えこうして前の方を走られる姿を拝見すると「やっぱ速かったのねえ」と改めて関心するのでした。来年はもっと走ってくださるといいなあ。
こちらも復帰戦、長い長い怪我から戻ってこられた星野優位選手。そしてオフビマスターを体現する男がやってくれました。IA1ヒート2、今シーズン連戦連勝のジェイさんの優勝を初めて止めて優勝したのが怪我から復帰した星野優位選手でした。ドラマだ。
レース序盤、ジェイさんとカナードさんの接触転倒でカナードさんがリタイア、ジェイさんが後方からの追い上げとなったヒート2、どんな理由であれ一番前を走ってゴールしたのは優位くんでした。フィニッシュ後、テーブルトップで全身つかって喜びを表現していた優位くん。ほんとによかったね!
レディースクラス、地元優勝でランキング1位を奪還した川井麻央選手。今年のLMXは川井選手と本田七海選手の一騎打ちな様相を呈しています。最終戦までもつれ込んだチャンピオン争い。激しい戦いが期待されます。ファンは応援に行かなきゃ!
そんな川井選手の目下の関心事は「MFJのランキング表彰式でどんな風にドレスアップするか」なんですって。「一番だったらどんな格好してても何も言われないんで、そのためにも一番になりたいです」っておっしゃってました。そこまで見据えて戦ってるんですね、さすが女王経験者は目線が違うなって感心しちゃいました。麻央ちゃんのかっこいいドレス姿、私も観たいぞ。
最後の最後、表彰台前でやっとお目にかかれましたヴァイオリンライダーことブライアン・スー選手。
とにかく速かった。慣れない日本のコースをヒート毎に攻略していくさまが「恐ろしいコ…」ってカンジでしたが、素顔は優しげな美青年。走りと素顔のギャップにファンになった方も多いんじゃないでしょか。
こんな逸材をさらっと連れてこられる山本鯨さんの手腕にもあらためて感心。
今回なにげに活躍されてました大塚豪太選手。OFV大会でランキング6位に滑り込まれたのでお話を伺いに行きました。前回九州のクラッシュで満身創痍、その怪我も治り切っていないとは思えない活き活きとした走りをされていました。
ご本人曰く「怪我で休んでる間に頭を整理したのがよかったみたいです。今迄がむしゃらにやってきたけどあんまりいいことなかったんで。でも、今までがむしゃらにやってきたからこその経験とかもあって、あ、これじゃいけないなみたいなのもあって。今までの失敗『こうしたらこうなる』っていうのが人よりもいっぱいあると思うんで、そういうところをいろいろ整理しました」とのこと。IAに上がって9年「今更ですが27歳になってようやく大人になったかなって。自分はかなり時間がかかるタイプなんでしょうね、成長するのに」と苦笑い。
そんな大塚選手「今年、まだベストリザルトが4位で表彰台に上がれてないんで、最低どっちかのヒートは表彰台に上がることを目標にいきます」と意気込んでおられましたのでファンはぜひ応援にいってくださいね。
…というわけで、オフロードビレッジ大会が終わったと思ったら、今週末はあっというまの最終戦です。スパンが短い!!
すでにチャンピオンが決まっているIA1クラスも2位以下の「日本人で誰が一番か?争い」は僅差ですし、IA2はランキングトップのアロンソ選手と2位の横澤選手のポイント差が28ポイントと、まだまだわからない状態。LMXもトップ2人の熾烈な女王争いが予想されます。いろいろと盛り上がる最終戦になること間違いなしです。
10月末とは思えない暑さのオフビからいきなり冬の気温になるという予報ですので現地においでの方は防寒対策ばっちりでお運びください。きっとすばらしいレースがご覧になれますよ。