ビデオ&スタッツ|2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGPチャンピオン ジェフリー・ハーリングス

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GP史に残る僅差の熾烈なタイトル争いを制した、2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGPシリーズ 最高峰MXGPクラスの新王者ジェフリー・ハーリングス。タイトルを争ったロマン・フェーブルと同点で最終戦・最終レースを迎え、見事に勝利でチャンピオンを獲得したドラマチックなシーンは語り継がれることでしょう。

 

 

自身5度目(MXGPクラス2度、MX2クラス3度)のGPタイトル獲得を記念してリリースされた、KTM公式&MXGP公式発ビデオをシェア。ビデオ下にはハーリングスの今季スタッツとともに今季の活躍を振返ります。

エンジョイ!

 

Jeffrey Herlings – 2021 MXGP World Champion | KTM

 

Jeffrey Herlings | MXGP World Champion 2021

 

【2021 MXGP ポイントランキング】
1. Jeffrey Herlings (NED, KTM), 708 points
2. Romain Febvre (FRA, KAW), 703
3. Tim Gajser (SLO, HON), 688
4. Jeremy Seewer (SUI, YAM), 566
5. Jorge Prado (ESP, KTM), 562
6. Antonio Cairoli (ITA, KTM), 545

 

自他共に認める世界最高峰のスピードを誇るものの、これまで幾度となく自身の負傷によりタイトルを逃してきたハーリングス。シーズン開幕前から、勝ち急ぐことなく安定して表彰台に乗れるレースを重ねれば、おのずとタイトルは獲得できると語っていましたが、第4戦オランダGPでの衝撃的な肩甲骨骨折のアクシデントにより、状況は一転…。

一時はタイトルを諦めて「肩甲骨骨折の完治を待って復帰する」とのコメントもありましたが、ガイザーの転倒によるポイントロスを見て(当時のポイントリーダー)、シリーズ復帰・強行出場の判断に踏み切ることとなりました。

最大「51点」のビハインドを背負ってのシリーズ復帰。一時は絶望的とも見られたタイトルへの望みでしたが、復帰戦となった第6戦ベルギーGPを含めてレース勝利を量産。シリーズ後半の第10戦サルデーニャGPで遂にランキング首位浮上。

第15戦ピエトラムタGP(イタリア)、第16戦ガルダGP(イタリア)では、スタート直後の転倒によるマシントラブルでリタイアに加えて、度重なる転倒もありポイントリーダーをフェーブルに明け渡すことになりますが、最終戦での完全優勝でポイントリーダー再浮上が同時にタイトル獲得のチェッカーとなるのでした。

 

 

【ジェフリー・ハーリングス 2021 MXGPクラス 全18戦 スタッツ】
・総合優勝 9回(4回ガイザー、1回フェーブル)
・総合表彰台 14回(13回ガイザー、10回フェーブル)
・レース勝利 15回(7回ガイザー、6回フェーブル)
・首位ラップ数 157周(138周フェーブル、97周ガイザー)
・予選ポールポジション 13回(1回ガイザー、0回フェーブル)
・ノーポイント 4回(0回フェーブル、0回ガイザー)
(カッコ内はタイトル争ったフェーブルとガイザーのスタッツ)

 

タイトル獲得を目標にシリーズ通じて安定したリザルトを残すことを最優先事項として挑んだハーリングスでしたが、上記スタッツの通りに圧倒的な勝利数と予選時からのスピードが際立ちます。ノーポイントレースが4度… 逆転タイトルには勝利しかなかった追い込まれた状況もありましたが、結果的にはハーリングス最大の持ち味である圧倒的な「スピードと勝利数」が大逆転タイトル獲得の最大の要因となりました。

結果論ですが、最終戦・最終レースを同点で迎えて破れたフェーブル。安定感が光ったものの、主要スタッツでハーリングスに大きく離された結果しか残せなかったことが数字上からも浮かび上がってきます。

長いシリーズを戦うには「安定感」が最も重要である、というのは定説のように語られる言葉。しかし、その定説を覆してしまうほどの破壊的なハーリングスの「スピードと勝利数」。そしてそれを実現させる原動力としての「勝利への貪欲な姿勢」は、レーサーとしての最大で最強の武器・資質といえるでしょう。

 

 

逆転タイトルを獲得した最終戦での総合優勝でハーリングスのGP通算勝利数は「99勝」。GPレジェンドのステファン・エバーツが持つGP記録「101勝」までカウントダウン状態で、2022年シーズンを迎えることとなります。

時に自らドラマを生み出してしまう不安定さも、ハーリングスの強さと魅力を際立たせる要素と考えられるというのは、言い過ぎでしょうか?

 

Behind the Bullet – The Newsmoto

Ray Archer


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