ヤバすぎるスキル|ホルヘ・プラド「2021 MXGPホールショット王への道」ビデオまとめ
現在の世界最高峰モトクロスレースシーンで最もスタートの上手い「ホールショット獲得数多い」ライダーは、レッドブルKTMのホルヘ・プラドで間違いないでしょう。
先行逃げ切りスタイルが持ち味のプラド。その勝利の確率が最も高まる最重要要素の「スタート順位」が勝利数に比例してくることに異論はないはずです。2度のMX2クラス王者獲得も圧倒的なスピードはもちろんのこと、驚異のホールショット獲得率が大きく貢献しており、最高峰MXGPクラスにおいてもプラドのスタート優位性は揺らぐことはありません。
スタートからフィニッシュまでレース通して最もリスクが高いのが、スタート直後から1コーナーを過ぎるまで。すなわちホールショットラインを越える時点でどれだけライバル達に優位なポジションを築けるかが、混戦時のリスク回避にも繋がってくるわけなのです。
ライダーとしてある意味、最もプレッシャーのかかる大会の一つとして「地元大会」があると思いますが、先日のスペインGPではプレッシャーを逆にアドバンテージとし、プラドは地元スペインの大観衆の声援を背に2レース連続でホールショット獲得に成功。今回はそのスペインGP、アフィヨン(トルコ)GP、トルコGPと2レース連続でホールショット獲得に成功した3大会のスタートシーンビデオをシェア。驚異的なホールショット獲得シーンの数々だけでなく、すぐざま後続を引き離しにかかるスピードに注目です。エンジョイ!
第13戦 スペインGP
第9戦 アフィヨン(トルコ)GP
第8戦 トルコGP
爽快感ケタ違いなホールショットシーンの数々。1コーナーまで常に最短距離のグリッドを選択出来るのも絶対的なスタートへの自信が表れている証拠でしょう。反応だけでなく、ゲート飛び出した後のトラクションや加速に突出した優位性が見られるのが、プラドのスタートテクニックの特徴です。
今季MXGPクラスでのホールショット獲得数(第13戦まで)ランキングを見ても…
1. ホルヘ・プラド – 13回
2. ロマン・フェーブル – 6回
3. ジェフリー・ハーリングス – 3回
4. グレン・コールデンホフ – 1回
5. イボ・モンティチェリ – 1回
6. アントニオ・カイローリ – 1回
第13戦までの計26レース中(DNS 1回)、13回! プラドのホールショット獲得率は5割強という驚異の数字。ちなみに最高峰MXGPクラスのルーキーイヤーとなった昨年は、ホールショット王獲得しています(16回)。今季ここまでの獲得率を見ても2年連続ホールショット王獲得は濃厚です。
そしてもうひとつ。近年の新世代ライダーの間で見られるようになりつつある、骨盤が立ち背筋が伸びたようなライディングスタイル。もともと重心移動が少なく効率的ともいえるようなライディングが特徴のプラドですが、これまでのアメリカンライディングに代表されてきたような肘を張りハンドルバーに覆い被さるようなスタイルとは大きく異るもの。
MXGPだけでなく、AMAでも若手ライダーに見られるライディングスタイル。プラドを筆頭に今後注目しておくべきライディングの流派となるか?
MXGP事件簿|空中衝突「プラド VS. ハーリングス」一部始終映像@ 2021 ドイツGP
ドイツGPでのハーリングスとの空中接触以降、バトル時のディフェンシブなライン取りに批判が高まっているプラド。しかし、先行逃げ切りスタイルを武器にハーリングスやガイザー等のチャンピオン経験者たちとのバトルに勝利するには、戦術として時に相手を意図的にブロックするのも否めない面もあるでしょう…。
いずれにしてもMXGP界の未来を担う存在のプラド。モトゴシップとして移籍説もいくつか浮上中という点も含めて、今後の活躍に大注目なのは間違いない逸材なのです。