MXGP事件簿|空中衝突「プラド VS. ハーリングス」一部始終映像@ 2021 ドイツGP
【追加:MXGP公式ベストアクションビデオ】
2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第11戦 ドイツGP、最高峰MXGPクラスのレース1序盤からフィニッシュまで繰り広げられたレッドブルKTMチームメイト同士、ホルヘ・プラドとジェフリー・ハーリングスとの熾烈なバトル。その幕切れとなったフィニッシュジャンプでの衝撃的クラッシュシーンが大きな話題となっています。
レースの流れとしては、ホールショットのプラドをハーリングスがオープニングラップにパスし、首位浮上。序盤にリズムに乗り切れないハーリングスをプラドが逆転し、僅かながら徐々にリードを築きます。終盤にペースを取り戻したハーリングスが猛追。プラドが巧みなライン取りでハーリングスを抑え込みながら、クライマックスとなるフィニッシュジャンプで「事件」は起こるのでした…。
@ m x g p
【追加ビデオ】
「う〜〜ん… なんで!?」不可解なフィニッシュジャンプ滞空時間でのハーリングスの前を横切る形のライン取り… 危険すぎる。素晴らしいバトルの幕切れがこんな形になるなんて…。
プラドはこの転倒のダメージにより胴体上部の裂傷治療の為、コースを離れており正式なコメントがないので真相は不明。意図的なのか? 何かしらのミスに起因するものなのか? 現時点では知る由もないのですが、モトクロスのレース中で最も危険なクラッシュの形であるのは間違いありません。因みにハーリングスはヒザにダメージを負いました。
フィニッシュジャンプ直前で明らかにコース左端から右方向へとマシンを移動させていく挙動は、マシン・身体共に確認できます。踏切直後に横を見る?形でハーリングスの位置を確認している点も見逃せないところ。
レースゴールとなるフィニッシュラインを越えた後まで、ハーリングスを牽制するようなライン取りをする必要はないはずなのですが…。なぜ右にマシンを振ったのか?
ニューモトでも何度か触れてきたのですが、プラドにはMX2時代からバトル中に度々、危険とも受け取れる形で他者ラインを塞ぐ行為が指摘されてきたライダー。今回のような「クロスジャンピング」と呼ばれる形のジャンプ中でもラインを塞ごうとする行為が議論を引き起こしたのは、一度や二度ではありません。
90年代のジェフ・エミッグや10年代のマイク・アレッシのような後ろに目があるのでは? とすら思えるようなブロックラインを取れるのはバトル技量の優れたスキルであることは否定出来ませんが、ライバルだけでなく自身も危険にされすような一戦を越えるような行為は、レーサー倫理としてはどうなのでしょうか? 因みに三者に共通するのは、スタート逃げ切りタイプのライダーという点。
今季のMXGPクラスは過去に例を見ない上位勢僅差のタイトル争いを繰り広げている、素晴らしいシリーズとなっています。今回のような不要な接触でタイトル争いから脱落というのは是非とも避けていただきたい… というのが、レースファンの本音。
いずれにせよ、プラドには何かしらのコメントが必要ではないかと考え〼
レースビデオ&リザルト|2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第11戦 ドイツGP
Ray Archer