2019 AMAスーパークロス新王者｜250SXウエストクラスディラン・フェランディス

by SetagayaRacing · Published 2019-05-08 · Updated 2019-05-08

2019 AMAスーパークロス 250SXウエストクラス新チャンピオン、ディラン・フェランディス（ヤマハ）。新王者誕生を祝してリリースされたビデオと今季フェランディスの活躍にまつわる「数字」＆ギャラリーを併せてシェア。

AMAスーパークロス250SXクラス、56人目の王者（57人目チェイス・セクストンと同時）
AMAスーパークロス250SXウエストクラス、過去5シーズンでスターレーシングヤマハライダー4人目のタイトル
MXGPシリーズからAMAに活躍の場を移して参戦3年目での初タイトル獲得
フランス出身、現在24歳
今季10戦中、3勝（最多勝は5勝シアンサルーロ）
今季10戦中、表彰台登壇7回（最多）
今季10戦中、2位以内（優勝含む）8回（最多）
ワーストリザルト7位（マディのサンディエゴSXでマシントラブル）
平均順位、2.6位
シリーズ全戦トップ周回数、52周（最多は87周シアンサルーロ）

ポイントリーダーのシアンサルーロに対して、8点差ビハインドで挑んだ最終戦。今季スタートに苦しめられていた印象強いフェランディスがオープニングラップから首位をキープし全ラップ首位＆ベストラップ記録で今季3勝目。シアンサルーロ自滅もありましたが、大逆転でウエストタイトル獲得！ MXGPシリーズからAMAに活躍の場を移して3シーンズン目で、夢のスーパークロス王者へ。8点差にビハインドを拡げられた前戦ではかなり落胆した様子でしたが、最終戦では最後まで勝負を諦めない姿勢が呼び込んだ大逆転タイトル。ラスベガスという土地柄と今季AMAスーパークロスシリーズに相応しい超ド級ミラクル大逆転タイトル劇！

近年まれに見るドラマチックな展開連続の今季AMAスーパークロスシリーズ。最終戦の主役は間違いなくフェランディスでしょう。タイトル獲得圏内でのシアンサルーロ単独転倒が、ある意味ショッキングな映像と共に話題となっていますが、オープニングラップからトップ快走フェランディスの影響は少なからずあったでしょう。

10戦中、6戦目でAMAスーパークロス初優勝を飾ったフェランディス。以後4戦のリザルトをフェランディスとシアンサルーロとで比較すると、フェランディス（1-1-2-1）、シアンサルーロ（2-4-1-20）とフェランディス初優勝後の勢いがシアンサルーロに勝っていることは数字以外にもレース内容としても証明してきました。このフェランディスの好調さがシアンサルーロの精神面に影響した可能性は否定できないでしょう。

棚ぼた王者などではなく、シリーズ終盤戦の好調と安定感、最後まで勝負を諦めない姿勢が呼び込んだ大逆転タイトルと見るべきです。最終戦直前までライディングコーチのデビッド・ビーラマンと共に課題のスタートテクニック全面見直しに取り組んできたというフェランディス。見事、好スタートが大逆転タイトル獲得の重要なキーとして形となりました。お見事！

SX初表彰台時同様に涙を見せましたが、今回は王者の涙

ライディングコーチのデビッド・ビーラマンと奥様との歓喜の瞬間。ビーラマンの表情、プライスレス！

【コレは！MXGP事件簿】モトクロスはオフロードの格闘技と言いますが…
MXGP参戦時代はジェフリー・ハーリングス等を相手にアグレッシブすぎるライディングが度々目に付き、決して優等生ライダーとは言えなかったライダーでしたが、AMA参戦開始後は別人のようにクリーンなレース運びやメディア対応等、アメリカMXシーンに見事対応。フェランディスの最高の笑顔がこんな表情とはMXGP参戦時代は知りませんでした。

MXGP参戦時代からAMA参戦を自身の目標とし、プライベートSXコースも所有。シーズンオフにヨーロッパで開催されるスーパークロスに積極的に参戦。MX2クラス参戦年齢制限直前に唯一の正式なオファーだったと自身が語る、スターレーシングヤマハに移籍し、AMA参戦を2017年から開始。負傷欠場もあり、スーパークロスには苦戦した2シーズンでしたが、3年目で見事タイトル獲得！

レース後の記者会見では、以前から2年後の450クラスステップアップに向け、来季は450クラスにもスポット参戦希望の旨をヤマハに訴えているとコメント。ヤマハとの複数年契約中のフェランディスは来季もスターレーシングヤマハから250クラス参戦は決定済。450ステップアップに向けたキャリアプランニングがしっかりと描けている点は、非アメリカ人がアメリカでレース活動する際にはとても重要でしょう。

250クラスライダーながら、AMAトップレベルの知名度と人気を誇るシアンサルーロの転倒自滅でタイトルを逃すシーンはショッキングなものでした。しかし、個人的には90年代初頭のフランス人ライダー、ジャン・ミシェル・バイル以降の非アメリカ人達によるAMAチャレンジを応援してしまう気持ちも強くあり、フェランディス快進撃はレースファンとして非常に楽しませてもらいました。今では珍しくなったプロテクター外付け姿もシビれ〼

以下ビデオは、スーパークロス公式チャンピオン獲得記念作品です。エンジョイ！