モトゴシップ|トレイ・カナード引退
【キャリアハイライトビデオ追加有】
2017 AMAモトクロス 第8戦 スプリングクリーク(ミルビル)の会場で発表された「トレイ・カナード引退」。第7戦 サウスウィックを負傷欠場のニュースをお届けしたばかりでしたが、残念ながら復帰することなく、そのままシーズン半ばにしてレースの世界から身を引くことに。
リリース抄訳すると… 引退を決断した理由は「気力の限界」。度重なる負傷から世界最高峰レベルへの復帰にこれまでのように自らを高めていくことが出来ないからというものでした。
2011年の450クラスへのステップアップ後、度重なる大腿骨骨折、背骨骨折等、毎シーズン負傷による長期欠場を繰り返してきたカナード。その精神的負担は想像に難くありません…
2007年にUSアマチュアMX界最大の大会ロレッタ・リンでの最優秀ライダー賞獲得し、同年AMAモトクロスシリーズ終盤戦でプロデビュー。2008年に初参戦となる250SXシリーズで当時チャンピオンのライアン・ビロポートを下してルーキーながらタイトル獲得した衝撃は今でもコアなレースファンであれば強く記憶に残っているはず。
2010年には、クリストフ・プーセルとのタイトル争いを制しAMAモトクロス250MXチャンピオンに輝き、2011年からはホンダファクトリーの一員として450クラスへステップアップ。450ルーキーイヤーのスーパークロスシーズンでもいきなり3勝とそのポテンシャルの高さを証明しますが以後は負傷欠場〜復帰の繰り返しという10年のレースキャリアでした。
その人柄の良さや好調時のスピードを知っているだけあって多くのレースファンがカナードの完全復活を熱望し続けてきましたので非常に残念なニュース。これまでカナード関連のモトゴシップでお伝えしてきた通り、今季限りでの引退説は根強くささやかれていたのですが、シーズン半ばでの引退には驚きました。
敬虔なクリスチャンとしても知られ、慈善活動にも積極的。真面目でユーモア豊かな人柄で多くのファンから愛されたカナードが現役引退とは非常に残念ですが、セカンドキャリアでの更なる活躍を願うばかりです。
日本のレースファンとしては、2015年 全日本モトクロス選手権 MFJ-GP参戦時の当時MXGP王者ロマン・フェーブルとのバトルを制しての勝利と基本に忠実な安定感あるライディングが強烈な印象として刻まれています。
カナードのレースキャリア最後の優勝レース、ドキュメントビデオを下記にまとめました。沢山の感動をありがとう、カナード!!
【プレミアクラス450SX決勝ハイライトビデオ】2015AMAスーパークロスRd.6 サンディエゴ 450SX
【4分20秒カナード特集】A Passion to Persevere: Trey Canard on a Balanced Life
Simon Cudby