【担当メカニックが解説!】オーストラリア選手権参戦 勝谷武史レースマシン解説!

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2014年全日本モトクロス選手権IA2チャンピオン、勝谷武史( Sony Action Cam Kawasaki Racing Team)の参戦するオーストラリア選手権「MX Nationals」で使用される勝谷車の解説を担当メカニック 杉本氏のコメント交えながら紹介します! マシンはもちろん、カワサキKX250Fです。

 

ノーマル車然としたビジュアルですが、そこはオーストラリア選手権でタイトルを争うマシン、ところどころに気になるものも。スポンサーのSony Action Camのロゴも重みがあります。

 

エンジンスペックは昨年の全日本仕様から少しモディファイ。

エンジンスペックは昨年の全日本仕様から少しモディファイ。

 

Frハブ&hディスクローターはSRタイプKHIのご好意により貸し出ししてもらってます。

Frハブ&hディスクローターはSRタイプKHIのご好意により貸し出ししてもらってます。

 

Rrハブ&ディスクローターも同様にSRタイプを使用

Rrハブ&ディスクローターも同様にSRタイプを使用

 

スプロケットはIsa製を使用、非常に耐久性に優れている。

スプロケットはIsa製を使用、非常に耐久性に優れている。

 

SHOWA社製のステアリングダンパー、これは'09年度から採用。

SHOWA社製のステアリングダンパー、これは’09年度から採用。

 

アクラポビッチパイプ、全日本同様、2mMAXに対応したサイレンサー。消音性は勿論、性能も申し分なし。

アクラポビッチパイプ、全日本同様、2mMAXに対応したサイレンサー。消音性は勿論、性能も申し分なし。

 

ZETAハンドガード、オーストラリアのライダーはあまり装着していない。マディーか石の多いコース以外は着けないらしい。

ZETAハンドガード、オーストラリアのライダーはあまり装着していない。マディーか石の多いコース以外は着けないらしい。

 

レンサルケプラーグリップ、メッチャすり減ってるんですけど、コレが良いらしく新品にさせてもらえないんです。

レンサルケプラーグリップ、メッチャすり減ってるんですけど、コレが良いらしく新品にさせてもらえないんです。

 

基本的には、ノーマルベースのマシンに所々ファクトリーパーツの貸与や全日本時代から信頼のおけるパーツを引き続き使用しています。すり減ったグリップを変更しないトップライダーの話をよく聞きますが、勝谷もそのタイプ。サスペンションはSHOWA。

 

他にも、これまでの全日本参戦時とオーストラリア選手権を戦う上での変更点や注意点を聞いてみました。

 

・メカとしてオーストラリア選手権参戦にあたり気をつけている点。                

08年から勝谷選手のメカを担当する事になったのですが、今シーズンも含めて好みが一貫しているので非常にマシンの作りこみはスムーズにいっています。実際、今年の1月に本番車テストを行ったのですが、 走行した日数は4日で終了。勝谷本人もマシンに満足し、これ以上テストをする必要は無い!っという事だったので、そのまま開幕を迎える事となりました。これまで全日本でも同じようなスタイルでしたが、今年が一番セットアップが早かったかもしれません。また、特に彼が気にするポイントとしてはFr廻りのディメンジョンと車体姿勢で、ココに関してはフレームの変更等はあるものの’08年度から全く同じ仕様となっています。オーストラリア選手権を走る事となり、私的には少し仕様を変更したい部分もあったのですが、彼の意見を尊重した結果、殆ど全日本仕様で落ち着いています。

 

全日本からオーストラリア選手権にフィールドを移しても、マシン作りに特に大きな変更点が無いのは、興味深い点。勝谷も経験豊富なベテランライダー、大きな変更を施すよりも乗り慣れた仕様をベースに、オーストラリアのコースにアジャストしていく姿勢。それが出来るのも杉本メカとの阿吽の呼吸があるからでしょう。

 

気になるオーストラリア在住の勝谷と日本在住の杉本メカのコミュニケーションやレースマシンの維持管理についても聞いてみました。

 

・マシン、勝谷とのコミュニケーションなど        

マシンについては先の通り、メカとしては非常に楽をさせてもらっています。基本的に彼は自分が作り込んだマシンに絶対的な自信をもっているので、メカとしてはテストで仕上がった状態を維持する事に専念しています。勝谷とのコミュニケーションとしては、私がレース以外の日は日本にいるのでiPhoneのFaceTimeで連絡を取り合っています。通話料が掛からないので本当に助かっています。結構長電話する事が多く、気がついたら1時間ぐらい話しこんでいる事がよくあります。話の内容はレースに向けての準備や、前回のレースから推察しどんなレース展開に持ち込むかそれ以外は殆どがゲームの話ですね。MadSkillsMXでどのラインが良いとか悪いとか。。最近ハマってるゲームはぼくのボッタクリBAR」ってゲームで、キャバクラに客を呼び込んでその客がらボッタクるってだけのゲームなんです。すごく単調で地味な感じなんですが、ボッタクリが成功した時の達成感がたまらなくてレースの前日にもやってました。

 

長年のコンビならではの信頼感があってこそのレース参戦体制。離れている分、こまめなコミュニケーションは大切ですね。話の後半はレースとは全然関係ないゲームの話し… しかもキャバクラのゲーム… こんな二人がオーストラリアでタイトル争いしているとは(笑)とにかく相性が良いのは素晴らしい! ということで(笑)

 

現在のオーストラリア選手権 MX2 ポイントランキングは以下の通り。

Motul MX2 championship standings:
1) Jay Wilson 343
2) Luke Clout 338
3)勝谷武史 323
4) Jed Beaton 300
5) Wade Hunter 288

一時は、2点差まで縮まったランキングトップまでの距離でしたが、転倒により逆に20点差のビハインド。転倒で負傷した肋骨ですが、レース欠場に至るダメージではないので、残り4戦のシリーズの巻き返しに期待です。

 

勝谷武史のオーストラリア選手権参戦関連の素材がいくつか手元に送られてきているので、後日、改めてシェアしていく予定です。意外な訪問客も!

 


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