AMAスーパークロス事件簿|激突ラストラップ「クレイグ VS. ローレンス」2021 インディアナポリス1SX
2021 AMAスーパークロス 第4戦 インディアナポリス1、最大の事件がコチラ! 250SXメインレースのラストラップで起こった、クリスチャン・クレイグとジェット・ローレンスによる「フィニッシュ直前2位争いバトル」からの接触・コースアウト…。
お互いのレーサー魂がぶつかりあった結果のアクシデント。まずは一部始終を映像でチェック。エンジョイ!
@ s u p e r c r o s s l i v e
ドッカーンっと両者の激突音が聞こえてきそうな接触の瞬間! 会場での反応やレース中継を追っていたレースファンの反応は、後方からハイペースの追い上げでレースを盛り上げたローレンスをクレイグがイン側から押し出した形ということもあり、ローレンスに同情的でクレイグには批判的なものが大半。
ぱっと見、確かにそう見えます… なのですがっ! レース後の両者のコメントを複数確認したり、ラストラップのフィニッシュまで2コーナーを残す場面、イン側アウト側の両者のポジショニングまで総合的に考えると、また違った見方が出来るのです。
まずは接触の瞬間のみに着目すると、クレイグに並びかけた勢いに勝るローレンスがアウト側から勝負に出ます。クレイグも負けじとイン側のアドバンテージを生かして、当然ですが引く気配はなく、両者は接触という流れ。結果的にクレイグがローレンスをコース外に押し出す形で両者揃ってコースアウト。
両者のコメント揃って、接触時に腕やハンドルが絡んで制御不能となり、フルブレーキングするも間に合わずにコースアウトとの発言。映像観ても接触直前のクレイグのマシンはイン側に向けて加速していることが確認できます。以上を踏まえ、クレイグがポジションを守るために意図してローレンスをコース外に押し出したと見るのは少々短絡的では? な印象となります。
ここから先は意見が分かれるところかもしれませんが、ニューモト的にはクレイグよりもローレンスの方が少々無理した結果では? とも考えられます。先述の通り、クレイグにはイン側というアドバンテージがあります。並びかけたローレンスの勢いも確かにあるのですが、アウト側から仕掛けるリスクは、特にスーパークロスでパッシングする際には最大限に注意しなければいけないというのは過去のSX史が証明しているかと思います。
イン側ラインを死守するしかないクレイグに対して、ローレンスには映像の通りにリスク覚悟でクレイグに並びかけて勝負する以外にもうひとつの選択肢として、アウト側バンク利用(トマックが多用)してのフープスでの加速勝負という、2つの選択肢があったと見ます。
自分がクレイグだったと仮定すると… ラストラップのフィニッシュ直前コーナーでアウト側から仕掛けるライダーに対して、そうやすやすとラインを譲ることは考えられません。当然のようにブロックラインを選択するでしょうし、ことさらスーパークロスコースであれば、ライバルを意図的にバンク上段まで押し出すことは常套手段でしょう。
つまり、何が言いたいかと言うと… 今回の接触は両者の意地が激突した不運なコースアウトだと考えますが、非難されるクレイグばかりに原因があるのではなく、ローレンスの若さ?が露呈したことも要因のひとつではないのか? 接触コースアウトを避けその後のセクションで勝負を仕掛けられる選択肢もあったのでは? ということ。
結果ありきでの考察なので何とでも言えてしまうのですが、下田選手の活躍もあり非常に見応えある好レースが続く、250SXイースト。今後のタイトル争いをより楽しむためにもアクシデントやトラブルなく、熾烈なタイトル争いを期待したい故の今回のニューモト考察でした。
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