たまMoto特別編:2016 全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP 直前SP
えかきやたまさんによる、全日本モトクロス選手権 予選日の注目・活躍したライダー達のレース会場からのコメントをお届けする「たまMoto」。今回はネイションズ特別編に続いてとなる2回目の「たまMoto」特別編をお届けします。
海外勢のAMA、MXGPからの参戦ライダー、IAベテランライダーの熱田選手、田中選手、北居選手の引退レースと見所の多い最終戦をより楽しむ為に必見のスペシャルな内容となっています。たまさんだからこそ引き出せるリアルなコメント&情報満載です。エンジョイ!
来る 10月22、23日に開催される全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP、外国人選手も参戦されるということで「対外国人スイッチ」を装備されているライダーを始めとして、全日本モトクロス選手権 第8戦 関東大会のレース後パドックでお会いしたライダー数人に最終戦への「意気込み」や「見所」を語っていただきました。
■竹中純矢&小島庸平(Team SUZUKI)
たま:今年のインターバルにGPを走ってきた竹中選手に対外国人ライダーへの意気込みを聞いてもいいですか?
竹中:そうやって傷口に塩を塗り込むんですね(笑)あれ?でもIA2にもくるんでしたっけ?あ、いるのかな?
たま:とりあえずIA2に外国人ライダー来たらどうしますか?
竹中:スタート出て1コーナー並べただけでも嬉しいですね(笑)でも、GPの時もね、バー越えるまで、一瞬の反応だったら負けてなかったんですよ。ただ、バー越えた後の加速で負けたんですよね。「なんで?!バイクが違うのかな?!!」って思って。そのへんの理由はわからないですけど、まあ、今回は日本なんで。
たま:ホームなんで?
竹中:そうそう、ジャパンなんで(笑)気合い入れて。
たま:勝てたらいいな?
竹中:そうですね。ちょっと、コース走り出しちゃったら厳しいかなとも思いますけど。
たま:スタート勝負なんですね。
竹中:ちょっと現実を見てきたばっかなんで(苦笑)。あんまり強気な事は言えないですよね。
たま:でも今日(第8戦、関東大会)で勝ったし?
竹中:やっとですよ(笑)
たま:久しぶりの表彰台てっぺんでしたね。
竹中:今季初ですよ(苦笑)表彰台すらずっと遠ざかってたんですから。久しぶりにてっぺんでインタビュー受けました。
たま:じゃあ、菅生でもまた。
竹中:2位に入れたら上出来ですね(笑)
たま:おい!!
竹中:(外国人が)何人来るかわからないですけどね。
【ここで小島庸平選手がやってくる】
たま:ほら、そういうこと言ってると先輩が引き寄せられてきちゃう(笑)ちょうどよかったです。小島さん、菅生で外国人選手が参戦しますがそれに対しての意気込みを。
小島:意気込み?!
たま:最終戦に興味を持ってもらってたくさんのお客さん来てもらおうと思って…
小島:ああ!皆さん、ぜひ観に来てください。外国人選手の僕より5秒くらい速い走りを観に来た方がいいですよ(笑)。
たま:え?!!自分が勝とうとかそういう気はないの?(笑)
小島:ははは…今、そういう突っ込みが入ると思ってわざと言いました(笑)僕は捨て身で外人選手とバトルするつもりで行きますんで。あと、外国人選手の走りも…もちろん日本人より速いのは速いし…その日本人と外国人の差をなるべく埋められるように僕らもがんばるし。そういう意味でいろんなことが面白い大会になると思うので、ぜひ、観に来てほしいと思います。
たま:さすがですね!では、最後に横で聞いている後輩に何かアドバイスはありますか?
小島:そうですね…いっぱいありすぎて何を言っていいかわからないです(笑)
竹中:えぇぇ?!(苦笑)
*なんだかんだ言いつつ「見えにくいやる気」を滾らせる竹中選手と、わかり易いやる気の小島選手、好対称の先輩と後輩。ふたりとも頑張ってほしいですね。
■ 熱田孝高(Team SUZUKI)
たま:最終戦では外国人選手がいっぱい参戦するようですが、対外国人スイッチがある熱田さんとしては…?
熱田:そうですね!対外国人スイッチがあるんで、あとね、もう『最後のレース』なんで…がんばります!
たま:外国人ライダー対策的なものとかあるんですか?
熱田:対策?対策なんかないですよ、ただ全開ですよ!スイッチはちゃんとあるんでいきなりスイッチ入れていこうかなと。あとは、散らないように(笑)。
たま:ではお客さんにむけて熱田さん的最終戦の見所を。
熱田:見所?見所はやっぱりね「日本人びいき」? 外国人選手が来るんでね、僕がどれだけ外国人に割って入るかっていう、そこを見てください。僕の「対外国人スイッチ」「ワールドGPスイッチ」を、久しぶりに入れようかなと思ってます。でもねー、ちょっとねー錆びてるからー(笑)何回もカチカチして入れようかなと思ってます。
*この後、熱田選手から「実はね、僕、今シーズンで引退するんですよ。だから菅生がホントに最後のレースなの」って言われてしばらくショックで返答できませんでした。最初に熱田選手が発した『最後のレース』という言葉には最終戦というだけじゃなくほんとにたくさんの意味と思いが込められていたんですね。こちらも万感の思いを込めて応援したいと思います。
■ 勝谷武史(Team HRC アドバイザー)
*成田選手を待っているあいだに現在はHRCでアドバイザーを務めている勝谷さんとお会いしたので「対外人選手スイッチ」をお持ちのライダーの1人としてお話をうかがいました
たま:勝谷さん的に最終戦の見所を…
勝谷:やっぱり「世界の走り」でしょうね。どうやって菅生を走るのかって…まあ、去年も見たけどね(笑)。去年見たけど…思った以上に差はなかったね。
たま:ほう!
勝谷:自分(勝谷武史選手)はね!僕はマーティンとガイザーの1秒落ちくらいだったから、別にそんなにすっごい差を感じた訳ではないけど。ただ「世界の走り」が違うのは、(知らない国の初めてのコースに)パッと来ても(すぐに)ああいうふうに対応できるところが「世界の走り」なんだよね。それは、見てても勉強になるし「あそこはああやって行くんだ」とか…そんな細かい所を見れるのは勉強になりますよね。ギャップのこなし方とか…日本人があんまりやらないような動作とか、ジャンプの飛び方とかするじゃないですか。あとはコーナー。去年のカナードとかもコーナーのスピードがすごかったですよね。そういう所が見所じゃないかなと思いますね。
たま:外国人ってこんなふうに走るんだ?というのを間近で観れるという…
勝谷:外国人選手のすごい所は…僕も一昨年くらいからやるようになったんだけど…リアブレーキをあんまり使わないんだよね。使う事は使うんだけど、もうブレーキングは手前で終らせてるんですね。だからコーナーで止まらない。そういうのは海外じゃないとなかなか見られないのね。僕はオーストラリアのレース走ってて身につけたものだから。そういう細かな違い見てほしいかな。まあ、見たからってじゃあそれができるのかって言ったら微妙なんだけどね。
たま:できるかどうかは別として「これがそうなんだ!」って見るのは楽しいと。
勝谷:そうですね。
たま:…と真面目な話をしていただきましたが、今年はもうご自身は走らない?
勝谷:うん、今年はね。来年は走りたいけど。
たま:来年は走るんですね?
勝谷:うーん、子供が産まれちゃったから微妙なんだけどね…こないだテストで走ってる時にふと考えちゃったもんね「子供産まれたのにこんな危ないことしてていいのか?!」って…。なんか我に返っちゃった(苦笑)
たま:だめだそこで我に返っちゃ!!(笑)
■ 成田亮(Team HRC)
たま:最終戦は外国人選手も来ますし、お客さんにぜひ観にきてよ…という話を。
成田:はい!観に来てよ!!(笑)
たま:成田選手の「対外国人スイッチ」は?
成田:もう、ないです(笑)
たま:ないんですかーー?!!
成田:うん(笑)
たま;昨日、雑談した時にはあるっておっしゃってましたよ?ちょっと錆びてるからCRC吹くって(笑)
成田:うーん、もういっかなって。今日(第8戦、関東大会)のヒート1でタイ人選手が前にいてびっくりしました(苦笑) 「対外国人スイッチ」って言ってもね。来るのは超速いライダーですからね3人とも(註:この時点ではYAMAHA 2名、HONDA 1名が来日予定だった)。それでもまあ、スタートくらいは勝って、抜かれるのをブロックして、2周くらい楽しめたらいいかなと思っています。
たま:そこでバトルが見れたらいいかなって感じですか?
成田:はい(笑)
たま:じゃあ、観戦に来られるお客さんに成田選手から「最終戦の見所はここですよ」というのを。
成田:コール・シーリーは一緒に練習してるんで、彼のライディングとかもわかるんで… 日本のコースだったらちょっとは行けるかなとも思ったりもしますけど… 実際彼は速いので。ちょっとバチバチやれたらいいかなとは思いますね。ファン・フォルベークとプレシンジャーはね… ファン・フォルベークはデカイ!すごくゴツイから競ると当り負けしそうで怖いですね。プレシンジャーは若くてアグレッシブだから… 450に乗ったらどうなるかわかんないですけど… 危ないかなーって。
たま:あまり近寄りたくない?(笑)
成田:…かな?(笑)とりあえずスタートだけ集中して。面白いレースをしたいんで…まあ、僕のブロックに注目してください(笑)。スタート出たら外国人ブロックするんで見ておいてください。そういう感じで…
たま:楽しみに見にきてください?
成田:そうですね。
*このお話を聞いた時点ではIA1にコール・シーリー選手、ジェレミー・ファン・フォルベーク選手、アーロン・スコット・プレシンジャー選手の3名の外国人選手の参戦が発表されていたのですが、残念なことに後日、ファン・フォルベーク選手とプレシンジャー選手の欠場が発表されてしまいました。しかし、成田選手の各選手評が興味深かったので、欠場の選手について語っている部分もあえてそのままにしてあります。成田選手、オフビ直前のネイションズでしっかりとチェックしていたんですね。
以上、ざっとですけど最終戦への意気込みや見所を外国人選手に絡めて語っていただきました。ゲストライダーは少なくなってしまいましたが、それぞれが語ってくれた見所を念頭にレースをご覧になるときっと楽しいと思います。熱田選手を始め、北居良樹選手、田中教世選手といったベテランライダーの引退レースでもある最終戦、ぜひ、現地でコースサイドでご覧になってください。
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