Gモト|ビハインド・ザ・ゲート「小島庸平」vol. 3

sr141230banner

ご好評いただいておりますビハインド・ザ・ゲート鈴鹿編。今回は、2006年IA2、2015年IA1クラスチャンピオン小島庸平選手のvol.3。

小島選手は昨シーズンで全日本モトクロス選手権フル参戦を終了。今シーズンはスポット参戦しながら本格的にプレイングマネージャーとして、ホンダサテライトトップチームとして活動する「ベルズレーシング」を運営されながら、モトクロス業界の底辺からトップカテゴリーまでを網羅し業界を盛り上げています。モータースポーツ都市宣言されている鈴鹿市生まれ鈴鹿市育ち。

 

vol.3では第2戦HSR九州大会にて、フル参戦を終えた小島庸平選手に気になる現在と今後についてお話を伺いました。前回「自分の経験や環境を提供し、強いライダーを作っていこう!」とお話しいただいた現状に迫ります。

2023年シーズンで全日本モトクロス選手権への「フル参戦」を終えて今の心境はいかがですか?
私自身がファクトリーライダーとしてのレース活動が終わった際に、気持ち的に引退ではないですが・・・レース活動を辞めようという気持ちになった事が1度あったので、そういう意味では必然として、なるべくしてなったのかなと思います。ただ、チームを作ってからは「早く辞めよう」という感じでもなく、その為に準備してきたので気持ち的に自然と進めていると感じています。

ベルズレーシングを立ち上げた当初からの計画通りという事ですね
そうですね。だからそういう意味で「自分が走るために作ったチームではない」っていうのがベルズレーシングのスタート。最初はライダーが自分しかいなかったから走っていたけど、気持ち的にはね、何ていうんだろう、ライダー像としてチャンピオン経験者というのが付いてくるから、チャンピオンが「なんでそんなところ走るの?」とかやっぱり世間的にあるじゃないですか。でも、私自身「世間的」とか気にしないので「走る意味」があれば走れば良いし、1位があるって事はライダーが20人いれば20位がある訳で、20位でも10位でも走る価値があれば走るという価値観を作っていかなければなりません。しかし、先ほども話たとうり「チャンピオンなのに」という事が付いてまわり「チャンピオンなのに、その順位なら走らない方がいいんじゃないの」というのはあくまでも、人が決める価値観であって、そうじゃない価値観を作っていくのが今の立場だから出来る、自分の役目かなって。いつかはフル参戦を辞めるという事を踏まえ走ってきたので来るべき時が来ただけです。

 

今シーズンスポット参戦される主旨は?
僕が出場する事によって話題にできたり、その結果、チケットを購入していただけるレースファンが5人でも増えれば僕が走る意味があると思うし、もちろん好成績という結果を観戦にいらっしゃるレースファンの方もいらっしゃいますが、白熱したトップ争いは若手ライダーがやるべきであり、「小島庸平を見に来たよ」というレースファンが1人でも増えたら良いなという想いです。

今後のスポット参戦予定は

地元近畿大会(名阪スポーツランド)に参戦予定です。地元で応援していただいているファンの皆様、地元の繋がりもありますので走る意味や価値があると思います。そこにリザルトは残りますが、もちろん目標を定め真剣に取り組んでレースします。

IA2クラスを選んだ理由は?
単純に話題性があるかなと、ゼッケンは電話受付で正当に「44」を取得。トップニュースにならなくても、少しで話題を作れればという想いです。レース=勝利だけじゃない。様々な視点からレースファンの皆様に話題を提供し観戦していただき、もっともっとレース業界に広がりを作っていきたい。

 

ベルズレーシングの今後
まずは大倉がチャンピオンジェイ・ウィルソン選手に勝ち、日本のレベルを上げる事。ジェイ・ウィルソンという強敵を倒すのがベルズレーシングというのが主体です。そして、若干16歳と年齢は若いですが吉田が日本で活躍し世界を目指す。ここは以前から、緑さん(森脇緑さん)と話し合い決めて活動しています。とはいえ、現在世界選手権でレース活動している訳じゃないし、すぐに「はい行きます」って言えるような事でもない。だからみんな日本にいる訳だし。その道筋をを作るのは困難だけど、その道を作っていこうというのが現状です。これがベルズレーシングの今後です。

本格的に指導者としてのスタートですね
うんうん、そうですね。これまでは自分自身も走りながら半々という感じでしたが、現在はほぼ100%指導者として、これまで以上に力を注いでいます。

トレーニング量が昨年までと変わらないように見えるんですが
一応、レースもありますけど仕事として走る事もあるし、可能な限りライダーとしての体調を継続し走りたい。スポット参戦もありますが、クラブベルズ・ジュニアベルズで子供達と一緒にも走るので可能な限り継続しライダーとしてのモチベーションになっています。

 

育成について
クラブベルズは3年目を迎え、現在はメンバーが30名を超えています。昨年からスタートしたジュニアベルズ。これはクラブベルズからステップアップした内容です。クラブベルズは野球教室、サッカー教室という感じで、ジュニアベルズはレーシー。
日本は「始める」事が難しいというか、こういう入口がなかなか無いので、クラブベルズで入口を作り、そこから伸ばしていきジュニアベルズ。そこで頑張ったら最終的にベルズレーシングという流れです。

やはり、始める人と辞めない人が増えれば必然と増えますよね。現在は始める人が少ない、そう思いクラブベルズの活動を継続したらやはり増加傾向になりました。昨年からスタートしたジュニアベルズ、44キッズクロスも含め、始めるところから、育成まで、全て一貫性を持ちやらなきゃいけない事なんです。すべて繋がっています。

その環境を一緒に作っていただけるパートナー
鈴鹿市という環境がある中、イオンモール鈴鹿さん、下田さん、緑さん、ホンダさん、ダートフリー
クさんなど、他にもたくさん素晴らしい協力者の方々がいてBellsは成り立っています。1人だけで活動しようと思ったら到底無理なんです。お金があれば良いっていう話でもありません。関わっていただいている皆様に感謝しかありません。

指導者となった小島庸平から伝えたいこと
そうですね、現在だとジェイ・ウィルソン選手が日本でフル参戦しています。その効果もあり、業界全体が生まれ変わろうとしていますが、ライダーがライダーとしてだけ活動するのはAMAやMXGPならばアリだと思いますが、国内に関してはそれでは向上していきません。業界全体で協力しあい結果、レースファンが増えていけば全体に相乗効果が生まれ盛り上がっていくと考えています。この流れで向上していけば協力者も増え日本のモトクロス発展に繋がります。日本のトップになれば世界に挑戦できるという形を作っていきたい。

 

小島選手ご本人はもちろんですが、下田陽一氏、森脇緑さんとベルズレーシングに関わる皆さんのお話を聞いていると楽しくなります! 全日本モトクロス選手権に関係する取材で、ここまでワクワクする事はあまり無いので、毎回スッキリした気持ちになります。「ここで自分らしくモトクロスすれば世界に繋がるかもしれない」。そう思える場所があるって幸せですね。

今月はまた鈴鹿に伺ってジュニアベルズの取材をさせていただく予定です。どんなワクワクに出会えるか今から楽しみです。

まだまだ続くよ!ビハインド・ザ・ゲート鈴鹿編。
ではまたー。

ビハインド・ザ・ゲート – The Newsmoto

GSPEED-TOKYO


Gモト – The Newsmoto


You may also like...