ヤバすぎるスキル|ハンター・ローレンス「超絶スライドパッシング」2023 タンパSX
2023 AMAスーパークロス 第6戦 タンパ。450SXクラス、250SXクラス共に見応えある首位バトルが繰り広げられましたが、間違いなく今大会最大のハイライトとなったのは250SXクラスでのハンター・ローレンス(ローレンス兄弟の兄)とネイト・スラッシャーによるフィニッシュ直前での大逆転劇!
スタート直後は中段に埋もれて追い上げレースとなったローレンス。我慢強いレース運びから、2位浮上後は最大6秒ほどのビハインド。周遅れの多いレース展開、ラストラップ突入時は「2.401秒」ビハインドながらも貪欲にスラッシャーを追い上げるローレンスの仕掛けをお見逃しなく。
エンジョイ!
@ s u p e r c r o s s l i v e
降雨の影響で滑りやすいストレートで前後輪共にスライド状態でスラッシャーのイン側にマシンを滑り込ませるローレンス。仕掛けるタイミングまでスタンディングでマシンコントロールするところまで含めてのヤバすぎるスキル!
最終ラップ、最終コーナーでの首位逆転劇というインパクトに目を奪われますが、パッシング単体で見てもリスクの高いシチュエーションで披露した超絶スライドスキルとクリーンなパッシングは過去のSX史を振り返っても極めて稀な秀逸首位浮上劇といえるものでしょう。
ストレート手前のサンドセクション出口コーナーでも両者は接触。首位スラッシャーはセオリー通りにディフェンシブなイン側ライン、ローレンスは加速重視でアウト側ライン。ここでの接触は激しいものでしたが、ラストラップの首位バトルという状況ということでローレンスのラインを抑えに行ったスラッシャーのライン取りは責められません。
しかし、ここでの接触でスラッシャーにローレンスとの距離感の感覚にくるいが生じたのか、最終コーナーでのスラッシャーのライン取りはイン側を抑えたと言うには少々脇が甘い印象にも見受けられたのは見逃せない点。
中継内のジェームズ・スチュワートのコメントにもあるように、スラッシャーはイン側にローレンスが入り込むスペースを残すべきではなかったでしょう。スラッシャー自身も最終コーナーのライン取りの甘さを認める発言をしています。
卓越したマシンコントロールのスキルが決定打になったことは間違いありませんが、MXGPやAMAで優勝経験を重ねてきたローレンスの勝負どころでの経験値の高さと貪欲な勝利への執念が今回の大逆転劇を生んだのでしょう。
下田丈選手不在の250SXイーストシリーズ、早くもローレンスの全勝タイトルの話題が上がってきています。今大会を振り返っても、ラップタイム以上にローレンスとライバル達との実力差はレースを通して伝わってくるレベルのもの。ローレンスがこのまま勝利を重ねるのか? ライバルたちの逆襲が始まるのか?
今後の250SXイーストシリーズから目が離せません!
ローレンスがジョーク交じりに答えた、どうしても負けられない戦いだった理由は以下、記事リンク先より!
250SX決勝ハイライトビデオ&リザルト雑感|2023 AMAスーパークロス 第6戦 タンパ
Garth Milan / Red Bull Content