Gモト|「THE RIDER」本田七海 vol. 10

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トップ争いの末、「衝撃的なゴールシーン」で全日本モトクロス選手権 第6戦 関東大会 オフロードビレッジを終えた本田七海選手。
リザルトは2位となりましたが、LMX史に残る「勝ちにこだわる」走りをレースファンに魅せてくれた。

Gモト目線で国内最高峰LMXライダーのレースウィークに密着しました。

 

 

ランキング3位で迎えた第6戦 関東大会。チャンピオン獲得に必要な課題と向き合い会場入り。

「近畿大会ヒート1、九州大会と続けて自分のレースができていない。自分の焦り、気持ちの部分から転倒に繋がり、速さはあるのに生かせず勝てない。今回は自分のスピードを生かすために冷静にレースを組み立て必ず勝ちます」
。

チャンピオン獲得に必要なことは「自分に勝つこと」
。

 

 

LMXクラスは公式練習、公式予選、決勝レースと「走行時間」はIAクラスに比べると短い。
2日間でIAクラスの3分の1程度。
LMXライダーが「自分のスピードを生かすために冷静に決勝レースを組み立てる」為には、予選日最初の公式練習から良い流れを作る必要がある。

本田選手は予選日最初の公式練習で良い流れを作る準備を事前にしている。
今大会を例に取ると・・・全日本関東大会前に開催された関東選手権でのレースウィーク金曜日・土曜日、日曜日は育成ライダーへのコーチング。
レースが終わった翌月曜日にもオフロードビレッジで練習をしている。
関東選手権終了直後のコースを歩きコース状況を判断、天気予報を調べ、ホテルを予約し体調を整え、コースが空いている平日の1番レースコンディションに近い状況で練習。
自分にできる最善の策を講じている。
また、ここまでレースに集中できる環境をチームが準備したのではなく、今年はライダー本人が作り上げているのです。

 

 

準備は大切。LMXクラスで「準備」ができているライダーの走りは予選日走り出しから好調。
本田選手らしいジャンプが好調の証。

 

 

公式予選ウエイティングエリア。
いつもの雰囲気と違う本田選手を感じた。
こういうシチュエーションの写真は初めて。

 

 

3周で行われる公式予選、4位(ベストラップ2位)で通過。

以下は、日曜日の決勝レースのレースアクションギャラリー。レポートは以下に続きます。

 

 

Gモト:決勝2位。おつかれさまでした。

本田七海:皆さん応援ありがとうございました。
2位という悔しい結果に終わってしまいました。
土曜日から気持ち的に難しかったんですけど、決勝までにチーム一丸となってサポートしてくれ「さあ!いくぞ!!」という気持ちで決勝レースに挑めました。
レース内容としては、スタートが出れなくて前半ペースが掴めなかったんですけど、後半徐々にペースも上がり追い上げていきました。
反省点は、前半から後半のペースで走れていれば「順位」も違かったのかなと思っています。
ただ、前回のレースに比べると転倒なく冷静にレースを組み立てることはできました。
最終戦、SUGO大会はレースに勝ち今シーズンを笑顔で終えたいです。

 

 

Gモト:決勝前にお話しさせていただいた際に「コースへの散水」を考慮し「アウト側のラインを積極的に使っていこう」というお話をされていましたが、その作戦はハマりました?


本田七海:ハマりました! ハマったし、自分的にも「滑る・・・」っていうイメージではなく「ベストラインを持っている」と自信につながり気持ち的に楽でした。



Gモト:滑りやすいコースコンディションなんだけど、そこにオドオドする感じではなく、アウト側からスロットルを開けていけるラインを使い、キレよく自分のリズムを作りペースを上げているように見えました。


本田七海:そうなんです「滑る路面をがんばる」ではなく「滑らないところをスピードを殺さずに走る」そこだけを意識して走りました。



Gモト:ファインダー越しに見ていてもわかるくらい意識されてましたね。


本田七海:ありがとうございます!笑



Gモト:滑るコンディションも周回毎に落ち着き、ライディングにも幅が出てきてペースも上がり、トップを走る川井選手にも徐々に追いついてきましたね。
どのタイミングで「仕掛けよう」と考えていたんですか?


本田七海:んー正直「ラスト3周」ぐらいかなぁと考えていました。
サインボードで残り時間も出て「そろそろ川井選手に近づいておかないと」レースできなくなるなと。
ただ、レース前半2位に上がった時、川井選手とちょっと差があり、かつ後続との差があまりなく後ろを気にしすぎたのが良くなかった。
2位に上がったタイミングで「前だけ」に集中し、もっと早く川井選手に追いついていれば「さらに早い仕掛け」ができていました。



Gモト:最終ラップ最終コーナーの仕掛けって思い切った仕掛けになるじゃないですか。あの仕掛けは、自分で計算して? もしくは、並んだ瞬間に決めた?


本田七海:ラスト1周が出た時に、自分の方が速いセクションがあって狙ってたんですが上手くいかなくて、逆に自分がバタバタしてしまった。
最終コーナーでの仕掛けは「ココしかない」という思いで最終コーナーに向かう手前のセクションから決めてライン選びして仕掛けました。



Gモト:最終ラップの最終コーナーで「仕掛けろ」と言われることは多いですが、相手も警戒するので、意外と仕掛けられなかったりするものですよね、自分自身も焦って狙ったラインに入れなかったり。
今日の本田選手は「思い切って狙ったライン」に入っていったので、本田選手自身が成功するイメージを持っていたんですか? それとも無我夢中で?


本田七海:何もしないより「何か」した方が、何か起こるかなぁと。
とにかく「勝ちたかった」ので「ココしかない仕掛けるしかない」という想いでした。

 

11月12日, 13日に宮城県スポーツランドSUGOで開催される全日本選手権モトクロス 最終戦 MFJ-GP。
LMXクラスでは、ランキング4位までチャンピオン獲得の可能性が残っています。

近年にない激戦のチャンピオン争い。
本田選手がチャンピオンを獲得するには「優勝」が絶対条件。
これまでも周囲を唖然とさせる取り組み、レース、勝つことへのこだわりを魅せてきた。
今シーズン最後のレース「自分に挑み、自分に勝てるか」がチャンピオン獲得への最大のポイント。

 

 

昨年からの密着取材を通じて感じることは「当たり前の事をコツコツ積み上げ、結果を出す」。これがTEAM KOH-Zと本田七海。
これほど完成されたLMXクラスチームは、22年になる全日本LMX史で前例がないと思います。

新生「本田七海」と TEAM KOH-Z。
そこには未来の原石が眠っている。
1人のライダーが「考え、行動」し、チーム、家族、スポンサーに想いを伝え、新たなチームを作り出した。
業界スポンサーだけではなく、一般企業がライダー・チームを「応援」する。
そこには「人」を惹きつける「魅力」が詰まっているからだ。
ライダーとスポンサーという関係だけではなく、本田選手と一緒にレースに挑んでいると取材を通じて感じます。

 

 【衝撃のゴール!】2022D.I.D全日本選手権第6戦関東大会 –  TEAM KOH-Z

 

シュールで素敵な音楽からオープニングから始まる「TEAM KOH-Z YouTubeチャンネル」から動画も見れますよー。どなたの選曲ですか?ほっこりします。

 

 

今回もTEAM KOH-Zの皆さん、取材にご協力いただきましてありがとうございました。

 

GSPEEDTOKYO|ジースピードトウキョウ
Gモト – The Newsmoto


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