AMAモトクロス事件簿|接触転倒「下田丈 VS. ハンター・ローレンス」2022 フォックスレースウェイ2

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両クラスでドラマ&波乱の緊張感あふれる素晴らしいレースが繰り広げられた 2022 AMAモトクロス最終戦フォックスレースウェイ2。

シリーズ最終戦ということでタイトル決定劇含めて、多くのトピックがありましたが、間違いなくトップレベルで議論を呼んでいるのが、250MXモト1終盤で起こった下田丈選手とハンター・ローレンスの接触シーン。僅差のランキング2位争いを繰り広げるライバル同士のまさかの瞬間をシェア。

まずここまでの状況を振り返ると、ランキング2位争いを下田選手がハンター・ローレンスに「7点差」リードを築いて挑んだ最終戦。シリーズ終盤戦の流れからいくと、逆転ランキング2位浮上している下田選手の勢いもあり、ハンター・ローレンスは勝利もしくは下田選手のミスが必要なポイント差と見ることが出来るでしょう。

 

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「これは…」さすがに少々無理ある仕掛けではないでしょうか?

ハンター・ローレンスの実弟でこのレースでチャンピオン獲得が掛かっていた、首位ジェット・ローレンス攻略に手間取る下田選手の後方にハンター・ローレンスが急接近し、バトル勃発。度々、ラインを入れ替えて激しくバトルとなり、迎えたモト1ラスト2周の出来事。

両者転倒&両者負傷もあり得る危険なハイスピードセクションでの接触シーン。下り斜面をブレーキングしながらレーシングラインを保持する下田選手に対して、イン側を直線的に加速するハンター・ローレンス。しかし、ハンターはその加速によりギャップでマシンが暴れてそのまま下田選手の左後方から接触… というか、激突。その衝撃で下田選手は弾き出されて転倒。ハンターもハンドルから手が外れ、轍を飛び出すという衝撃的瞬間。

コーナー手前のギャップをスピード落とさずに勝負所、強みとし、数多くのパッシングを成功させてきたローレンス兄弟。しかし、今回に限っては「ランキング2位争い」に加えて急激に調子を上げてきた「下田選手の存在」というプレッシャーを前にハンターが判断を見誤ったように見受けられます。

 

 

この接触で肩を痛めたという下田選手ですが、次のモト2では独走勝利。表彰台や海外メディアでのコメントではハンターの仕掛けを理解できないと怒りの感情を含ませました。ハンター・ローレンスは、下田選手の立場なら怒って当然。しかし、最終戦でのランキング2位争いということで仕掛けたとコメント。

さらに気になるのがハンターの実弟でモト1勝者ジェットのコメント。ハンターのランキング2位浮上をサポートするために意図的にペースダウンして、後方から追い上げてきたハンターを待っていたとコメント。

兄弟であり、ホンダファクトリーのチームメイトということで、「最終戦」でのジェットのペースダウンを非難することは出来ません。しかし、下田選手とローレンス兄弟の友好関係が広く知られていることが、今回の接触転倒をドラマ性ある「事件」として賛否両論巻き起こっています。

 

 

今回の件で、下田選手とローレンス兄弟の友好関係も次のフェーズに入ったということになるのでしょうか? 友達同士や先輩後輩、トレーニング仲間がレース続けて争いの中で関係が変化。本当の意味でのライバル同士となっていったケースはAMAトッププロだけでも数十年の期間で数多く見てきました。

最終戦モト2での怒りをエネルギーにしたかのような下田選手の独走勝利は、今季ベストレースにして、一気に別次元へと駆け抜けていった印象を強く受ける快勝。ランキング争いだけでなく、数字で表れない対決構図や関係性までを「勝利」という決定的な「答え」で世界のレースファンに示した下田選手。

国別対抗世界選手権「モトクロス・オブ・ネイションズ」や来季の活躍が今から本当に楽しみでなりません!

 

下田丈ギャラリー&コメント|2022 AMAモトクロス 最終戦 フォックスレースウェイ2
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下田丈 – The Newsmoto

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