AMAスーパークロス事件簿|ウェブ&セクストン「タイトル獲得可能性消滅クラッシュ」@ 2022 デトロイトSX

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優勝候補ライダーが続々と転倒・リタイアしていった波乱の一戦… 2022 AMAスーパークロス 第10戦 デトロイト 450SXクラスのメインレース。数十年もAMAスーパークロスを見続けていますが、転倒ライダーの負傷の深刻度まで含めると、過去に例を見ないレベルでの波乱度の高さといえます。

その中でもディフェンディングチャンピオンのクーパー・ウェブと今季絶好調な期待の若手チェイス・セクストンによる、最も衝撃的なクラッシュ、そして憶測を呼んだ瞬間をシェア。転倒の規模だけでなく、色々な意味での「大きな」事件…。お見逃しなく!

 

@ s u p e r c r o s s l i v e

 

ジャンプ失敗し、バランス崩したウェブの後方からセクストンが上から接触するという危険なシーン…。

このシーンだけ切り取ると、ウェブがコーナー立ち上がりのトリプルジャンプ失敗、そこにセクストンが追突。セクストンに非はなく避けようのなかったレース中のアクシデントだった。となるのですが、ここから多くのことが読み取れます。

まず、そもそも論ですが、このセクションでウェブが失敗しているコーナー立ち上がり「トリプルジャンプ」をトライしているライダーは、大会期間中に誰一人としていなかった点。加えるなら、今大会コースでコーナー直後にトリプルジャンプを要するセクションは皆無という事実も。解説のリッキー・カーマイケルもコメントしていましたが、ウェブの混乱? 判断? ミスである可能性が濃厚でしょう。

これまでレース終盤まで持ち込まれるような熾烈なバトルでも、冷静さと勝負強さを武器に勝利を重ねてきたウェブに一体何が?

 

 

ディフェンディングチャンピオンとして挑む今季シリーズ、フルモデルチェンジ果たしたニューマシンのセッティングに苦労やトレーニングプログラムの変更等もあり、注目されていましたが、第10戦終了時点で優勝ゼロでランキング5位(最高2位)。

前戦デイトナSXでは、首位で終盤までレースをリードをしながらも周遅れの影響でトマックに逆転を許すという厳しいシリーズが続いていました。

話をクラッシュに戻すと、要因となったウェブのジャンプミス。試合巧者として知られるだけに精神的な混乱が招いた(だとしたら?)今回の転倒は、ディフェンディングチャンピオンとしての焦りやタイトル防衛に後がないほどに追い詰められたウェブの精神的な窮地が露呈した、ミスではないかと推測します(セクストンからのプレッシャーも含む)。

 

 

ウェブは痛めた左手をかばいながら再スタート。右手一本で全てのジャンプを飛ばないスロー走行を続けますが、危険という判断でピットインを促され、そのままリタイア。

心配される負傷に関してですが、リリースによるとウェブの現地での診断の結果は、肩と手にひどい打撲のダメージはあるものの骨折等の大きな怪我はなしとのこと。しかし、トレーニング拠点のフロリダで改めて、かかりつけ医の診断が予定されています。セクストンは、背中の擦り傷や火傷に加えて、唇の裂傷を負いました。両者ともに次戦インディアナポリスSX出場への意向を示しています。

しかし、シリーズ序盤はランキング首位争いを繰り広げていた両者のタイトルへの望みは、今回のリタイアにより、残念ながら事実上消滅という状況へ…。大きなダメージも予想されるウェブの状況が気になります。

あの鋼のようなメンタルと勝負強さを持っているウェブをここまで追い込む、AMAスーパークロスという世界最高峰のフィールド。これから先、どんなドラマが待っているのでしょうか?

 

450SX決勝ハイライトビデオ|2022 AMAスーパークロス 第10戦 デトロイト

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