AMAスーパークロス事件簿|ハンター・ローレンス「危機一髪」ネット一直線
2018 AMAスーパークロスから、正式に採用されているバンク外側に設置された「セーフティーネット」。80年代からボウル状の大きなバンクからコースアウトするクラッシュは過去何度も目にしてきただけに、セーフティーネット採用後のアクシデント発生率や負傷率低下への貢献度は間違いないものとして、レース中継でも確認出来た機会も少なくないでしょう。
2021 AMAスーパークロス 第12戦 アーリントン3、東西に別れて争われる250SXクラスは、ウエストシリーズの折返しの一戦となる第5戦(全9戦)。コースアウトしたハンター・ローレンスは、前戦でSX初優勝と同時にキャリア発のポイントリーダーにも浮上して挑んだ一戦。このコースアウトだけが原因ではありませんが、ポイントリーダーの座から陥落…。様々な意味で重要だった瞬間をシェア!
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スパイダーマン状態…。
リズムセクション最後でオーバージャンプのミス。バンク斜面への着地時衝撃で右手がアクセルから「一瞬」離れ、フルブレーキングするも逆にアクセルが開いた状態でコースアウトまっしぐら…。最悪の状況が頭をよぎる瞬間でしたが、ローレンスを待ち受けたのはむき出しのコンクリートではなく、セーフティーネットでした。
仮にセーフティーネットがなかったら…。ポイントリーダーの座を失うどころか、今季絶望もありえる怪我を負った可能性もあった危険なコースアウトとなっていたかもしれません。ローレンス自身もセーフティーネットの存在に感謝するコメントを残しています。
このセーフティーネット、全コーナーに設置されているわけではありませんが、危険なコースアウトが想定されるバンク外側に設置。
モトクロスの場合、安全面優先なるとジャンプを小さくしたり、コース難易度を下げるベクトルばかりに思考が進みがち。コンペティションレベルや競技の魅力を損なわない形で安全を追求する方法はいくつもあると思いますし、レイアウトによってはジャンプを大きくしたほうが不必要なアクシデントを避けることになる場合もあることでしょう。
オンオフ問わず、サーキットでの安全性向上はいつの時代も問われる課題。AMAスーパークロスという特設コースで採用された移動式セーフティーネット、素晴らしいと思います。
250SX決勝ハイライトビデオ&リザルト雑感|2021 AMAスーパークロス 第12戦 アーリントン3
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