モトゴシップ|JGRスズキ「チーム閉鎖」正式発表
FIMモトクロス世界選手権 MXGPシリーズ、全日本モトクロス選手権からファクトリーチーム活動撤退しているスズキ。AMAスーパークロス、AMAモトクロスの世界最高峰シリーズ唯一のスズキファクトリーチームとして活動してきたアメリカ・ノースカロライナ州拠点の「JGRスズキ」を運営してきた「JGRMX」が、チーム閉鎖を発表。
アメリカンフットボール界のレジェンド監督ジョー・ギブスによって、1992年に設立されたNASCARチーム「Joe Gibbs Racing」を母体に設立されたモトクロスチームで、2008年にヤマハサポートチームとして活動開始。ヤマハからスズキにメーカーを変更しながら活動を継続。スズキファクトリーを運営する現在の形となりましたが、先日のガイコホンダ消滅に続き、レースファンにはショッキングなニュースが続くことに…。
ジェームズ・スチュワート、マルコム・スチュワート、チャド・リード、ジャスティン・バーシア、デイビー・ミルサップス、ジョシュ・グラント、ジャスティン・ブレイトン、ウエストン・パイク、ジャスティン・ヒル、アレックス・マーティン等のそうそうたるAMAトップライダー達が歴代所属したAMAを代表するチームのひとつ。NASCARチーム運営で培ったチームオペレーションの形は常にレースシーンに話題を提供し、ドラマチックな勝利も数多くあげてきたものの悲願のタイトルには手が届かないままその活動を終えることとなりました。
チーム閉鎖の理由はかねてよりモトゴシップとしてささやかれていた資金難。過去数シーズンはメインスポンサー無し、スズキファクトリーからの運営委託費と各スポンサーとの契約金、自社持ち出し資金をやり繰りし、レース活動を行ってきた模様。新たなカジノリゾートのメインスポンサー獲得やスズキとの運営委託費引き上げ交渉が順調というモトゴシップもありましたが…一転、チーム継続不可の判断となった模様。
スズキは来季AMAでのレース活動に関する発表が予定されているようですが「JGRスズキ」閉鎖により、ファクトリーチームは事実上、完全撤退となるでしょう。スズキからはファクトリー体制ではない、新たなサポートチームが複数候補に上っているようですがサポート内容に関しては不明。MXGP、全日本モトクロス、そしてAMA…。RMシリーズのニューモデルに真新しい点はない状況が続き、スズキのオフロード部門の活動は寂しい印象です。
先に触れたガイコホンダやJGRスズキだけでなく、状況は異なりますがヤマハファクトリーチームも活動休止。スターレーシングヤマハがヤマハファクトリーを委託運営することも過去のモトゴシップでお伝えした通り。
オフロードバイク販売台数やギア、パーツ類といった関連用品のセールスは、コロナ禍でのアウトドアアクティビティ人気の流れを受け、世界的に上向きとの数字は夏頃から一般メディア上でも話題となっています。しかし、大規模スポンサーの新規獲得やチーム運営費単体での資金獲得となると難しい状況があるのかもしれません。
オフロードバイク業界的に景気の良い話も多い反面、厳しい状況にさらされて苦渋の決断に迫られる状況も出てきている現状。コロナ禍での変革期に我々レースファン含む、レース業界のあり方が変わっていくのかもしれません。痛みを伴うこともあるでしょうが、本来モータースポーツの持つ可能性、夢や希望の持てるワクワク感をいつまでも期待させてくれるシーンが存続してくれることを切に願うばかりです。
13年間の活動お疲れさまでした。感動をありがとう!!
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