ヤバすぎるスキル|オースティン・フォークナー「激烈電光石火パッシング」2020 ソルトレイクシティ5SX
2020 AMAスーパークロス 第15戦 ソルトレイクシティ5SX、東西に別れて争われる250SXクラスのウエストシリーズ第8戦(全9戦)メインレースで明暗分けた勝者オースティン・フォークナーの首位浮上シーンをシェア。
250SXウエストクラスのポイントリーダーでディフェンディングチャンピオンでもあるディラン・フェランディス。スタート課題のライダーですが、珍しくホールショットから首位快走。レース中盤に入るタイミングでフォークナーが2位浮上、周遅れも発生しながら両者の間隔は1秒前後でレースは推移、迎えた15周目にフォークナーが牙を剥くのでした…。エンジョイ!
v i a : s u p e r c r o s s l i v e
一瞬のスキを突いたフォークナーの激烈電光石火感!!
フィニッシュジャンプ滞空時間中に背後フォークナーの位置を肩越しに確認済みのフェランディス。進行方向右側から左側(アウト側)へラインを振るかのようなスクラブでジャンプしたフォークナーの動きから、フェランディスは次のコーナーでイン側(右側)からパッシングされるリスクを軽く見ていたのかもしれません。僅差バトル巧者のフェランディスであれば、イン側をここまで空けるようなラインを選択するのは少々考え難い点。
フィニッシュジャンプ着地時のマシン挙動的に少々無理がありながらもイン側へマシンを振り、「迷いゼロ」の飛び込みでフェランディスを攻略したフォークナーの「勝利への嗅覚」には脱帽します。
単純に強引すぎるパッシングに受け取ることも出来るのですが、これはAMAスーパークロスという世界最高峰シリーズの首位バトル、タイトル争い、そして両者のここまでの関係性を知れば知るほど、奥が深いパッシングということが浮かび上がってくるのです。誤解を恐れずに言うと…、これは「アリ!」と断言したい!
AMAスーパークロス事件簿|世界のレースシーン騒然「フェランディス VS. クレイグ」接触大転倒一部始終
一躍悪役キャラが定着したアナハイム2SXでのクリスチャン・クレイグとの衝撃的な接触転倒シーンは記憶に新しいところではないかと。その接触により、一年間の保護観察下に置かれており以後は接触伴うアグレッシブすぎるパッシングは即処分対象となる状況。それでもシリーズ前半にはフォークナー相手にパッシングを仕掛け、フォークナーをコース外に押し出す形でのバトルを展開していました。そのことが、フォークナーが今回の表彰台上で何度もフェランディスに「されたことをやり返したまでだ」というコメントにも現れています。
アグレッシブなバトルはフェランディスの強みのひとつであることは、間違いない点。しかし「保護観察下」という状況が足かせとなってしまっている可能性も否定できないはず…。モトクロス、特にスーパークロスではアグレッシブなバトル中でも「アリ・ナシ」の戦引きを明確にすることが難しく、前後の流れ含めて判断されることが多いのがこれまでのSX史を振り返ると多いです。
前戦、本戦とフェランディスはヒートレース時にフォークナーのチームメイト、キャメロン・マカドゥーによる接触伴うアグレシブなパッシングで大きく順位を落とす場面もあり、これまでのフェランディスからするとなかなか見られなかったようなバトル負け場面。
コロナウィルス感染拡大によるシリーズ中断前のポイントリーダー、フェランディスとフォークナーのポイント差は「13点」でしたが、ソルトレイクシティSX連戦2連勝でその差は「7点」。フェランディスのスピードと強さを考えるとフォークナーからすると勝ち続けることしかない状況。残すは東西シリーズ混走の最終戦「ショーダウン」のみ。残り1戦で7点のビハインドから逆転出来るのか? 難しい状況には変わりませんが、「保護観察下」で徐々に追い詰められているフェランディスと失うものが無いフォークナーの関係性を改めて考えるとフォークナーの大逆転タイトル可能性は十分にあるでしょう。その時は…、このパッシングの重要性が改めて語られることとなるはずです!
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