AMAスーパークロス事件簿|世界のレースシーン騒然「フェランディス VS. クレイグ」接触大転倒一部始終
250SXウエストハイライトビデオ|2020 AMAスーパークロス 第3戦 アナハイム2
2020 AMAスーパークロス 第3戦 アナハイム2、見所&波乱の多い近年まれに見る一戦となりました。その最大のアクシデントが、250SXウエスト王者のディラン・フェランディスとクリスチャン・クレイグとの接触転倒シーン!
ライブ中継で観ていて驚くほどのブーイングが、容赦なく何度もレース勝者フェランディスに浴びせられるシーンにはゾッとするほどのものでした。
レース後、時間が経過して両者のコメントや多くの業界関係者のコメントも目にしてのニューモト考察を映像・連続写真で振返りながら行ってみようと思います。クレイグもフェランディスも応援しているライダー同士なのでここは感情は一切抜きにしてのニューモト徹底検証。エンジョイ!
@ s u p e r c r o s s l i v e
どの角度から何度観ても衝撃的すぎる接触転倒シーン…。
現時点での状況をおさらいすると、この接触転倒でクレイグはハンドルバーを大きく曲げてリタイアしたものの両者に怪我はなし。フェランディスにペナルティはなしも一年間の保護観察下に(次回以降は処分対象)。フェランディスからクレイグへの謝罪済。当事者含むレース関係者やレースファンの間では主にフェランディスを非難するコメント(過激かつ差別的な…)が飛び交っている状況。
仕掛けた側のフェランディス、転倒の直接的な原因の接触は前後輪がスライドしての不可抗力であるとして謝罪のコメントするものの、クレイグはパッシングやフェランディスの位置に気付いていなかったはずで、アウトラインを選択していたクレイグには接触を避けることも出来たのでは? というニュアンスのコメントもありました。
対するクレイグは、フェランディスの接近には気付いていたものの接触伴う強引なパッシングを非難するコメントや損傷したマシン画像とともにフェランディスを非難するSNS投稿も確認。
フェランディス、クレイグ含む両陣営関係者のSNS上のコメントには削除されているものも多く、この接触転倒がいかに多くの人を感情的に揺さぶるものであったかも推測出来ました。因みに、クレイグの親戚はフェランディス所属のスターレーシングヤマハのスタッフ。心境お察しします…。
以下は、別アングルでの連続写真で再び事件の瞬間をチェック!
派手なクラッシュシーン(主にクレイグ)ばかりに目が奪われるクラッシュシーン。ニューモト考察としては、両者共に避けることが出来たはずの接触転倒という認識。つまり、どちらが良いとか悪いとかの状況ではないと考えます。
フェランディスは明らかに勝負を急ぎすぎてのミスからの接触。クレイグはフェランディスの位置が音で分かっていたのならば、アウトラインを選択するべきではなかったでしょう。大会通してパッシングポイントのひとつでしたし、他のレースでもライン交錯しての接触シーンがあったのは確認出来ています。両者ともにこのコーナーでのパッシングはリスキーなものである認識は当然あったはず。
これが、最終ラップであれば強引とも受け取れるフェランディスの仕掛けは許容されるものというのは、過去のレース中のアクシデントの数々やペナルティの歴史が証明してくれるでしょう。もちろん、クレイグ側の「そこまでやるか?!」的な意見も十分すぎるほどに理解できます。確かに危険ではあります。
また、フェランディスのFIMモトクロス世界選手権 MXGPシリーズ参戦時代からのレースキャリアを振り返るとお世辞にもクリーンなライダーとは言えません。AMAチャレンジ後はトラブル避けるため別人かのようにクリーンなレースを心掛けている印象もありましたし、コメントもありました。とはいえ、アグレッシブなレーススタイルがフェランディスの強みでもあるのです。そして、フェランディスがアメリカ人ではなく「フランス人」であることも騒動を大きくしている要素のひとつであることもSNS等での影響力あるコメントからも読み取れます…。
フェランディスが前後輪をスライドさせるようなミスを犯してまでパッシングに挑んだことを危険だとし、ペナルティ対象事案となったことに異論はありません。結果的に危険な接触、アグレッシブな仕掛けであるのは間違いなし。しかし、全面的な非がフェランディスだけにあるような考え方はパッシングまでの位置関係や流れからすると少々厳しすぎるかなという印象。ニューモトとしては、保護観察処分以上の順位降格やポイント減算のペナルティは必要ないと考え、AMAと同意見というスタンスです。
皆さんはどのように今回の接触転倒シーンを受け取りましたか?
250SXウエストハイライトビデオ|2020 AMAスーパークロス 第3戦 アナハイム2
Geico Honda PR, Octopi Media