たまモト特別編|「最終戦に向けて」Team HRC 山本鯨、成田亮、富田俊樹ミニインタビューまとめ
【たまモトスペシャル/最終戦に向けて】
SUGO大会のプログラム用として、第6戦 近畿大会 名阪スポーツランドのレース直後にお話を伺った成田選手、山本選手、富田選手のミニインタビュー。プログラム掲載の200文字では納まりきれなかった興味深いお話をこちらで改めて紹介したいと思います。この内容を踏まえて明日の決勝、チャンピオン争いをご覧になるとひと味違うかもです。
■ 成田亮
たま:最終戦への意気込みを聞かせて下さい。
成田:意識せざるを得ないんですけどできるだけランキングを気にしないで自分の走りをしたいです。お客さんは面白いレースが観たいと思ってきて下さってるので、いい走り、アグレッシブな走りでお客さんに「モトクロスって凄いな」って思ってもらえるようにしたい。外国人選手も来るでしょうし、そのライダー達に付いていって少しでもバトルできるようにしたいと思ってます。守りに入ったら何が起きるかわからないので…一生懸命走っても何が起きるかわからないですけど、でもそれ(ランキング)だけがレースじゃないと思っているので。タイトル獲るのが一番ですけど、守る走りをしてそれを「1番の走りだ」って思われたくはないんです。「何事にも一生懸命」が僕のモットーなので何があっても一生懸命走るのを目標にしてやってます。それで獲れなかったら獲れないで実力不足だったんだと思うし。タイトルを気にしないようにしてても勝手に頭の中に入ってくるとは思いますけど、あんまり意識し過ぎたら自分の走りが出来なくなって逆にタイトル獲れなくなるんじゃないかなと思うので。タイトルを何度獲っていても… たしかに多いかもしれないですけど、それぞれの年のレースはその年1回しかないので。戻れないし… それは大事にして行きたいですね。
たま:今シーズンの広島を見ててあらためて思ったんですけど、成田選手は『勝ちたい気持ちの強さ』でもチャンピオンなんだなーと。
成田:まあ、ね。それ(勝つ)がしたいからレースやってるわけだし。表彰台に上がりたいから…じゃないですもんね、1番になりたいからやってるんで。(成田選手は勝ちたい気持ちチャンピオンだと思うんですよ)そう思います。僕は勝ちたい気持ちが誰より強いから勝てるんだと思います。
■ 山本鯨
たま:(第6戦名阪終了時点で)今シーズンを振り返ってみてどうですか?
山本:地元名阪でこういう結果(ピンピン優勝)が出せたっていうのはホントにほっとしますし、協力してくれた人達のお陰だと思ってます。残り2戦は自分のやれる事を全力でやるしかないんですけど、勝ちたいです。夏の菅生の時にも言いましたが僕はチャンピオンになるためだけに生活しているんで。僕は走りでしか語れないんで。表彰台とかでは思った事を言わせてもらっているんですけど少しでも応援してくれる人、モトクロスを楽しんでくれる人が増えたら嬉しいなと思って毎戦走ってます。今シーズンは山あり谷ありで、川越(第2戦)の共倒れからけっこう辛い思いや嫌な思いもけっこうして、その中で自分なりに成長もできました。自分の力がもっとあればしなくていい苦労もあったと思うんですけど、それも成長に繋がっているし。僕は今後のモトクロス界を牽引して行きたい、そういう立場の人間だと思っているんです。その為に見えるものもいろいろと増えてきているし経験値を積んだという意味では良いシーズンになっているかなと思いますね。いろんな試練がありますけど… 人生なんて試練ばっかりだと思うんで(笑)…もしこの先ライダーを引退した後にモトクロスの為に貢献できるのかどうかって時、今のレースの経験が活かせると思うんですよね。なのでそういう人生経験豊かな人間になれるよう少しずつ努力してます。
たま:最近の鯨君を見ていると『人間山本鯨の中身』がどんどん充実してきているように思えるんですよね
山本:そうですね。やっぱりヨーロッパを経験できたのは大きかったし、目の前で世界チャンピオンになったチームメイトを見れて。ある意味自分が人生を賭けているもので、小さい頃から憧れていたのがあそこ(世界GPチャンピオン)だったので、そこに立てる人間がどんな人なのかを学ばせてもらったし、今となっては僕がモトクロスという競技であそこに辿り着くっていうのはかなり厳しいという現実も知ったんですけど、それもまたひとつの経験なんですよね。そういう経験をさせてくれたHONDAさんはじめ協力してくれたスポンサーや応援してくれた人や家族には感謝しかないです。自分が返せる事と言ったら自分が少しでも大きくなっていい方に導いて行く事しかないと思うので、それを心がけながら成長して行きたいなと思います。今出来る事をやっているだけなんですけど、ちゃんとプランを立てて「こういう風になっていかなきゃいけない、なっていきたい」ていうものを常に追って。レースと一緒ですよね。計画を立てて全部準備して努力して…の積み重ねなんで。世界を目の当たりにして… 正直、もっと早い段階で今の状態に辿り着いてないと世界では活躍できないのかなっていうのはすごく感じましたね。日本国内が悪いってわけじゃないんですけど、世界は広いのでホントにいろんな経験ができるじゃないですか、あの3年間とその前のタイだったりイギリスだったり… あれは大事だったと思います。
親が一生懸命働いて生活を削ってレースさせてくれてたんで、そんな親の為に今できる事っていったらまず勝つ、全日本でタイトルを獲る、自分自身が人間として成長することしか僕には出来ないと思っているんで。どんな形であれ、それをいろんな媒体を通じて観てもらえたら。自分の成長を観てもらうツールとしても僕にとってモトクロスは最大の武器だなと、この3年間で身にしみて感じました。「山本鯨を表現するにはモトクロスしかない」っていうことですね。
■ 富田俊樹
たま:今シーズンの感想と、最終戦にむけての意気込みを聞かせてください
富田:アメリカのレースに参戦し始めて4年経ちました。といっても1年目は怪我で3レースしか走ってないんですけど。今シーズンの全日本は開幕戦と、9月の名阪から最終戦までを走ります。去年の最終戦も走ったんですが、そのレースと今年の開幕戦を振り返るとちょっと空回りと言うか…。去年の最終戦が450での全日本デビュー戦だったんですが、そこから空回りが続いているなと感じています。日本には日本の… 成田選手だったり山本選手だったり… 上手い、スキルのある選手がいるのでそこで勝つのは簡単ではないなと思いましたね。日本で勝ってアメリカで走っている数年のうちに(全日本に対して)チャレンジャーの気持ちを忘れていたのかなと。アメリカを走っているんだから日本では勝たなきゃいけないだろう、とかそういう風に考え過ぎててそれが良くなかったのかもしれません。だから、残りのレースはチャレンジャーの気持ちで走ることが大事なんじゃないかなと思っています。最終戦、外国人ライダーが来るかもしれないですけど… 去年の最終戦だとガイザーのことをすごく意識して走ったりしましたけど、結局は自分の走りができないと話にならないという事がわかったのでまずはそこからかなと。毎戦毎戦,自分のベストを出せるようにやっていきたいなと思います
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