たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP 直前SP「IA1編」
いよいよ今週末に開催される、全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP モトクロス大会 スポーツランドSUGO。
大会公式プログラムプロフィール用にとIA1,IA2各クラス上位ライダーにお話を伺った中から、プログラムでは紹介しきれなかった面白いお話をピックアップしました。ほんとは全員紹介したいところですが今回は半分ほどでごめんなさい。
観戦にいかれる方は大会プログラムと合わせて、御留守番組のみなさんにはSUGO大会リモート観戦にむけての予習的な意味で読んで楽しんでいただけたら嬉しいです。
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP 直前SP「IA2編」
IA2編は上記リンク先よりお楽しみ下さい!
【IA1編】
■IA1ランキング1位(2022チャンピオン)富田俊樹選手
[オフビ前に伺ったコメントです]
たま:今シーズン実に好調でしたけど好調の理由はなんだったんでしょう?
富田:好調の理由は… 去年から言ってるんですけど、メンタル的な。自分の100%の出し方みたいなのがわかってきたカンジですね。(メンタルトレーニングできた事は)おっきかったです。
たま:今年顕著ですもんね、おっきく落とした事がほとんどないでしょう?
富田:オフビで転んで落とした時くらいかな
たま:コンスタントに成績出してるし、そもそもスタートも出れてるし。
富田:メンタル的なものもそうですけど、練習の方もコーチみたいのをつけて… 今井さんに見てもらってて。
たま:京都の? 魚政の今井君?
富田:はい。最初、商売っ気もなくコーチングしてくれてて。しかも「こういうやり方が間違いない」ではなく「2人で答えを探しに行く」カンジで、それもしっくり来ているし。IA2の方でも(今井君にみてもらっている)浅井が調子良かったりするので、その辺の効果もあるんじゃないかと思っています
たま:今井君とはどういう繋がりになるのかな?
富田:元々、ジュニアの時に近畿戦回ってたので、雅己が今井さんとこのチームにいたりでその頃から面識はあって、大人になってからもコースで会ったら喋る位はしてたんです。去年の最初の方にスタートが全然出れなくて、なんかこう冗談っぽく「スタート教えてください」みたいなことを言ったら「一緒にうやろうよ」って言ってくれてそこからですね。
たま:今井君って気安いというか話しかけやすいから相談しやすかったりするのかな?
富田:しやすいですね、今井さん自身「自分のやり方が間違いない」みたいなカンジではないので
たま:一緒に探してくれるんだ?
富田:はい。で、ほんと客観的に… 全日本のライダー見てますけど世界のライダーとかも見て「あいつらってこういうことしとるように見えるんだよねー」みたいな「ちょっとやってみようぜ」みたいな。で、やってみて「うーん、しっくりきません」って言ったら「あ、じゃあやめとこ」みたいな。
たま:(笑)いいねそのカジュアルなカンジがいいね。とっちは頭ごなしに言われるよりそうやって一緒にやってくれるみたいな方がしっくりくるカンジなんだね
富田:はい、はい、そうですね。納得してから取り入れたいっていうのもあるし。
たま:じゃあ。メンタルの面もそうだし、いわゆるテクニックとかそういう部分でもいいパートナーが見つかった、みたいな?
富田:そうですね。
たま:それが今の勝ちに勝ってる富田俊樹に繋がるんですね。HSR九州大会なんかパーフェクトでしたもんね。
富田:まさかあんなに… 勝ちは狙ってましたけど、3個揃えるのは難しいだろうなと思ってたし。今年の開幕まではパーフェクトウィンっていうのもなかったくらいなので、それが3コとなるとけっこう自信にはなりましたね。
たま:トップを走ってる時の安定感が全然違うのよ、今迄と。
富田:まあ、なんか、冷静でしたね。去年の最終戦、やっぱり後ろから能塚に追われたりとかした時の自分のメンタルの状況とは(今回は)比較にならない位落ち着いてたし、なんでこれが今迄できてなかったんだろう?って思うくらい…
たま:何十年って走ってきて…ねえ?(笑)
富田:(笑)はい。なんでできなかったんだろうって思うくらい、こういう考え方で走ればいいのか…っていう発見もあったりしましたね。
たま:前走ってて後ろからつつかれても動揺したりっていうのがないから…他のライダーからしたら攻めにくい…(笑)
富田:(笑)でもそういう嫌な、他のライダーからしたら「どこに隙があるんだろう?」っていうライダーになりたいなと思っていたので「こういう展開に持ってかれたらキツいよねー」ってライダーじゃなくて「どんなカンジでも行くよねー」って言われるのっていいじゃないですか?
たま:どこから攻めたらいいかわからないくらい盤石な?
富田:はい。一時期の成田さんってたぶんそういうカンジだったと思うんですよね。
たま:いわゆる、勝てる気がしないっていう、ね(笑)
富田:はい(笑)
たま:すごいなあ、そういうふうになっちゃったんだな、とっちは。
富田:いやいやいや、ちょっとおおげさに言ってますけど…でも、目指す所はそこかなって思ってます。
■IA1ランキング2位 能塚智寛選手
[オフビ前に伺ったコメント]
たま:九州ちょっと調子悪かった?
能塚:調子良いつもりだったけど結果が伴わなかったから… 最近噛み合ってないですよね、だいたいのレースで予選が悪いからグリッドとかも悪いし、何か原因がはっきりしてると良いんですけど思い当たる節がなくて。ちゃんと真面目にやったのに真面目に負けてるから一番ダメだなと。
たま:そんな時もありますよね
能塚:あとできることは勝ち星をまた増やしていくだけやなあと… 自己分析はするんですけど… まあどんなスポーツ選手でもこういう時期はあると思うから「今はそういうタイミングだな」くらいにしか思ってないです
たま:そういう淡々としたところがちーくんらしいと思います。
[オフビ後に追加で伺ったコメント]
たま:ヒート2の1コーナーで絡んじゃって結局リタイアでしたけど
能塚:クラッチが壊れて、セル回してなんとか発進しようとしてたら回しすぎてバッテリーがなくなっちゃって、サインエリアまで戻ったんですけど「もう無理」って言われて。
たま:怪我はなかった?
能塚:(池谷)優太のバイクの下敷きになってたんで上腕の側面をやけどしちゃったんです。そんなに酷くはないんでSUGOまでには治るかなって。
たま:改めてSUGOへの意気込みを
能塚:後ろとのポイント差がけっこうあったんですけど今回のノーポイントであんまり差がなくなっちゃって… ランキング2位とるためにがんばらないと… 最後は勝ちたいですね。僕のせいでチームの空気があんまり良くないんで(笑)勝ってチームのみんなに驕りたいです。
■IA1ランキング3位 大城魁之輔選手
[オフビ前に伺ったコメントです]
たま:ネイションズ残念でしたね(負傷で参戦できず)。悔しかった?
大城:悔しかったです。出たかったです。来年は出ないとと思ってるんでそれに向けてっていうんではないですけど目標の一つではあるんで、そこに行く権利をですね、取れるようにがんばるしかないなと。
たま:そういえば中部の仲間、同じヘアスタイルがまた増えてましたけど
大城:中部の仲間みんな同じ美容室に行ってて次々に真似するんですよ。あのヘアスタイルの最初は白龍で次が僕ですね。ハイライト入れたのは僕が最初です。それを白龍が真似したんです。白龍がデザインして服つくったりもして。服も大体みんな同じの着てるんで。
たま:柳瀬大河君が魁之輔君といつも一緒にいるんですって言ってましたけど。
大城:そうなんですよ。大河は僕の真似がしたくてしょうがないんですよね。
たま:大河君と魁之輔君ライディングスタイルも似てるよね
大城:それ、。めっちゃ言われます。2人とも全身アルパインスターズなんですよ。まあそれも僕が先なんですけど。ヘルメットもアライでペイントもワンテンデザインで同じなんです。そこも僕が先なんですけど(笑)。ウェアもヘルメットも同じでまず格好が似てくるって言うのはしょうがないんですけど乗り方もあいつが真似してくるんで… ほんとめっちゃ言われますね。
たま:魁之輔君の場合、ライン取りもちょっと人と違うなっておもったりしません?
大城:それは意識してるんですよ。人と違うというか視野を広くといいますか。大きく取るとこ、大きくとってとらなくて良いとこはとらないというか。視野をひろげて(すでに)できてるラインにとらわれずにっていうのは意識してるんですけど。自由度が高かったり… 皆が通っててラインができてるからココって決めつけないように気をつけてます。走ってる時も常に考えるようにしてココって決めちゃわないようにしてるんですけど、たまーにそれがネガに出る時があって(笑)
たま:型にはまらない走りに見えるのはそう言うとこかもしれないね
大城:まあそうすね、そう意識はしてるんですけど
たま:わくわくさせる走りですごくいいと思います
大城:そう言っていただけると…って感じなんですけども
たま:IA1にあがって1年目としては十二分にすごい速さをみせてくださっていると思うのですが
大城:そういっていただけるとなんですけど。あの3人(富田、渡辺、能塚)に追い付きたいなっていうのをシーズン前から言ってたんで。そういう意味では… 絡めてないわけではないですけど、ちょっとまだ「魁之輔は甘いな」って、僕があの3人の立場だったら思うし、そのぐらいの余裕はあるなって思うので、その辺はしっかり「ああ、魁之輔はヤバイぞ」って思ってもらえるようにします。とっちくんは速いですし強いですし、祐介くんも能塚くんも速いじゃないですか。僕は1勝してますけど(オフビ前の時点で)いまのところ勝った気では全くいないので、1勝は嬉しいですし勝ちは勝ちですけど、まだまだあの3人との間には埋めなきゃいけないギャップがあると思っているので。逆に言えば改善のしようがある部分だと思うんですよ、僕的には。なんで、まあ、楽しみと言いますか。
たま:埋めなきゃ行けない部分を埋めていくともっと前に行けるのが楽しい、みたいな?
大城:そうなんですよ。まだまだ(改善の余地が)あって、実際、自分的にも余白の部分がまだあるのでそれを日々日々。実際成長はできていると思うんでこの前のレースも同じ九州で開幕より成長できてるなと自分で思えたんで。そういう気持ちで。
たま:伸び代があってその伸び代を確実に埋めていく感じが観ててきもちいいですよ。
大城:まだまだなんで。課題をこなしているところなんで。
たま:ではSUGOに向けての意気込みを
大城:春からずっと1勝したいって言ってて、SUGOで1勝したんですけど思ってたより嬉しかったんでこんなの何度味わっても良いなと思ったんで、今シーズン2勝目あげたいなっていうのが今の目標です。
たま:もしオフビで勝てた場合はそれを3勝目に変えると言うことで
大城:そう、そうです!
たま:何度勝っても嬉しいってことですよね?
大城:そうです!
たま:なんだったらあと4回チャンスがありますから
大城:ほんとそうですよ!!!
[註]実際この後の第6戦オフロードビレッジで2勝目を上げられたので、プログラムの紹介文では「3勝目をあげたい」に変えてあります
■IA1ランキング6位 大倉由揮選手
[オフビ前に伺ったコメントです]
たま:まずはネイションズおつかれさまでした。ネイションズの感想は?
大倉:全てがスケールが違いすぎてこれがモトクロス かと思いました。海外の公式レースは初めてだったんで、スタートラインに並んでる時に「テレビで見てたやつや!」って(笑)
たま:下田丈とチームメイトってことで現地の注目度も高かったのでは?
大倉:そうですね、ジョーの認知度はすごいなと思いました。あらゆることのレベルがものすごく違うんでちょっとでもその差は埋めたいなと言う気持ちにはなりました。
たま:ネイションズで得たものはたくさんあったカンジ?
大倉:モチベーションができたと言うか新たな目標みたいなものが… またあの舞台で走りたいって言う気持ちもありますし、モトクロスの新しい一面を観た感じです。今までやってたのはモトクロスじゃなかったのかなっていう(苦笑)
たま:では、海外に行きたいみたいな気持ちも?
大倉:はい、海外でのレースをもっと経験してみたいなって言う気持ちにもなりました。
たま:コースとかも全然違った?
大倉:そうなんですけど、コース幅とかはそんなでもなくて。鳥谷部と2人で喋ってたんですけど思ってたよりもコース幅が広くないねって。もっと広いものだと思ってたらぜんぜん… 土質も違って普段走ったことのないギャップがあったりとか。あんな荒れてるコース走ったことないなとか。
たま:ラロッコズリープはどうでした?
大倉:怖かったです(苦笑)
たま:SUGOにむけての意気込みを
大倉:前半戦苦しんだ分、後半戦しっかり力を出し切って終わりたいなと思うんで、やれることをしっかりやって… やっぱ優勝はしたいですね。表彰台もまだ1回しか乗れてないんですけど… また表彰台に乗りたいし優勝したいですね。
たま:優勝に関してはチームメイトに先越されちゃいましたもんね
大倉:魁之輔は調子いいんで今は完全に差ができてしまってるんですけど。向こうは完全に安定して表彰台に乗っててトップグループか第2グループにいるんで、そこはしっかり受け止めて。魁之輔がぽんぽんって行っちゃうと自分も焦るっていうか「何してるんや!」っていう焦りが出てきちゃうんですけど、それを気にせず自分の最大限を出せるようになったら結果につながるかなって思って残り頑張ろうと思います。
たま:ところで大倉くんって真面目に見えて、っていうか私もそういう風に紹介しちゃったりしてましたけど、実はそれだけじゃないですよね?(笑)今のチームだとはっちゃけやすかったりしません?
大倉:そうなんですけど… まだ本当の自分ってのは出せないですね。真面目キャラみたいなのが勝手に確立しちゃってたんで。あと結果を出してないでふざけすぎると「なんだこいつ」って思われちゃうんで…(このあたりが真面目)関西人キャラはこれから様子を見ながら徐々に出して行こうかと思ってます(笑)
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP 直前SP「IA2編」
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