レースビデオ&リザルト|2022 AMAモトクロス 第9戦 ユナディラ
【追加:リザルト雑感】
2022 AMAモトクロス 第9戦 ユナディラ(全12戦)、450MXクラスと250MXクラスのレースビデオ&リザルトをシェア。
3週間のインターバル期間を経て再開されるシリーズは、残り4戦となり重要な終盤戦を迎えます。会場はアメリカMXシーンを語る上で外せない、AMAモトクロス前身のInter-AMA, Trans-AMA時代も含めてレース開催50年以上の歴史をほこるニューヨーク州ニューベルリンのユナディラ。
自然の地形を活かしたヨーロッパ的コースレイアウトが最大の特徴。石混じりの路面は時にトラブルを引き起こす要因となることも。1987年にアメリカでモトクロス・オブ・ネイションズが初めて行われたコースでもあります。
ユナディラがプロデビューの地でもある日本期待の下田丈選手は、タイムドプラクティス5番手から決勝進出。その他、今大会で今シリーズ初レースを迎える450MX王者フェランディスや8年振りのAMAモトクロス参戦のマルコム・スチュワート、負傷明けのディーン・ウィルソン等の活躍にも注目です。エンジョイ!
【450MX リザルト】
1. Chase Sexton (HON), 1-1. – 開幕戦以来となるピンピン完全優勝で今季3度目(2連勝)の総合優勝獲得と同時にポイントリーダーに返り咲き。例年よりも硬く滑りやすい路面状況となった今年度大会のユナディラで硬質路面を得意とするセクストンが前戦ワシューガルに続いて強さを発揮。両レース共に後方から首位トマックを攻略し独走で勝利する圧倒的強さを発揮。前戦ワシューガルでトマックとのマッチレースで競り勝った自信が大きいとコメント。例年よりも硬質路面となったことで轍やギャップも比較的少なめのハイスピード展開の中、セクストンの巧みなスロットルコントロールによる幅広いライン選択肢は大きなアドバンテージとなっていました。両レースで最速ラップ記録。タイムドプラクティスからセッティング変更が功を奏したとも語っています。今大会で、2018年以来となる首位快走のトマックをパスしての勝利を記録することとなったは、セクストン。今季AMAモトクロスで一気に「覚醒」した感のあるセクストンの活躍。これは新時代の幕開けと見るべきなのでしょうか?
2. Eli Tomac (YAM), 2-2. – 450MXクラスでは「総合優勝なし」という意外な事実が表しているように、これまでユナディラを苦手とコメントしてきたトマック。マシンセッティング変更や出来る限りのことはしたが、セクストンが強かったと素直に負けを認める。セクストンよりもアウト側のラインを積極的に使用したアグレッシブなスピードを披露するもマシンの挙動やライン取りの面で及ばす…。6戦12レース連続でトマックとセクストンが「1位&2位(トマック8勝、セクストン4勝)」を独占中。
3. Jason Anderson (KAW), 3-3. – 過去3戦6レース中、5度の3位フィニッシュ。好調は維持もセクストンとトマックのバトルには今大会も手が届かない悔しいレース展開で、3位表彰台登壇も残念な気持ちであるとコメント。とはいえ、セカンドグループの混戦バトルを戦い抜いてのコンスタントな3位フィニッシュは、多くのライダーがマシンセッティングについての問題点を口にする大会で、移籍初年度としては価値ある結果だと判断できるでしょう。ハイスピードでギャップの多いコースでもマシンのハンドリングに満足しているとコメント。
4. Aaron Plessinger (KTM), 7-4. – 得意と語るユナディラで久々に本来の実力発揮。モト1は腕上がりでセカンドグループのバトルに埋もれますが、モト2では好スタートから序盤は3位キープ。アンダーソンにパスされ順位を落とすも大きく離されることなく終盤にペースアップ。逆転ならずも存在感示す力走。好調を維持できるかがプレシンジャーの課題。終盤戦の活躍に注目です。
5. Ken Roczen (HON), 5-7. – タイムドプラクティス最速ラップ記録し、首位快走も腕上がりに苦しめられたモト1。セカンドグループで順位を落としたモト2…。優勝経験もある好相性のユナディラで復調が期待されましたが、苦戦が続きます。
6. Ryan Dungey (KTM), 6-6. – モト1で赤十字フラッグ無視のジャンプにより「1順位降格」ペナルティ。現役復帰が話題のダンジーですが、表彰台が遠い…。ハイペースのレース序盤でのポジション確保に課題ありとコメント。
7. Dylan Ferrandis (YAM), 4-10. – 度重なる負傷で4月のAMAスーパークロス第11戦以来となる実戦復帰。モト1でのホールショットから首位快走が今大会ハイライトのひとつ。モト2ではペース上がらずもシリーズ終盤戦での活躍を期待させるには十分な快走でした。
8. Justin Barcia (GAS), 10-5. – ニューヨーク州出身バーシアにとってホームレース。モト1は好位置も転倒…。モト2ではセカンドグループのバトルをしぶとく戦い抜いての5番手フィニッシュ。結果以上に久々に存在感をアピール。マシン改善も進められており、残りの大会で今季2度目の表彰台登壇を狙っているとコメント。
9. Joseph Savatgy (KAW), 9-8. – タイムドプラクティス3番手からの活躍が期待されましたが、転倒もありベストリザルト更新ならず。転倒やミスで噛み合わないレースが続いていますが、代役カワサキファクトリーライダーとしてしぶとくトップ10フィニッシュをキープ。
10. Christian Craig (YAM), 11-9. – プラクティス時の大転倒で決勝出走が危ぶまれましたが、強行出場。苦しいレースとなりましたがトップ10入り。ネイションズのアメリカチーム250クラス代表候補として結果が求められています。
15. Malcolm Stewart (HUS), 14-16. – 8年振りのアウトドアレースは膝の靭帯負傷から復帰戦。
16. Dean Wilson (HUS), 19-14. – 今季初AMAモトクロス参戦。
17. Shane McElrath (YAM), 16-18. – スチュワートとウィルソンの代役としてハスクバーナファクトリーから参戦していましたが今大会からクラブMXヤマハからの参戦へ。
【450MX ポイントランキング 9 of 12】
1. Chase Sexton (HON), 409 points – ポイントリーダー返り咲き!
2. Eli Tomac (YAM), 408 – 僅か「1点差」ビハインド
3. Jason Anderson (KAW), 325
4. Ken Roczen (HON), 304
5. Christian Craig (YAM), 273
6. Ryan Dungey (KTM), 266
7. Justin Barcia (GAS), 246
8. Aaron Plessinger (KTM), 230
9. Joseph Savatgy (KAW), 195
10. Shane McElrath (HUS), 165
【250MX リザルト】
1. 下田 丈 (KAW), 1-3. – 今季2度目の総合優勝(レース2勝)達成! クーパーの転倒に乗じた首位浮上となったモト1での勝利ですが、上位勢のタイム差が少ない僅差のレースながらも自身のベストラップ記録した序盤から中盤までの安定したハイペースにより理想的な展開での独走勝利となりました(最大13秒強のリード)。モト2はスタート出遅れと追い上げ中の転倒もあったレースでしたが、スピードと持ち前のタフネスを発揮してラストラップで3位浮上する激走。モト2で4位のままでも総合優勝という状況下でしたが、チームメイトのマカドゥーを執拗に追い回して貪欲に勝負を仕掛けていく姿からは自信がみなぎっている印象を強く受けました。クリエイティブなライン取りとスタンディング多様により安定したマシン挙動、フィジカルの強さは改めて下田選手のポテンシャルの高さを強くアピール。
2. Justin Cooper (YAM), 5-1. – ネイションズのアメリカチーム250クラス代表候補ということと地元大会ということでピンピン完全優勝を目指しましたが、自らの転倒もあり総合優勝には届かず。記者会見等で自らの転倒で総合優勝を逃したことに悔しさをにじませました。モト1、2周めの転倒時にハンドルバーが曲がっていたとのことで苦しい追い上げに。
3. Hunter Lawrence (HON), 2-5. – モト2のペースダウンはマシントラブルと勘違いしたようで、リアブレーキに石が挟まっていた模様。トラブルまでは総合優勝も狙える位置につけていただけに悔しい表彰台となりました。
4. Jett Lawrence (HON), 7-2. – 19歳になったばかりのディフェンディングチャンピオン。マシントラブルで落とした一戦以外は全て総合優勝という強さを発揮してきましたが、今大会では勝負を急ぎ過ぎたことによるミスからの転倒で失速。若さを露呈した形に。波乱の250MXクラスとなった今大会を象徴するかのようなレース展開となりました。とはいえ、バトルの中で披露される才能あふれる素晴らしいらいライディングは素晴らしいものでした。「こんな日もある」と余裕のコメント。インターバル期間中にはネイションズ参戦に向けて450マシンでのライディングを重ねていました。
5. RJ Hampshire (HUS), 3-8. – モト1で開幕戦以来となるトップ3フィニッシュを記録する追い上げレースが強く印象に残りました。しかし両レースでスタート出遅れており、モト2では8位どまり。苦労してポジションを上げていくレースが続いており、安定したスタートとトラブルなく上位を戦い抜くレーススタイルが求められます。
6. Maximus Vohland (KTM), 6-6. – シリーズ後半戦で安定したリザルトを残すボーランドが好調を維持。スタートが課題と語るもマシンとフィジカル面では良い状態を維持できているとコメント。才能あふれるライディングが持ち味の2世ライダー。さらなる上位を期待できる逸材だけに、注目しておくべきライダーです。
7. Nicholas Romano (YAM), 4-9. – ニューヨーク州出身でホームレースを迎えたスターレーシングヤマハのルーキー。モトクロスの「モ」の字もないようなクイーンズ出身が話題に上がるライダー。地元パワーなのか? モト1ではレース後半までローレンス兄弟を抑え込み2番手キープの激走からベストリザルトの4位記録。モト2でも好スタートから上位バトルで存在感示すも順位を落とす展開。内容的には大満足と語っており、今大会をきっかけにルーキーの大爆発が期待されます。
8. Cameron Mcadoo (KAW), 11-4. – 負傷の影響で今季AMAモトクロス初参戦は1年半ぶりのアウトドアレースでもありました。モト2でラストラップまで3位キープもチームメイトの下田選手に逆転を許す結果に。悔しい内容も復帰戦ということで結果には満足しているとのこと。
9. Nathanael Thrasher (YAM), 10-7. – タイムドプラクティス好調も転倒や出遅れもありこの位置。しかし、アウトドア参戦初年度でコンスタントにトップ10入り出来るスピードと安定感が育ってきています。
10. Pierce Brown (GAS), 9-10. – 追い上げ、後退という両レースでしたがコンスタントにトップ10入り。チームメイト、モジマンの復帰が待たれます。
【250MX ポイントランキング 9 of 12】
1. Jett Lawrence (HON), 391 points – ポイントリード「26点差」。
2. Hunter Lawrence (HON), 365
3. 下田 丈 (KAW), 351 – ランキング2位まで21点差から「14点差」に接近! ランキング首位から「40点差」ビハインド。
4. Justin Cooper (YAM), 316
5. RJ Hampshire (HUS), 227
6. Maximus Vohland (KTM), 222
7. Seth Hammaker (KAW), 207
8. Levi Kitchen (YAM), 180
9. Michael Mosiman (GAS), 169
10. Stilez Robertson (HUS), 169
レースビデオ&リザルト|2022 AMAモトクロス 第8戦 ワシューガル
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