たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA1編
いよいよ今週末に開催される全日本モトクロス第3戦SUGO大会。大会プログラムプロフィール用にとIA1, IA2各クラス上位ライダーにお話を伺った中からプログラムでは紹介しきれなかった面白いお話をピックアップしました。ほんとは全員紹介したいところですが今回は半分ほどでごめんなさい。観戦に行かれる方は大会プログラムと合わせて、御留守番組のみなさんにはSUGO大会リモート観戦にむけての予習的な意味で読んで楽しんでいただけたら嬉しいです。
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA2編
IA2編は上記リンク先よりお楽しみ下さい!
【IA1編】
■IA1ランキング1位 富田俊樹選手
たま:能塚くんが言ってたけど今年はとっち(富田)が圧倒的に勝ってるって…
富田:いやいやいや、彼も驚異ですよやっぱり。3ヒート、15分のレースでの勝率は彼が一番高いんじゃないですかね? 去年から…
たま:ぶっちゃけ、3ヒートレースはきついですか?
富田:…と僕も思ってたんですけよ、去年とかは。でも、こないだのオフビでは感じなかったですね。
たま:トータルで走る時間は短くなるんだよね?
富田:なります。でも、緊張感とか、あとスタートも3ヒートの方が厳しいですね。そもそもペースが速くなるのでしんどいんだと思います。ほんとに気が抜けないですね。
たま:ジェイ(ウィルソン)さんとは仲良くやれてますか?
富田:ジェイは浜松に住んでて僕は名古屋で近いので結構一緒に練習したりします。彼といるといろいろ勉強になりますね。ジェイはちょっと外人ぽくないというか… 大人だなと思います。すごく気も遣うし…。自分では『オーストラリアの俺は違う性格だ』みたいなことを言ってたっぽいですけどね(笑)。オーストラリアだともっとレースレースした感じになっちゃうんじゃないですかね。けっこう細かいところを見ているというかそういうことを詰めてやってきたライダーなのかなと思うし、スキルを持ってる感じですね。日本人ライダーにどういうことが必要だっていう話もよくしてくれます。アメリカ人に聞くのとは違う感覚というか、彼も何度かアメリカにレースしに行っててスーパークロスにも出ていて、僕がアメリカ走ってた時の僕の心境みたいなものもいろいろ話して『きついよね〜』とか言い合いながら(笑)。オーストラリア人も同じことで苦労するらしくて、その辺が共感できたりして面白いと思ってます。彼もヤマハでテストしながら英語を喋れない人の中にいるので、僕も「間違っててもいいや」って感覚で喋れるので逆にそれがうまくいってる気がしますね。レースの時にもアドバイスくれたりするので助かります。
たま:クラスが違うからアドバイスもすんなり聞けますね(笑)
富田:そうですね。だから来年再来年どうなっていくかはわかんないですけど(笑)。IA1に上がってきたりしたら大変ですね(苦笑)
たま:ご家庭を持たれて変わったことってあります?
富田:今までは良くも悪くも自分だけと言うか… そこまで考えてなかったんですけど、今はちゃんと家に無傷で帰らないといけないとか、ちゃんと稼いで帰らないといけないとかっていう責任感… ですかね。それがプレッシャーになってるわけじゃないから、いい方向に働いてるのかなあとは思いますね。家でも支えてくれてるし、今まで一人だったんで帰って飯食おう何しようってやってたのが考えなくて良くなって… そのへんでモトクロスに集中できる時間は増えたと思うし、けっこうイイ感じできてますね。前にも言いましたけど、嫁さんもヨガインストラクターやってて個人事業主で自分の意見を持ってるんですよ、気が強いというか… そのへんでメンタルも鍛えられてますね(笑)。これは「家族ができたことでメンタルがしっかり鍛えられたと思ってます」とか書いてもらったほうがいいのかな(笑)
たま:そういえばお子さん誕生をひかえてらっしゃるんですよね?予定日は?
富田:予定日は8月19日バイクの日です
■IA1ランキング2位 能塚智寛選手
たま:前回のオフビ(第2戦)調子良かったですね。全部表彰台。
能塚:もうちょっと勝ちたかったですねせっかくの15分だし。
たま:ちーくんは15分の方が得意なの?
能塚:得意というかやっぱ仕事量少なくて費用対効果高いというか(笑)、おんなじ稼ぎなら短い方がいいなって(笑) 。JOBと考えたらもうね、仕事の回数増やしてもらうのと仕事の時間短くしてもらうのが最高ですよね。
たま:そういう感覚はちーくんらしいね(笑)、15分の方が楽ですか?
能塚:体力的には楽かと言われたら楽ではないですけど、15分も30分も僕はあんまり変わらないですね。何走っててもしんどいなって思ってるし(笑)。ただモチベーションがね『3回もある』って思ったら気持ち的に楽しいかな(笑)。15分3回走っても、30分2回走る方が時間長いですからね。短くて回数多いほうがいいでしょ。15分のオフビとか本当スタート出られるかどうかだけなんで…
たま:スタートは得意なんだっけ?
能塚:スタート得意じゃないですね(笑)。全然出れてはないですけど、最初の1周目くらいの捌きでなんとか前のほうに行くみたいなかんじです。
たま:あと何か近況でこれというのがあります?
能塚:近況… ちょっと前になりますけど5月くらいに京都から大阪に引っ越しました。マンションを買っちゃったんですよ35年ローンだなって思いながら…(笑)。 あとはね、2人目(の子供)ができたんです。今、奥さんのお腹の中です。10月くらいに生まれる予定です。最終戦の最後らへんに生まれるから、また一人家族が増えちゃうから頑張らないとねっていう。
たま:あと去年の最終戦のライダーズミーティングで選手会長になられたじゃないですか
能塚:選手会長になりましたね。
たま:何か変わった?
能塚:とくに何も変わってなくて…変わったというなら会議に参加させてもらえるようになったくらいですかね。その会議もまだ一回もやったことないんで… 中身が… 実情がわからないとあまり突拍子もないことを言っても仕方ないから、様子を伺っているところです。今まで自分が思っていることがあってもそれがなんで実現できないのかと言うのも… 言うのは簡単だけど実情… 中身がわかんないから、その中身を知ってみたいなと思ったのが(選手会長に)手を上げた理由です。
たま:それもちーくんらしいねえ。
たま:ではSUGOに観戦に来られるお客さんに何か言いたいことがあれば…
能塚:SUGOは7月で、もしかしたら暑くなるかもしれないから出店してあるお店で冷たいものを飲んだり食べたりしながらゆっくり観てください。暑いからそんなに激し目に応援しないでゆっくりピクニックして、熱中症に気をつけて観戦に来てくれれば。いろんなライダーを観てください。それで僕もちょこっと応援してもらえれば(笑)
■IA1ランキング4位 大城魁之輔選手
たま:今シーズン、開幕戦と第2戦と表彰台に乗ってて。あと乗ってないのは表彰台の真ん中だけですね。
大城:表彰台の真ん中に乗りたいっすねえ。乗りたいっすけど… みんな速いんですよね(苦笑)。それに比べると自分はまだまだしょぼいなって感じです。すごい大まかな言い方ですけど、皆さんレースが上手だなって思いますね。前を走るみんなに比べると…「意外と下手だな俺」…って、思いますね(笑)。先輩たちと走ってると、シンプルに「あれ? 僕よりモトクロス上手だな」って思えるんですよ。だからこそ練習のしがいもありますけど。
たま:先輩たちのどういう所が上手だなって思うんですか?
大城:スキル的なものもそうですしペースの… スタート出遅れてしまいましたっていう時でも、それでも確実に上がってきて… こなしといいますか処理のしかたが上手だなと思います。今僕が、例えばこの前のオフビとかで練習走行トップタイムでしたって言っても、実際レースになったら違うんですよ。
たま:駆け引きってこと?
大城:駆け引きっていうか、僕はまだ彼らに駆け引きをできるほど… 力がないんで(苦笑)。自分が去年IA2で走ってた時「自分が一番速い」って言う気持ちを持ってたんで、その状態のメンタルだと去年の自分が練習走行5〜6番でしたって言っても別になんとも思わない…って言ったら嘘かも知んないですけど、じゃあその練習走行タイム1番のライダーがいても、レースになれば(勝てる)って思ってたし、実際レースになれば『わあ、スピードで置いていかれる!』とか『後ろから追いつかれて抜かれた』とかは基本なかったんで、それが今は逆の立場なんだなっていうことですね。まだ相手にされてないし、僕がちょっとタイムを出してても、とっちくんや能塚くんは去年の自分みたいに思ってるんだろうなと考えてます。
たま:それをね、難しい表現で「歯牙にも掛けない」って言うんですよ
大城:それは…難しい言葉ですね(笑)
たま:じゃあその大城くんのことを歯牙にも掛けていない先輩方とどう戦おうと?
大城:でもやっぱり勝ちたかったらやるしかないじゃないですか。僕は勝ちたいので練習あるのみなんですよ。足りないのは経験値かもしれないですけど、経験値は磨けないんで… レース数を僕がこなしても、むこうも一緒に走ってたら経験では追いつけないわけじゃないですか。なのでそこ(経験値の差)は潔く認めてですね。そこは格上だなって認めた上でいっぱい練習をしてですね。いざレースでガチンコ勝負ってなった時に、勝負して勝てるスピードを自分がつけるしかないのかなって、今は思ってるんで。そこを高い位置に持っていくのが今の目標といいますか… 後ろからトッチくんきました、はいバトルです、自分の持ってるスキルで勝負ですってなった時に、勝負できるスキルまで自分を持っていくしかないんだなって思います。
たま:なるほどそうやって自分を高めていくしかないと。
大城:それで先輩方に少しでも意識していただけたら、ですね。
たま:では、SUGO大会に向けての意気込みを。
大城:僕、これは開幕から言っているんですけど『まぐれでもいいから勝ちたい』っていう。どんな形でもいいから勝ちたいですね。誰が見ても「まぐれや」ってそんな勝ち方でもいいんで。そのために今はトレーニングをですね… フィジカルもですし、テクニックもまだまだだなと。そういう意味で僕、今課題がたくさんなんです。なのでこの課題をいっこいっここなしていけば確実に速くなるはずなんで。テクニック面もそうですしフィジカルもそうですし、まだ潰せてない課題がいっぱいあるんで「俺はまだ速くなれるじゃん」って思ってます。早く先輩方にですね、もっと絡んでですね、勝てるように。ほんとにやることが山盛りです。
たま:伸び代しかないってやつですね。
大城: IA1の先輩方の走りを間近で見て、レースやってて『うわこれ』って思うことが多いんですよ。この間の第2戦も、僕がホールショットで出て、トッチくんと能塚くんが追いついてきて抜かれて、後ろから彼らのラインを真似したら『あれ? 俺下手くそじゃん!』って。最初、僕(抜かれたのは)ラインを間違えてたんだなって思ってたんで、抜かれた後に前の二人と同じラインを通ったんですけど『なんだこれ?! ラインじゃないよ!』って思って(苦笑)。ていうような時にモロに思うんですよね。レースだと『ああ、俺、下手くそ!』って思うんですよ。練習で『ああ、レースでこうだったな』って思うと身が入りますし。一緒に走ってはじめてわかる先輩の凄さと、増してわかる自分のしょぼさっていう(笑)。
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA2編
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