たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA2編
いよいよ今週末に開催される全日本モトクロス第3戦SUGO大会。大会プログラムプロフィール用にとIA1, IA2各クラス上位ライダーにお話を伺った中からプログラムでは紹介しきれなかった面白いお話をピックアップしました。ほんとは全員紹介したいところですが今回は半分ほどでごめんなさい。観戦に行かれる方は大会プログラムと合わせて、御留守番組のみなさんにはSUGO大会リモート観戦にむけての予習的な意味で読んで楽しんでいただけたら嬉しいです。
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA1編
IA2編は上記リンク先よりお楽しみ下さい!
【IA2編】
■IA2ランキング1位 ジェイ・ウィルソン選手
たま:まずは日本で走ることになった経緯と日本でのあなたの役割を教えてください。
ウィルソン:僕は1990年代からエディ・ウォーレンさん(1986 AMAスーパークロス125ccイースト王者、1992 全日本モトクロス選手権王者のオーストラリア人)に影響を受けていて、子供の頃から日本に来たいと考えていました。エディが過ごした日本で走ることは僕の夢でした。今回は夢が叶って非常に嬉しいですね。日本での仕事はテストライダーとバイクの開発、ライダーの育成とレース活動…いろんなことをやってます(笑)。サマーブレイク(夏休み期間)にブルークルーキャンプとして若手ライダーの育成に携わる予定ですし、レースの場においてもライダーの相談に乗ったりアドバイスをすることがあります。
たま:日本のライダーについてはどう思われていますか?
ウィルソン:日本の若いライダーには有望な選手がたくさんいますね。昨年の秋に来た時から比べても多くのライダーがたくさんがんばって上手くなっています。モチベーションとしては、全日本のトップで満足していた選手が、自分が来たことによって世界レベルという目標ができて更に伸びる可能性が出てきたんじゃないかと思う。それはすごくいいことですよね。自分が昨年のSUGO参戦時に活躍したことが、若いライダーにとって刺激になったのではないかと考えます。同じコースを彼らより速く走ったことによって、彼らもこのコースをもっと速く走ることができるんだと気がついて、そのスピードを出せるようになったのではないでしょうか。ヤマハオーストラリアで契約していた時も、自分の役割はレースに勝つことだけではなく、ヤマハのブルークルーキャンプとしてスクールを担当して若手を育成していました。多くの人はモトクロスを危ないスポーツだと思っているけれど、本当はそうじゃない。いろんなことがきちんとコントロールされていて、身に付けるものもやり方も安全面に十分気をつけて環境を整えていさえすれば…。他のいろいろなスポーツ、例えばサッカーはちゃんとコーチがいてそのコーチが指導するシステムがあったりするけれど、モトクロスは必ずしもそうではないでしょう? だから自分がコーチになってきちんと指導したいと思っています。モトクロスをやりたいキッズの親御さんたちもモトクロスが危なくないんだということがわかれば自分と同じようにこのスポーツを好きになってくれると思う。私も一人の娘の父親なので、彼女がスポーツをやる時には正しい装備を身につけて正しい指導のもとに正しくスポーツを習ってほしいと思いますしね。こうやって自分が携わることは日本のモトクロスにとってとても良いことだと思いますよ。
たま:こうやってお話を伺ってるとウィルソンさんはすごく立派な先生みたいな方だなと思います。そんな風に紹介してもいいですか?(笑)
ウィルソン:偉大な先生のような心を持った人だって紹介したい? もちろんオッケーです (笑)
たま:ではSUGOに対しての意気込みを。
ウィルソン:SUGOはヤマハのコースですし、去年良い成績を残せてとても嬉しかったのでまた良い結果を残したいですね。自分の仕事はレースですけど、キッズやファンの皆さんが来てくださることがとても嬉しいのでぜひ側に来てほしいです。誰かが見ていてくれるとレースで勝った時にもより嬉しいので、皆さんぜひ笑顔で会いに来てください。
たま:ファンの中には英語が話せないので気遅れしてジェイさんに話しかけられないという方も多いかと思うんですけど…
ウィルソン:英語が話せなくても大丈夫ですよ。気軽に声をかけてください。僕も日本語…オハヨウゴザイマスとアリガトウゴザイマスは話せますので(笑)あとコンバンワとゲンキデスカも言えますよ(笑)
■IA2ランキング4位 中島漱也選手
たま:第2戦はお休みされちゃってましたけど。
中島:オフビ前に怪我しちゃって。左の手首、舟状骨っていうけっこう治りづらいやっかいなとこらしくて。でも、舟状骨の中でも折れるところが良かったみたいで、手術してちょっとでもう乗っていいよって言われて、可動域も他の怪我しちゃった人より動くんでまだいい方だったのかなって思ってます。第2戦には出てないけどランキングもいっこしか落ちなくてラッキーだなって。オフビは(順位が)荒れてましたし、開幕は3ヒートなのでそれがでかかったのかと思いますね。
たま:開幕戦で3ヒートとも表彰台ってのも大きかったですよね。
中島:開幕戦全部3位というのは実はちょっと悔しかったんですよね。ウィルソンは速いんでまだまだ勝てないですけど、小川孝平君に3回とも負けちゃったんで…。今までって孝平くんがスタート苦手でいてくれたからなんとか戦えてたんですけど、今年は孝平くん、スタート出ちゃうんで『そんなの聞いてない!』ですよ(笑)『それはやばいよ』っていう。孝平くんも第2戦は落としちゃってたんで(ランキング的には)前ともそんなに離れることがなく、ぜんぜんまだ戦えるかなと思ってます。あとはウィルソンに食らいつくだけですね。
たま:せめて一矢報いたいと?
中島:確かに強いけど、一人勝ちさせるのは悔しいんですよね。僕が日本人で最初にウィルソンに勝ちたいって思ってて。なので、オフビはずっとウィルソンを応援してましたね(笑)。僕が倒すまでは勝ち続けてくれっていう…。
たま:なるほど(笑)怪我して休まれたことで何か変わったことはありましたか?
中島:怪我してから一歩離れた目線で見れて、今まで気づかなかった事とか、自分の走りもそうですし全日本を観ててもここが違うんだなとか、俺こういうの出来てたんだなとか、休んでたけどむっちゃいい時間になったと思ってますね。そうやってけっこうプラスに捉えられたので休んだのも無駄な時間ではなかったなと思います。とはいえ、やはり出られなかったのは悔しかったです。オフビは地元なんで『(自分が)勝つならここだろう!』と思ってたんで。
たま:でもほら今年はもう1回あるから。
中島:そうですね、あと1回あるんでそっちに賭けるしかないですけど。今回、調子も結構上がってきた時の怪我だったんでこういう時は危ないなって思いましたね。
たま:SUGOへの意気込みを。
中島:SUGOまでには自分の100%の力も取り返せそうだし、うまく準備もできてるんで。実は…一番苦手なコースはSUGOなんですけど、少しでもウィルソンに食らいついてチャンスがあったらいつでも勝ちに行くつもりで走るので復帰戦楽しみにしててください。
たま:IA3年目にしてこの位置はすごいと思うのでぜひこのまま突き進んでほしいな
中島:うーん、コンスタントにうまくまとめれてるかなあとは思うんですけどでも一発がないんですね。スタートもホールショットとか決めれないんでじわじわあがってきて…あれ? いいとこいるじゃん、みたいな(笑)。そこで止まってるんで一発(の速さ)が欲しいところです。
たま:そういえば今年のウエアもまた新しいカンジで。
中島:ウエア(ゴールドウィン)もぜひ注目して欲しいんですよね! 僕が着てるのは完全にレース用みたいな… 生地もレース1戦保てばいいみたいな感じで作られてるやつなんですけど、今年に入って1種類だけ市販化を目指してテストしているウエアが出来上がってて… それもレースで着ているんです。レース専用のやつとはちょっと生地も違うんですけど全然高いクオリティで、結構別次元のものになってるんでそういうところも見ていただけたらなと。
たま:デザインもいいですよね。
中島:はい、デザインも毎戦違うカンジでいってるんで。特に今年のウエアは名前のデザインが可愛いんですよ。
たま:脇に入ってたりとかね、ちょっと変わってて面白いなと思いました。そうやって力を入れてもらえるのはそれだけあなたが注目される選手だから…ってことですもんね。
中島:そうなんです、僕がそれを着て成績出してナンボの状態なんで(笑)。「全身、袖から爪先まで見てください」って紹介しておいてください。
■IA2ランキング5位西條悠人選手
たま:お話を伺うのははじめましてなんですよね。IAに上がって4年目でしたっけ、同期のライダーっていうと?
西條:同期はみんなやめちゃったんですよね(岸)桐我とか…(川上)龍司くんとか。IAに一緒に上がった中で今も走っているのは池田凌くんくらいですかね。俺と桐我と龍司くんは同い年で。中島漱也は(IAに上がるのが)1年遅れてきたんですけど彼も同い年で… 同じ時にあがった仲間っていうのがトップの方だとあまりいないんですよね。池田凌くんくらいですか。前は同い年がいて、同い年だと負けたくないっていう気持ちがおっきいんですごく良かったんですけど2人もいなくなるとけっこう寂しいですね…
たま:今シーズンの目標は?
西條:今年の目標はまずは1勝って決めてるんですけど、ウィルソンがあまりにも速くて、全部のレベルが高すぎて…。まともに戦ってもなかなか勝てないと思うんで、とりあえずスタート決めて、あとはどれだけ逃げれるかですよね。あと、抜かれても頑張ってついてって。
たま:ウィルソン選手がいるのはいい目標になってます?
西條:毎回刺激をもらっている気がしますね。僕はいつかアメリカ走りたくて。ずっとKawasakiできてるんで、今年は結果を残して、来年にファクトリーに入ってそのままアメリカに連れてってもらいたいなあって思ってます。
たま:走るならスーパークロスとアウトドアどっちでしょう?
西條:アウトドアですかね。ジャンプ好きなんで。スーパークロスも面白そうだとは思うんですけど、レースするんだったらまだアウトドアの方がレースになるかなって(笑)。スーパークロスは日本にコースがないんで難しいですよね。アメリカはレースいっこいっこがすっごい盛り上がってるんで、そのレースに出れるだけで楽しそうですね。
たま:アメリカに行ったことはあるんですか?
西條:横山遥希くんがネイションズに行った時に観戦に行ったのと、あと1回アメリカに練習しに行ってるんですよね。その時スーパークロスとかも見て、アナハイムとサンディエゴを観に行って、めちゃくちゃかっこよかったですね。
たま:自分がやってるスポーツがあんな風に華やかに開催されてるのを観ると憧れますよね。
西條:ほんとにかっこいいんで『うわあ、俺もああいう風になりたいな』って思いますね。ああいうところがホント日本とは違うんで、やっぱアメリカで走りたいですね。
たま:走りたいコースはどこでしょう?
西條:いやもうホント全部いいんでどこでも。
たまモト|2022 全日本モトクロス選手権 第3戦 SUGO大会直前スペシャル IA1編
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