レースビデオ&リザルト|2022 AMAモトクロス 第2戦 ハングタウン
【追加:リザルト雑感】
2022 AMAモトクロス 第2戦 ハングタウン(全12戦)、450MXクラスと250MXクラスのレースビデオ&リザルトをシェア。
会場はカリフォルニア州サクラメントのハングタウン。AMAモトクロスで最も歴史ある会場として知られるコース。レース日は、ほぼ曇り空で気温もさほど上がらずに絶好のレース日和。ギャップやワダチの多いタフなコースコンディションで熾烈なレースアクションが繰り広げられました。エンジョイ!
【450MX リザルト】
1. Jason Anderson (KAW), 1-3. – 意外ですが、プロデビューから12年目・92戦目にしてのAMAモトクロス総合初優勝達成。AMAモトクロス史上、74人目の450クラス優勝者に。開幕前から好調が囁かれていたアンダーソンがその実力を発揮。モト1で独走状態のセクストンをしぶとく追い詰めての逆転勝利とそれを可能にしたアグレッシブなセクション攻略は今大会のハイライト。モト2フィニッシュ後に総合順位が分からず、後にキャリア初総合優勝を知った姿が印象的でした。
2. Chase Sexton (HON), 2-2. – 両レース共に首位を明け渡す展開でしたが、ラインやペースを学んでフィニッシュまでには最接近する学習能力とフィジカルの強さは開幕戦の完全優勝がまぐれでなかったことを証明。勝利は逃したが、気迫を見せることができたと思うと語り、今後のタイトル争いに向けて力強いコメントが印象的。チームメイトのロクスンと異なるMXGPで使用されているサスペンションを採用していることも話題に。
3. Eli Tomac (YAM), 4-1. – プロデビュー戦初優勝達成した好相性の地で、ヤマハ移籍後のアウトドアではレース初勝利。膝の状態は完全ではなく柔軟性や踏ん張り効かない場面もあるそうですが、モト2でセクストンを追い詰めて逆転するまでの流れは好調時のトマックの凄みを存分に発揮。多くのライダーがモト2前にマシンセッティング変更を行っていた今大会、トマックもその一人でテクニカルなジャンプ等でライディングが改善されたとのこと。
4. Ken Roczen (HON), 3-4. – 荒れたコースコンディションにライディング、セッティング共にうまく対処できずに思うように結果は得られなかった語りました。周遅れの転倒に巻き込まれそうになる等、転倒寸前のミスもあったようで大きなポイントロスなく、ランキング2位キープで今大会を終えられたことには満足とコメント。両レース共にスタートから序盤のスピードは素晴らしいもののレース通してキープ出来ないのが難点。本格的に厳しい暑さが予想される東部連戦が始まる前に復活優勝が欲しいところ。
5. Christian Craig (YAM), 5-5. – アウトドアから450にマシンを乗り換えて健闘中のクレイグが今回もコンスタントなレース運び。上位4名からは離される展開もダンジーやカイローリ等のレジェンド復帰組以上の活躍を2戦連続披露。
6. Antonio Cairoli (KTM), 7-6. – MXGPの金網スタートに長年慣れ親しんできたカイローリにとって、AMAでのダートスタートは大きな課題と見られていましたが、モト2ではホールショット獲得! ジェフリー・ハーリングスを始めとするMXGPをからのAMA参戦ライダーの多くが語ってきたように、AMA勢のレース序盤のスピードとバトルに苦戦とコメント。久々にして初AMAレースとなった前戦からは、テストも行いマシンもフィジカルも改善されてきたと語りました。引退後にヨーロッパでテスト業務として乗ってきたマシンと今季AMAレース車のフレームの違いやとまどいもあったようです。
7. Ryan Dungey (KTM), 6-7. – 両レース共に好スタートから順位を落とす展開も序盤は上位で存在感示すバトルを披露。モト2に向けて行ったセッティング変更が裏目に…。調子は悪くないとのことでフィジカル的にも上向きとのこと。
8. Aaron Plessinger (KTM), 9-8. – 体調不良で挑んだ一戦。転倒やミスもあり集団に埋もれる結果に。ダンジー&カイローリの引退から復帰組のチームメイトに先を越されている厳しい状況。
9. Joseph Savatgy (KAW), 11-9. – 負傷欠場のアダム・シアンサルーロ代役としてカワサキファクトリー加入のサバッチーが今季AMAモトクロス初参戦。AMAスーパークロス期間中の膝のダメージによりマシンテスト不足とのことで開幕戦は欠場。今後調子を更に上げていくことが予想されます。今大会の目標は怪我なく久々の実戦に慣れることで結果には満足しているとコメント。
10. Justin Barcia (GAS), 10-11. – アウトドアではスタートから全く噛み合っていないバーシア。コースコンディションとマシンセッティングに対応できずに終えた一戦だったとのこと。
【450MX ポイントランキング 2 of 12】
1. Chase Sexton (HON), 94 points – 12点差とリードを拡大
2. Ken Roczen (HON), 82
3. Jason Anderson (KAW), 76 – ランキング3位浮上
4. Eli Tomac (YAM), 75
5. Christian Craig (YAM), 72
6. Ryan Dungey (KTM), 61
7. Antonio Cairoli (KTM), 55
8. Aaron Plessinger (KTM), 51
9. Justin Barcia (GAS), 46
10. Garrett Marchbanks (YAM), 42
【250MX リザルト】
1. Jett Lawrence (HON), 3-1. – インタビューやファンサービスをキャンセルするほどの体調不良に木曜日から襲われていたディフェンディングチャンピオン。モト2直前に嘔吐もあったほどの深刻さで苦しい一戦となりましたがこれ以上ないダメージコントロールに成功。実兄ハンターから風邪が感染したか?
2. Justin Cooper (YAM), 2-3. – 今季初レースとなった前戦では首位快走から大きくポジションダウンで長期欠場からの復帰戦の難しさを感じさせましたが、2戦目にして総合2位と本来のポテンシャルの高さを改めて証明。得意のスタートが続けば今季初優勝も近い将来期待できるはず。開幕戦後にマシンテストに励み、調子は上向きとのこと。
3. Hunter Lawrence (HON), 4-2. – 前戦同様に体調不良で迎えた一戦。兄弟対決も実現し、前に出る場面もありましたが、転倒…。両レース揃ってスタート出遅れからの追い上げレースでライディングには満足とコメント。
4. 下田 丈 (KAW), 5-4. – モト2、完全に勝てる流れでしたがギア抜けが原因で転倒。集団に埋もれてポジションアップが遅れたモト1は、腕上がりや転倒があったとのこと。オープニングラップにトップ5前後からのレース展開を進められれば、アウトドア初優勝も間近です。荒れた路面コンディションでの加速やトラクションの素晴らしさ、マシンの安定感は上位勢バトルの中でも輝いて見えました。下田選手に勝てるスピードがあることに驚きは全く感じないレベルのライダーに成長していますが、コンスタントに表彰台圏内での優勝争いの経験を重ねていくことで優勝の確率は更に高まっていくはず。ローレンス兄弟と並んでタイトル争いを繰り広げていくには、スピード以上の世界最高峰レベルでの優勝を懸けたバトルの経験値が必要となってくるはず。その日は遠くないでしょう!
5. Maximus Vohland (KTM), 7-5. – レッドブルKTM唯一の250ライダーがホームレースで今季ベストリザルト。負傷続きのAMAスーパークロスから調子を取り戻してきています。タロン・ボーランドを父に持ち、タイソン・ボーランドが叔父というMX一家期待の星。
6. Levi Kitchen (YAM), 6-6. -スタート出遅れる展開も開幕戦に続いて、フル参戦初年度のルーキーがコンスタントに上位リザルトを揃えてきています。
7. Seth Hammaker (KAW), 8-8. – 初ハングタウンでのレース。2戦連続で総合7位。両レースで8位と同順位ながら追い下げと転倒からの追い上げという内容。調子は上々とのこと。
8. Michael Mosiman (GAS), 1-39. – ホームレースでAMAモトクロス、レース初優勝達成! 他を圧倒するスピードで首位浮上後は独走状態を築き上げました。モト1のスピードならピンピン完全優勝も夢ではありませんでしたが、自らの転倒によりハンドルを大きく曲げてリタイア…。今季AMAスーパークロスでも初優勝を飾っており、ダークホース的にレースを盛り上げる存在となりそう。課題の不安定なレースを克服出来るか?
9. Stilez Robertson (HQV), 11-7. – 来季スターレーシングヤマハへの移籍が噂されているロバートソン。持ち前の好スタートが影を潜めていますが、しぶとくトップ10入り。
10. Nicholas Romano (YAM), 10-9. – アウトドアからプロデビュー果たしたスターレーシングヤマハの大型新人。両レース共に好スタートから序盤の上位走行で存在感アピール。新人らしい勢いが開幕戦から目を引きます。
【250MX ポイントランキング 2 of 12】
1. Jett Lawrence (HON), 95 points – 11点差にリードを拡大
2. Hunter Lawrence (HON), 84
3. 下田 丈 (KAW), 72 – ランキング3位キープ
4. Justin Cooper (YAM), 60
5. Levi Kitchen (YAM), 59
6. Michael Mosiman (GAS), 55
7. Seth Hammaker (KAW), 55
8. Maximus Vohland (KTM), 50
9. Stilez Robertson (HUS), 45
10. Pierce Brown (GAS), 39
レースビデオ&リザルト|2022 AMAモトクロス 開幕戦 フォックスレースウェイ
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