レースビデオ&リザルト|2021 モトクロス・オブ・ネイションズ イタリア大会 マントバ
【追加:リザルト雑感】
イタリア、ロンバルディア州のマントバで開催された国別対抗世界選手権「2021 モトクロス・オブ・ネイションズ」決勝日のレースビデオ&リザルトをシェア。新型コロナウイルス感染症の影響により2年ぶりの開催。モトクロスのオリンピックとも称される一大イベントです。
天候は雷を伴う雨、気温25度。中止となった2020年を挟み、4大会連続で降雨の影響受けた難コンディションでのネイションズ。全3レースで国の威信をかけた緊張感ある上位バトルが展開されました。
ハードサンドと呼ばれる、サンドコースに所々でのぞく硬質路面のGP格式のコースとしては比較的タイトなコースレイアウトが特徴。降雨による水分を多く含んだサンドコースは水たまり、ワダチ、沼地のような軟質部、水分を含むことで逆に固く締まった部分もあり、ライダーにもマシンにも過酷な難コンディション。レースラインやパッシングポイントも限られ、スタート順位が大変重要な一戦に。
ドラマ、波乱、サプライズ満載の今年度大会ネイションズ、エンジョイ!
【レース1 リザルト(MXGP, MX2)】
1. Thomas Kjer Olsen (DEN, Husqvarna), 35:32.712
2. Tom Vialle (FRA, KTM), +0:01.476
3. Ben Watson (GBR, Yamaha), +0:04.751
4. Arnaud Tonus (SUI, Yamaha), +0:33.115
5. Mattia Guadagnini (ITA, KTM), +0:33.789
6. Cyril Genot (BEL, KTM), +0:41.608
7. Vsevolod Brylyakov (MFR, Honda), +0:42.832
8. Rene Hofer (AUT, KTM), +0:47.009
9. Benoit Paturel (FRA, Honda), +0:52.042
10. Karlis Sabulis (LAT, Husqvarna), +1:07.752
スタート直後に優勝候補国のカイローリ(イタリア)とコールデンホフ(オランダ)が接触転倒。最後尾からのレースとなる波乱の幕開け。450ステップアップ後の初優勝をオルセン(デンマーク)がネイションズという大舞台で達成。MX2クラスのビアル(フランス)は序盤に転倒喫するも450マシンを凌ぐタイムで首位のオルセンに迫るも惜しくも届かずに2位(MX2クラス最上位)。予選から好調のワトソン(イギリス)が安定したライディングで3位フィニッシュ。ビアルとパトゥレルが揃ってトップ10入り果たしたフランスがレース1終了時点で総合首位。
カイローリの追い上げは21位、コールデンホフは15位とマディでパッシングポイント少ないコースに大苦戦。波乱の幕開けとなりました。
【レース2 リザルト(MX2, Open)】
1. Jeffrey Herlings (NED, KTM), 34:33.811
2. Valentin Guillod (SUI, Yamaha), +0:49.117
3. Rene Hofer (AUT, KTM), +0:50.463
4. Brent Van doninck (BEL, Yamaha), +0:59.303
5. Henry Jacobi (GER, Honda), +1:09.370
6. Mattia Guadagnini (ITA, KTM), +1:19.682
7. Alessandro Lupino (ITA, KTM), +1:22.312
8. Isak Gifting (SWE, GASGAS), +1:23.152
9. Arminas Jasikonis (LTU, Husqvarna), +1:45.469
10. Evgeny Bobryshev (MFR, Husqvarna), +1:56.140
MXGPシリーズ最高峰クラス、MXGPクラスで新ポイントリーダー浮上直後の絶好調ハーリングス(オランダ)が全ラップ首位で圧勝。他のライバルよりも約2〜3秒速いラップタイムで大量リードを築き上げての独走勝利。2位にホールショットからコンスタントに走りきったギヨー(スイス)。3位には、MX2クラスのホファー(オーストリア)が健闘。ホファーはこの順位により、MX2クラス個人優勝を手にしました。
レース2終了時の総合順位では、首位イタリアに僅か1点差でベルギーが続く展開で最終レースを迎えることになりました。フランスはビアルのマシントラブルによるリタイアで一転厳しい状況へ…。
【レース3 リザルト(MXGP, Open)】
1. Jeffrey Herlings (NED, KTM), 36:25.997
2. Antonio Cairoli (ITA, KTM), +0:55.480
3. Glenn Coldenhoff (NED, Yamaha), +1:03.943
4. Ben Watson (GBR, Yamaha), +1:07.886
5. Evgeny Bobryshev (MFR, Husqvarna), +1:44.958
6. Shaun Simpson (GBR, KTM), +1:51.152
7. Vsevolod Brylyakov (MFR, Honda), +1:57.546
8. Karlis Sabulis (LAT, Husqvarna), +1:59.052
9. Mathys Boisrame (FRA, Kawasaki), +2:03.104
10. Ken Bengtson (SWE, Husqvarna), +2:04.321
ホールショットは逃すもののハーリングスがこのレースでもオープニングラップから全ラップ首位で快勝。55秒以上の大差でひとり別次元のライディングを披露。このレースを総合得点首位で迎えた地元イタリアチームのエース、カイローリはミスもありましたが、2位を死守。しかし、スタート直後の接触によるコースカットでルピーノ(イタリア)にレース中の中継画面にペナルティ審議中の表示からの「10順位降格」のペナルティが確定。転倒ありながらもしぶとく順位を挙げたルピーノはペナルティ後の17位を記録し、僅か1点差という僅差でイタリアチームが自国開催ネイションズで優勝。コールデンホフは単独走行で3位。
ハーリングスは文句なしにオープンクラス個人優勝、ピンピンでの個人優勝は。MXGPクラス個人優勝はコンスタントにリザルトを揃え、イギリスチームの表彰台登壇に大きく貢献したワトソン。今季MXGPクラスにステップアップしたばかりのワトソンは、ネイションズという舞台ではありますが、MXGPクラス初優勝。
【国別対抗総合結果】
1. イタリア 37 points
2. オランダ 38
3. イギリス 39
4. MFR(ロシア)44
5. フランス 50
6. ベルギー 74
7. エストニア 78
8. スイス 80
9. オーストリア 82
10. デンマーク 84
2002年以来、3度目のネイションズ優勝果たしたイタリア。ルピーノのペナルティにより、過去に例を見ないドラマチックな展開となった今年度大会。今季限りで引退表明のカイローリにとっては、悲願・涙のネイションズ初制覇を地元イタリアで果たしました。2位オランダは、負傷復帰直後のMX2クラスのムースダイクがブレーキで連覇ならず…も、5大会連続表彰台登壇を果たしています。3位イギリスは実力と層の厚さと見せつける健闘で、4大会連続で表彰台登壇。
Ray Archer