たまモト特別編|小川孝平選手にクラウドファンディングについて聞いてみたよ

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【小川孝平選手にクラウドファンディングについて聞いてみたよ】

1月半ば、小川選手のマネージャー上嶋さんから「小川がクラウドファンディングに挑戦いたします。よろしければ応援をお願いできないでしょうか?」というご連絡をいただきました。プライベートライダーの活動資金調達についてはレースをおっかけ始めた頃から、ずっと気になっていましたし、「いつか誰かがクラウドファンディングという方法にチャレンジするんじゃないか」と予想はしていました。ただ、どちらかというと内向的な性格だと思っていた小川選手がその方法を選ぶとは…正直意外でした。

 

クラウドファンディングの目標額は、100万円。開始は1月28日で、3月28日23時までに100%集まった場合のみ成立する「All or nothing方式」。告知が開始された時には、えかきやもSNS等で拡散を手伝わせていただきました。予想以上に快調な出足で早々と50%以上に到達し、告知から1ヶ月経った現在、74%に達しています。

 

そんな状況を見守りつつ、小川選手がなぜこの方法に到ったのか、また、常日頃から気になっていたプライベーターの活動資金について等、伺ってみたくなり小川選手とプロジェクトの仕掛人であり小川選手のマネージャー上嶋さんにインタビューをお願いしました。

 

まずはプロジェクトの仕掛人、上嶋さんに経緯を伺いました。

 

■上嶋翔太さんインタビュー

たま:まず、上嶋さんと小川選手のご関係を伺いたいんですけど。

上嶋:私自身もIBまでライダーをやってまして。始めた当初、私が8歳くらいの時に地元の塩尻モータースポーツランドで練習をしていたら小川孝平が走りにきて、そこで知り合って以来の仲ですね。

たま:小さい時から一緒に走ってらしたんですね! 同じくらいの年齢ですか?

上嶋:小川が2歳下ですね。小川のレースデビューも私から誘ってキッズスーパークロスとか中津川の草レースとかに「一緒に出ようよ」って連れて行ってました。20歳の時に全日本を追うのをやめたんですけど5年前くらいからまたやろうかなと思って、NAからやりなおして、今はまたIBに戻ったところです。仕事が忙しいので全日本は回ってないですけど。

たま:ご自分が走られない分、小川選手をサポートしたい… みたいな感じでしょうか?

上嶋:そうですね。2年前に大怪我をして走らなかった時に小川の練習の手伝いなどをしまして、その時に彼の練習の取り組み方だとかを側で見て「あ、このコはこんなに厳しい状態なのにがんばってるんだな」とサポートしたい気持ちが高まっていきまして。

たま:それで今シーズンからマネージメントを買って出られたと?

上嶋:そうですね。本業があるので休みの日や仕事が終わってからの活動にはなるんですが。ボランティアという形でできる限りサポートしていこうかなと。

たま:そうやってパートナーになられて、資金の話になってクラウドファンディングで資金調達という案は上嶋さんのほうから出されたお話ですか?

上嶋:そうですね。昨年の初めから「やった方がいいんじゃないかな」と思ってはいたんですが、モトクロス界でやった例もなくてあまりメディアに出ていないスポーツなのに集まるのかなとか…いろいろと不安があったのでためらっていたんです。ですが調べて行くうちに「意外とモトクロスにニーズがあってるんじゃないか」って思い始めまして。それで去年の12月くらいに本格的に計画を立て始めて今回1月末にスタートさせられる形になりました。

たま:なるほど。上嶋さんは実務が得意なタイプでいらっしゃる?

上嶋:元々、長野県のスポーツ系のフリーペーパーの仕事をしていた時期がありまして。そのときの経験が活かされているのかなと思います。

たま:100万という金額の設定も上嶋さんが考えられたんですか?

上嶋:私が設定しました。モトクロス界で余り大きく出るのは不安でもあったのでまずは100万が目安かなと。

たま:実は今回記事にさせていただこうと思った理由のひとつに、これが成功したら「資金集めのひとつのパターン」として使えるようになるのではと思ったんですよ。それはプライベーターの皆さんにとって重要な事だと思うし、資金というものについていろんな方に意識してもらうチャンスなんじゃないかと。

上嶋:そうですね。私自身も小川の資金集めがきっかけではあったんですが、いろいろやっていくうちにモトクロス界で何が課題なのかというのもみえてきたんです。他のスポーツに比べてメディアの露出が少ないことも課題のひとつなんですが、この資金集めが注目される事でモトクロスがどんなスポーツで小川がどんな選手だかを知っていただく事に繋がるかなとか。試行錯誤ではあるんですが、今迄資金難で諦めて行くライダーもたくさん見ているので、新しい資金集めの方法としてサンプルみたいな形が出来ればとも思っています。今後、これに続きたい人は自分の所に問い合わせていただけば具体的なアドバイスもできると思うので、ちょっとは力になれるかなと。

たま:自分だけじゃなく、後進にフィードバックされる姿勢がすばらしいですね。そして上嶋さんのような形でサポートして下さる方がいるのは小川選手にとって心強い事だと思います。

上嶋:スポーツマガジンで働いている時に知ったんですけど他の競技では公にしていないだけでマネージメントっていう制度が意外とあるんですよね。それを知った時に「これ、モトクロスにはないなあ」と思って。でも、孝平に聞いたら最近はモトクロスにもちょくちょくそういう人がいるということだったんで「じゃあチャンピオン争いをしてるんだからお前にもいなきゃなあ」って言って自分がやらせてもらうことになりました。

たま:わあ、すごくいいお話を聞いた気がします

上嶋:ありがとうございます。

 

写真提供:上嶋翔太

 

続いて小川選手のインタビュー。クラウドファンディングに到る経緯もですが、小川選手の活動資金そのものについてやレース活動に必要な練習の話など、かなり突っ込んだ質問にもしっかりと応えてくださいました。

 

■小川孝平選手インタビュー

『クラウドファンディング案に到る迄の経緯』

たま:上嶋さんにお話をうかがいました。マネージャーでいらっしゃるんですね。

小川:そうですねマネージメントしてもらってます。

たま:なんかね、いいなあって思いました。例えば小島選手みたいに会社組織にしているライダーにマネージャー的な方がつくことはあっても、プライベーターのライダーに同じ目線でパートナーとして助けてくれる方がつくというのはまたちょっと違うので… 二人三脚感があって、新しい形かなと思いました。で、クラウドファンディングに関しては、ほぼほぼ彼の思いつきなんですね?

小川:そうですね。僕はほぼ彼に任せてしまったので。去年の暮れくらいにその話が出て…。そもそもは『スポンサー探しが難しいんだよね』って話をしてて、(上嶋)翔太君は地元のフリーペーパーの仕事をしていた時にそこでスポンサー集め的なことをしていたので『手伝うよ』って言ってくれたんです。それがマネージャーをしてくれることになった始まりです。

たま:なるほどそういう経緯でしたか。上嶋さんに伺ったんですが、彼もB級で走ってらしたんですよね… 今も走ってるのかな?だから大変さがよくわかるみたいな…

小川:今も走ってます。そうですね、僕たち地元が一緒で小さい頃から一緒に走ってて… 彼もずっとプライベーターでやっていたんで。

たま:資金の話っていうのは、ものすごくぶっちゃけて相談したんですか?

小川:そうですね。現状をぶっちゃけましたね。

たま:経験上、全日本を戦うのに具体的にこのくらいかかって、今の環境だと厳しいんだよ…みたいな話をされたのかな?

小川:そうですね、そんな感じです。

たま:今迄お付き合いのあったスポンサーさんとは、小川君がご自身でお願いして回ってたわけでしょう? それにプラスアルファの部分を上嶋さんがクラウドファンディングで集めようと言ってくれた… みたいな流れですか?

小川:そうですね。上嶋君がフリーペーパーの仕事でスポンサー集めをしていた時についでに僕の事もアピールしてくれてて、モトクロス以外の企業からのスポンサーを集められないかっていう話になったんです。モトクロス業界のスポンサーって決まってるじゃないですか? メーカーやパーツ関係、ウエア関係の企業さんで僕自身が回ってお願いできるんです。ただ、そういうスポンサーさんは現物でのサポートなので… 資金面をお願いするのは難しいんですよね。資金面のサポートを探すってなると… 小島(庸平)さんみたいに動けたらいいんですけど、僕にはそういうノウハウはないですし。一からってなると… 開発の仕事をやっているので、時間的にも厳しくてなかなか動けなくて。そういう部分を誰かに頼りたいなと思っていた所に翔太君が「やるよ」って言ってくれたんです。クラウドファンディングもひとつのツールとして「こういうのがあるからやってみよう」っていう。なんていうかチャレンジの気持ちで。わかりますか?

たま:わかります。実はクラウドファンディングについては誰かがいつかやるだろうと予想してたんですけど、小川君がっていうのは正直意外で… ライダーってそういうことを自分でやれるタイプと走るのに専念したい… 発信とか交渉とかあまり得意じゃないのでできる事なら誰かに助けてほしいタイプがいると思うんだけど… どちらかといえば小川君は後者だろうなと。なので、今回の話を聞いて小川選手には上嶋君という良いパートナーが見つかってよかったなと思ったんです。

小川:そうですね。

たま:これ、うまいこと成功したら同じように資金面で困ってる選手や、今は親御さんのお金で走って資金についてあまり意識していない若い選手が、お金について考えるいいきっかけになると思うんです。将来的にそういう選手の役に立つかもしれないって上嶋君は考えていたんですって。

小川:ほーーー!なるほど。

たま:小川君はそこまでは考えてなかったんだ?(笑)

小川:僕はそのへんまでは考えてなかったですね(笑)まかせっぱなしで…。実はこのインタビューでどこ迄話していいのかを確認するために仕事先(小川選手はKawasakiの開発のお仕事をしています)に電話したんですけど、その時に(クラウドファンディングの事などを話したら)「お前自身のことなんだから、ちゃんとお前も知っとかなあかんやろう」っていわれました(苦笑)。ので遅ればせながら今勉強中です。その方には文章についても、もっと変えた方がいいとか言ってもらえました。

たま:そういうのちゃんと言ってもらえるってありがたいですね。

小川:そうですね。

たま:文章力はこれから上に上がっていくとますます必要になってきますもんね。でも小川君は文章力がないわけじゃないし、クレバーな方なので大丈夫かなと思いますけど。あとは経験値ですかね?

小川:や、やる気がないだけです(笑)やろうと思えばできるんですけどね。

たま:そうでしたかー(笑)でもこれからはやる気を起こさなきゃいけなくなっちゃいましたね。

小川:はい(笑)

 

pc: hillofoto

 

『活動資金って実際、どんな感じなの?』

たま:具体的な金額迄は伺うつもりはないんですけど、小川選手がプライベーターとして全日本に参戦している状況ってどんな感じかというのを伺っていいですか?

小川:はい

たま:先程もちょっと触れた「開発のお仕事」をされていてそこからギャランティが出るわけですよね? でも、それだけで生活できるものなの?

小川:実は今年から契約が変わったので…今年の状況はまだわかんないんですよ。去年の契約はKMJとの契約金が出ていてそれプラス勝つと賞金があります。その他にKawasakiさんとダンロップさんのテストの仕事もさせていただいてて。去年はその二つのテストを掛け持ちするカンジでしたね。今年は… どのくらい稼げるのか… どうなんでしょうね?

たま:具体的な金額は年末にならないとわかんないですよね(笑)小川選手の場合は契約金+賞金、それにそういうメーカーのテストライドのお仕事が、ほぼほぼ1年の収入… ってことですよね?他にお仕事はされてないでしょ?

小川:はい

たま:そういうテストの仕事をされていると、それとレースの準備と練習と移動とレースで日々が埋まってしまうから他のお仕事はできないですもんね。

小川:できないですね。

たま:バイクに乗って稼いではいるけれども、生活にかかるお金とレース活動のためのお金を… 満足いく金額を稼げているとは言い難い?

小川:そうですね。

たま:資金に関してはそういうレベルの人達が… IA1、IA2どちらのクラスでも一握りのトップグループ… ファクトリーじゃない限り、ほぼほぼそんな感じですよね。

小川:そうだと思いますね。実家が金持ちだったりすると違うんでしょうけど(苦笑)じゃなきゃできないです、ほんとに。

たま:小川君はバイクは家に置けるの?

小川:実家に置いてます。

たま:そっか。で、メカニックはお父様がなさってるから…

小川:そこらへんはまだ助かってますね。メカニックに払うお金がかからないし、住んでいる所と実家が同じ市内なんでバイクも実家に置けますし。

たま:ただ「チャンピオンを狙う」ライダーとしては決して十分な環境ではないですよね。資金面にしろ…。

小川:そうですね。資金面もですが環境がまず… 難しいですね。そこは言ってもどうにもならないんですけども。

 

『仕事で乗るのとレースの練習とは違う』

たま:バイクは練習車と本番車の2台?

小川:はい。去年2台あったうちの1台と新車が1台。19を本番車にして、去年の本番車が今年の練習車になる感じで。僕の場合乗ってる時間が少ないんで、バイクは壊れてないんです。

たま:ああ、練習する時間が少なかったから…

小川:そうなんです。去年は練習車のほうが痛んでないんですね。オヤジ(メカニック)が「こんなピカピカのまま返すの初めてだよ」って言ってました(苦笑)。

たま:それは切ないですね。ほんとは練習車がボロボロになるくらい練習できるのがベストですもんね。

小川:だいたい本番車と練習車だとフレームの剛性落ちは練習車の方が落ちてるもんなんですけど、それが去年は全くなくて「どっちに乗っても一緒だな」っていう…。去年は本番車も練習車もピッカピカでしたよ(苦笑)

たま:仕事でテストで乗るのと自分の練習で乗るのは違いますもんね。

小川:そうですね。そこを勘違いしてる人はけっこう多くて「仕事でテストをやってる」って言うと「バイクに乗れるからいいじゃん」って言われるんですけど、開発で乗る場合は練習にはならないんです。

たま:仕事としてバイクありきで乗るものだから自分のために乗るわけじゃないですもんね。

小川:そうですね。開発するために乗るわけで練習ではないので… そこが説明するの面倒くさくて、いつもは「ああ、そうですね…」って言っちゃうんですけど(苦笑)。

 

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『ふたたびクラウドファンディングについて』

たま:びっくりしたんですけど、開始してすぐに半分くらい行ってるんですね!

小川:びっくりしました。何がびっくりしたって、20万円入れてくれた人がいた事にびっくりしました。あれ、自分で金額を決めて入れるんじゃないんですね、こちらが金額を設定してから選んで入れてもらうんですね。それも最近勉強して知りました。

たま:あれは、お買い物感覚でポチれるのがいいのかもしれませんね。自分で金額を決めるとなるとご祝儀の額ひとつにも悩む日本人だけど、最初から金額の決まっていれば自分が出せる金額を選ぶだけでいいわけだから。そういう意味でクラウドファンディングっていうのは、いいアイディアだと思いますよ。

小川:なるほど。

たま:例えば小川君に興味をもってくださって「お金出してもいいよ」というスポンサーがいらしたとして金額の交渉をしなくてはいけなくなった場合「この位お願いします」っていう金額はどうやって提示しますか?

小川:僕はたぶん… 遠征費から出していきますね。「遠征費にいくらかかるんです」って伝えてそこからお願いすると思います。かかる費用の中で具体的に遠征費が一番高いじゃないですか。そこから徐々にエントリー費だとかメカ代だとか宿泊費だとか細かく出して交渉するかなと思います。一番かかるのがこれで、次にかかるのはこれで次がこれです… みたいな。僕はそう行くと思いますね。やったことないですけど(笑)

たま:シミュレーションとしてね。

小川:はい(笑)

たま:今回の場合は企業やショップじゃなく一般のお客さんが参加できるというのが大きいですね。

小川:そうですね。

たま:1口3000円がけっこうな数入ってたじゃないですか? 3000円だったら出そうかなって思いますもんね。

小川:そうですか?じゃあ1口こっそり出してくれてもいいですよ(笑)

たま:おおお…(笑)

 

『最終戦の話』

たま:クラウドファンディングに協力して下さる方を増やす為に、小川選手の人となりを伝える話も少ししようと思うんですけど。去年の最終戦「プライベーターでも勝てる所を見せたかった」って悔しがってらしたじゃないですか?

小川:プライベーターってざっくり言ったんですけど、まあ(古賀)太基もプライベーターじゃないですか? ただ、あそこは(かかっている資金の)額が違うんで、日本で言うプライベーターとはちょっと違うと思うんですよ。独自のワークスみたいな感じじゃないですか。なので、あれはちょっと置いておいて。僕が言っているのは「練習にいっぱい自由に時間が使えて、思いのままに練習できているヤツには負けたくない」っていうのがあったんですね。一昨年までは僕もそういう風にやってたんですけど、去年は体制的に思うように練習ができなかったので… あるじゃないですか、自分にできないことをやってると腹立たしいっていう…。それだけなんですけど。

たま:赤裸裸っていうか、うん、正直ですね(笑)

小川:特に夏のインターバル空いてた時に、太基ものーちー(能塚選手)もアメリカに行ってたじゃないですか。僕あんまりインスタとか観ないんですけど開いたらだいたいアメリカ(の写真)なんですよ。それにすごい腹が立って。

たま:悔しかったのね。

小川:はい。こっちは仕事してて土日に練習できるかもわかんないくらいの状況なのに… って思って。それで藤沢大会は彼らが帰ってきてからすぐのレースだったと思うんですけど、僕はレースの一週間前くらいにやっと練習できたくらいで。その練習量なのに彼らに勝ったらぜったい俺かっこいいと思って。

たま:たしかにかっこいい(笑)

小川:…ていうのもあって勝てたんじゃないかなと思ってるんですけど。

たま:悔しさをバネに精神的なブースターみたいな?

小川:そうですね。そういうのがあったんで「練習にしっかり時間が割けるヤツに負けたくない」って思ってたんだけど、結局(最終戦では)負けちゃったので悔しい…って思っての発言だったんですけどね。

たま:そこは無い物ねだりとか隣の芝生は青いとかって話なんだけど、共感もされるとは思いますね。だって練習に十分な時間を割ける人ってほんとに一握りだと思うから。

小川:そうですね。

 

『クラウドファンディングで集まった資金の遣い道』

たま:そういう環境で戦って、それでも勝つっていうのは応援し甲斐もあるし共感も集めると思います… というのを踏まえての今シーズン。

小川:メンバー的には僕がチャンピオンを獲れないとアレなんで。

たま:IA2では(古賀)太基君はアメリカ、ちーくん(能塚)はヨーロッパに行ってしまうので、メンバー的には小川君がチャンピオンを獲らないと嘘だろうっていう状況だと?

小川:そうです。でも、そんな中… 若手の子達も伸びてきてる中で僕が練習できないっていうのが結局はあるので。そう、ここでクラウドファンディングで集まった資金の話になるんですけど。去年、1年間、(セッティングを)煮詰める事ができなかったのがエンジンなんです。時間がなかったのもあるんですけどパーツをあんまり買えなかったというのもあって。なのでクラウドファンディングで集まった資金をパーツ代に回したいというのがあるんですね。今年もあんまり練習ができないと思うので少しでも速いバイクを作りたい。速いバイクっていうよりは自分に合ったバイクですね。自分に合ったセッティングのマシンをつくりたいってことです。

たま:そのためには資金が欲しい。資金があればあるだけセッティングの自由度も上がりますもんね。

小川:そうです。

たま:パーツが潤沢にあれば、ああじゃないこうじゃないって試せますもんね。

小川:そういうことです。

たま:去年はそれができなかった。そこを打開する為のクラウドファンディングということなんですね。

小川:そうです。

たま:ここまでお話を伺うと、なんとか資金を集めて勝ってほしいなぁって思いますよ。

小川:勝ったら絵を描いてくださいね!

たま:わかりました!

 

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というわけで、普段なかなかできないお金の話を、これまた普段なかなか多くを語らない小川選手が赤裸裸に明かしてくださった今回のインタビュー。彼のクレバーでちょっとシニカルなキャラクターや見かけによらず負けず嫌いな所、そして昨年IA2ランキング3位の成績を残しながらも決して恵まれているとはいえない、だからこそ応援したくなる環境についてなど、読み取っていただけたら嬉しく思います。

 

今回のインタビューのきっかけとなったクラウドファンディングの締め切りまで残り日数は1ヶ月を切りました。この記事を読んで「小川選手って面白いな」「小川選手を応援したいな」と思ってくださった方、クラウドファンディングに興味を持たれた方は下記にアクセスしてみてください。

 

今シーズンこそ、長年の夢だったチャンピオンを目指す! – クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)


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