たまモト特別編|「ナイトロ・サーカス」10周年記念日本公演 (vol.2)

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前回のツアー(2015年2月)から2年ぶり、モトクロス界のスーパースター、トラビスパストラーナ率いるナイトロ・サーカスが10周年ワールドツアー日本公演として2月19日〜20日東京ドーム、2月25〜26日京セラ大阪ドームにて開催されました。ナイトロサーカスの目玉ともいえるFMXには東野貴行、鈴木大助、渡辺元樹という世界を股にかけて活躍する日本人ライダーが出場。ナイトロレギュラーメンバーに遜色のない活躍で日本のファンを熱狂させてくれました。FMXファンの皆さんの為、また今回のツアーで初めて彼らを知ってファンになってくだすった方の為、この3人の日本人ライダーと今回まさかのナイトロデビューを果たしたシンデレラボーイにお話を伺ってきました。

 

たまモト特別編|「ナイトロ・サーカス」10周年記念日本公演 (vol.1)

東野選手の次にテーブルに来てもらったのは渡辺元樹選手。数年前の大阪城X-Fightersの頃には「まだまだ責め切れていない」と東野君にダメ出しをされていた若手筆頭も今や世界のショーを舞台に活躍するFMX日本代表の1人に。彼もまた前回のナイトロに続いての出演になります。

 

日本のFMX界きってのイケメンさん。優しげな顔立ちと裏腹に中身はゴリゴリに気合いが入ってます(笑)

 

  • 渡辺元樹

「ナイトロサーカスというでっかいショーのテンションを借りて自分の持っている技を今まで以上のものとして出したいです」

 

たま:東京2日間こなされての感想を。

元樹:初日は日曜日という事でお客さんがすっごい来てて僕の調子は初日ってことでそこそこだったんですけど、なんとなくできたかなみたいなカンジで終って…わ!

 

#ここでトラビスがちょっかいを出しにきた。笑っていなす元樹君。すごい贅沢な光景でした(笑)

 

元樹:えー、それで、次の月曜日…今日はかなり調子良く、絶好調で終れましたね。日曜日も楽しかったんですけど今日の方は自分の肩の荷が下りたカンジがして。すごい楽しく全てのトリックを出し切れたし、ライダーも2日目という事で調子良かったんでサイコーに楽しめましたね。

 

 

たま:お客さんのノリもよかったですよね。

元樹:そうですね。東京公演は2年前もかなり反応が良かったんですよ。大阪の京セラドームよりも東京ドームの方がサイズが大きいっていうこともあって、お客さんのノリも全開だった気がします。今回も皆さん絶好調で大盛り上がりでしたし。あと、2日目の今日は開始が夜の7時からっていうこともあってテンション高かったんでしょうね(笑)

たま:会社帰りのスーツ着たサラリーマンもいらっしゃいましたよ。

元樹:わあ!そこまでして来てくれたんですね!ありがたいですねえ。

たま:そして来週(2/25-26)は大阪。

元樹:地元大阪ですし、オーストラリアのランプにも慣れて来たってことで土曜日から全開で行きます。このナイトロサーカスというでっかいショーのテンションを借りて自分の持っている技を今まで以上のものとして出したいですね。僕、練習とかだとけっこう攻めてるんですけどなんか「そこまで」なんですよ。「頑張って攻めてる」どまりで。先輩のTAKAちゃん(東野)とかは練習のときでも全部の技を…カリフォルニアロール(大阪城X-Fightersで披露した東の独自のトリック)まで全て出すんですけど、僕は結構波があって良い時は良いけど何かのきっかけでちょっとでもテンションが下がったら大きな技を出せなくなるんですよ。こういう日本のショー、海外のショー、ナイトロサーカスやったら120%くらいで出せるんで、大阪公演は全開で出せると思うんですよ。がんばります!!

 

 

#ここで東野君乱入。

 

東野:なんやお前マイクそんなに近くに持って演歌でも歌うんか?

元樹:おう、歌うで〜!(笑)

たま:今、東野君来たからあわてて話をまとめようとしましたね(笑)

元樹:もうね、めっちゃ弄られますからね。めんどくさいんですよ。いつもいじめられまくりですよ!厳しい!!(嬉しそう)

 

長い手足と身体のしなやかさを活かした美しいトリックが元樹の持ち味。FMX界ではあまり見かけないKAWASAKIのマシン、ライムグリーンのフェンダーを覚えてしまえば初心者でもすぐ見分けられます。

 

たま:それでは最後にこれからのご予定を

元樹:2月末のナイトロ大阪公演が終ったあとの3月は僕、茨城の774コンパウンドで練習させてもらうんです。その後、僕が日本でやるショーは直近だと3月の末に九州のCROSS FIVE FUKUOKA[3/26 福岡県福津市恋の浦ガーデン(終了)]ですね。今年、日本の(ローカル)イベントの一発目として出ることになってて、その次は5月の中頃にCHIMERA GAMES Vol.3 ODAIBA TOKYO[5/20-21 東京お台場]に出る事になってます。今回のナイトロで僕を知った人や僕のファンになってくれた方はそちらのイベントに来てもらえればいいかなと。ぜひぜひ会いに来て下さい!それ以降はけっこうヨーロッパのショーが続くので、5月恒例の鮫川(FMX IN SAMEGAWA)にも出られるかちょっとわかんないんです。まだinviteをもらってないんで…ですから3月の九州と5月のお台場にはぜひ会いに来てほしいですね。後のスケジュールは…僕のインスタグラムをチェックしてくださいってカンジですかね。以上、北島三郎でした。歌うでぇ〜〜(笑)

 

 

さて、本来ならここで日本人出場選手のインタビューは終わりの予定だったのですが、先の東野君のインタビューでも語られていた通り、この日突然にナイトロサーカスデビューが決まったというシンデレラボーイ江原大空選手にお話を聞かないテはあるまい。ということで、振って湧いた幸運にまだどこか実感が湧いていない様子の江原君に感想を伺いました。

 

先輩であり今回のシンデレラストーリーの大恩人、東野TAKAとツーショット。ちょっと笑顔がこわばってるのは緊張のせい?

 

  • 江原大空

「今日見れた光景で人生変わると思うんで、もっと自分に厳しく挑戦して行きたいです」

 

たま:今回は大抜擢でしたが…

大空:はい、びっくりです。

たま:今朝起きた時には今夜自分がこんなところにいるとは…(笑)

大空:そうなんですよ!

たま:今日の昼間はふつーに学校に行ってらしたんですよね?

大空:はい、午前中に出なきゃいけない授業があってそれに出て昼に帰宅して疲れて寝てたんです。そしたら東野TAKA君から電話があって…。最初目覚ましが鳴ってるんだと思って無視してたんですけど次もけっこう長く鳴らしてくれたんで出たらTAKA君で。「お前、バイク持ってすぐ来れるか?」って言われて。調べたら家から45分だったんで、あわててモトクロスウエア着て車に乗って東京ドームに向かいました。

たま:私服を着ずにウエアで行ったんですか?(笑)

大空:そうなんです。あわててたんで私服も忘れて(笑)

たま:たしかにいきなりそんな電話もらっても咄嗟に何の事かわからないかもしれないですよね(笑)

大空:そう!そうなんですよ!わけわかんなかったです(笑)でも、出られてサイコーでしたね。ムービースターが目の前に居る状態なんで。次は実力で出られたらなって思いましたね。いい経験をさせてもらいました。

たま:実際拝見してて他のライダーと比べても少しも遜色なくトリックも綺麗に決まってましたよ。正直、いきなり飛ぶ事になったって聞いてたのでひとりだけ見劣りするようなことになったらどうしようってこちらで勝手にどきどきしてたんですけど、他のライダーに混じって飛んでいるのを見ても遜色なさ過ぎてどれが大空君か咄嗟にはわかりませんでしたよ。

大空:ほんとですか?!嬉しいです。ありがたいです。TAKA君にはほんとにお世話になってるんで、TAKA君を越えるまで挑戦し続けたいですね。

たま:兄弟でがんばってほしいです

大空:そうですね、兄貴(大地)と2人で行きたいです

たま:お兄ちゃんは今オーストラリアに行ってるんでしたっけ?

大空:そうです。4月まで行ってるんで。ナイトロ出るってなって会場にいる間もずっとLINEでやりとりしてたんですけど「お前ずるいぞ!」って(笑)

たま:悔しがってたでしょう?(笑)

大空:はい。悔しがってました(笑)

たま:きっと、俺が日本にいれば…って思ってらしたんでしょうね(笑)

大空:ですね。

 

 

#ここで再び東野君登場。

 

東野:もしかして大空も北島三郎?(笑)

たま:(笑)

大空:え?わかんないっす??

たま:だめだー、大空君は関西人じゃないから…

東野:あかんなー、ノリわるいなー(笑)

たま:(笑)それでは今後はこの貴重な経験を活かして…

大空:はい。今日見れた光景で人生変わると思うんで、もっと自分に厳しく挑戦して行きたいと思います。

たま:期待してます

大空:はい、がんばります!

東野:とりあえずお前は俺と年齢代わってくれ(笑)

大空:ははは…

東野:そしたら俺はあと20年挑戦できる。

 

体格を活かした思い切りのいいトリック。以前伺った話だと独学でもすぐに大技を習得できるそうで、突然の大舞台に臆する事なく楽しかったと振り返れるあたりかなりの大物感。若干18歳、なかなかに末恐ろしい。

 

たま:今、お幾つでしたっけ?

大空:今、18歳です。

たま:10代でナイトロデビューってなかなかないですよね!

大空:おかげさまですよ。

たま:それもまた運ですから。これからに期待してます。

大空:はい、自分だけの技をやれるようになりたいんで。それでまたナイトロに出られたら…

東野:え〜なあ〜これからやもんな〜

たま:おっちゃんが何か言ってますが(笑)

大空:(笑)

たま:では最後に大空君の今後の予定を教えて下さい。

大空:イベントはとりあえず6月のエアレース[RED BULL AIR RACE CHIBA 2017  6/3-4]にはまた呼ばれると思うんで。今年も出られたら3年連続なんですけど日程が2年連続、僕の誕生日なんですよ。たぶん今年もそうなると思うんでぜひ会いに来てください。

 

 

元樹君と同じく先輩東野君にちょっかいを出されつつ楽しそうにお話してくださった大空君。代役とはいえ若干18歳という若さでナイトロサーカスの大舞台を経験できたことは今後の彼の成長に計り知れない影響を与える事と思います。いつの日かこのシンデレラストーリーがスター選手の最初の一歩として語られることになるかもしれないな、なんてことを考えながらお話を伺いました。ちなみに、このインタビューの後の大阪大会では関西FMXの雄であり、日本のFMXの先駆けである釘村孝太選手がパストラーナの代役を勤めました。東野君、ダイス、元樹君に加えて孝太君というラインナップはおそらく現在の日本のFMXではベストメンバー、大阪のお客さんもきっと喜ばれたことでしょう。

 

ダイス&元樹が並んで宙を舞う。

 

 

  • 釘村孝太

 

年齢不詳のアルカイックスマイル。寡黙な印象だけど中身はやんちゃ?どこかつかみどころのない男、釘村孝太。褒めてます(笑)負傷したパストラーナの代役として大阪公演に急遽出演。

 

決して大柄ではないにもかかわらず頭身の高さがそのまま技の大きさ美しさに繋がるというFMXの為に産まれて来たような身体。一昔前はコルドバといえばKOTAの代名詞的トリックでした。それはこのコルドバフリップの美しさからも充分伺えるはず。

 

 

【大阪公演番外レポ】

 

東京公演を終え、次の公演場所である大阪入りしたナイトロ御一行。オフの時間に渡辺元樹くんがホスト役としてハリー・ビンク、ジャリード・マクニール、アンディ・バックワースを案内。この後ハリーやジャリードは、何組かの女子達にグリコ前での記念撮影のカメラマン役を頼まれていました。知らないって恐ろしい(笑) pc: Ryohey Photography

 

 

故・佐藤英吾選手が撒いたFMXの種は彼がいなくなった後も確実に日本に根を張り世界に枝葉を伸ばし続けています。日本のFMXの創成期を英吾くんと伴に切り拓いたダイスや孝太君、その背中を見て世界へ羽ばたいた東野君、その東野君を追って世界を駆け始めた元樹君、さらにその後に続く大空君…現在の日本のFMXにおけるあらゆる世代が一体となってナイトロサーカスという大舞台を飛んだこと、しっかりと心に刻んでおきたい。そしてまたいつかこのエキサイティングで熱いショーが日本にやってきますようにと祈りつつ今回のたまモトはこのへんでおしまい。

 

 

たまモト特別編「ナイトロ・サーカス」vol.2 はここまで。超豪華プレゼント満載のvol.3も近日公開予定。期待を裏切らないFMXライダー達からのプレゼントの数々ご期待下さい!

 

たまモト特別編|「ナイトロ・サーカス」10周年記念日本公演 (vol.1)

【インスタグラム】

 

 

pc: Ryohey Photography, ekakiyatama

 


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