たまモト|2024 vol. 1 富田俊樹選手にこれまでとこれからを語ってもらったよ
昨年の最終戦で明かされた、2022年 IA1 チャンピオン 富田俊樹選手の電撃引退。ナンバー1ゼッケンの突然の引退は山本鯨選手に続いて2度目、その意味するところは? などとついつい考えてしまうのがファン心理というもの。そんな富田選手と久しぶりにお話しする機会ができたのは、年も明けて1月の末でした。
当初は「なんで?どうして?」を伺うつもりだったのですが、お話をしているうちにむしろ彼の「これから」に興味が湧きました。そういうわけで「これまで」は軽め「これから」を多めに配分した富田俊樹選手の「これまでとこれから」インタビューです。
<新しい立場になって思うこと>
たま:長年おつかれさまでございました。
富田:(笑)はい
たま:1月も末ですが… 新しいお仕事(YAMAHAのテストライダー)はもう始められてる?
富田:はい、1月の頭からやってます。
たま:面白いですか?
富田:面白いですね、けっこう。楽しみながらやってます。まだ全然、始まったばかりで毎日やってるわけではないので、週2日とかでそこまでどっぷりじゃないんですけど。
たま:テストライダーのお仕事というのは乗ってみて伝えてを繰り返すカンジなんですかね?
富田:そうです。
たま:そうするとやってること自体はレースライダー時代にテストで乗っていた時と変わらない?
富田:そうですね。ただ、今までは自分がやりたい方向にずっと持って行ってたんですけど、今はそうじゃなくて会社の方針というか「こういうバイクにしていこう」というのに向かって造っていくカンジなので、今までとは違った視点でいろいろ考えないといけないなと。
たま:ある意味、一般の方の目線にならないといけないわけじゃないですか…
富田:それが今のところ苦戦… いや、苦戦ってほどじゃないんですけどまだ探り探りというか。自分はこの方がいいけど世の中のバイク乗りの人ってどうなのかな?とか。
たま:難しいですよね、だってさ、IAライダーって普通の人から見たら神様みたいなモンだから「なんでそんなことができるのかわからない」だと思うのね。
富田:(笑)はい
たま:逆にIAライダーからしたら「なんでできないのかわからない」っていう。
富田:はい、はい(苦笑)
たま:そのへんの擦り合わせが難しくないですか?
富田:いや、ほんと、そうなんですよね、その… 例えば『固い』と思っているところがあるんですけど「普通の人はその領域で走らないのかなあ?」と考えたりとか。いろんな方向から物事を考えないといけないというところがありますね。
たま:レーサーだと「どこまで攻められるか」みたいなところを探るじゃないですか。一般の方だと「軽く乗ってどの辺が気持ちいいか」とかそういう話になるんですかね?
富田:モトクロスやってる人がどういう目的でやってるのかっていうのが… これは開発の仕事じゃない時にも考えたんですけど、スクールみたいなのをやりたいなって思った時に「世の中、速く走りたいだけじゃなくていろんな人がいるんだよな」って思って。「逆に、速く走りたいって人はそんなにいないんじゃないかな?」とも思って。それよりは「『楽しく』とか『楽に』とか『安全に』っていうほうが多いんだろうな」って思った時に「そういうバイク造りってどういうカンジなんだろう?」とか考えちゃって。スクールの時も「どういうお客さんをターゲットにしてったらいいのかな?」っていうのを考えたりはしてるんですけど。
たま:なるほど、改めて考えることがいっぱいあると。
富田:そうですね。
<なんで辞めたかよりも次に何をしたいか>
たま:今回、トッチのほかにやはり引退された裕ちゃん(星野裕選手)にもお話を聞くんですよ。辞めてしまわれたライダーのその後についてファンの方がどの程度「知りたい」と思われるかはわからないんだけど、自分個人としては『ライダーを辞めても人生は続く』わけじゃないですか、で、その続いた人生をどういう風に進んでいかれるのかな、とかそういうのに興味があるから…
富田:はい
たま:で、今回もトッチに話を聞こうっていう流れになったんですけど。ぶっちゃけ、辞めた理由を言ってもしゃあないやん?(笑)
富田:(笑)そうですね。
たま:知りたい人は多いと思うんですよ。「なんでトッチ辞めちゃったの?」って。そしてトッチも話したいところはあると思うんだけど…
富田:でも実は12月半ばに別の所から取材を受けてて、そこではなんで辞めたかっていうのを話したんでその辺はそちらで書いてもらえるのかなと思ってるんですけど。
たま:あ、そうなんですね。うん『なんで辞めたか』も気にはなるけども…たしかにファンからしたら「1番つけてた人が急に引退するってなったのはなんで?!」って思ってるだろうから、それについて納得はしたいんだろうなと思うんですよ。でも、せっかくなら『辞めた人がこれから何をしたいのか』の方が明るくなるかなって…
富田:そうですね。暗い話をしだしたらどんどんそういう話ができるんですけど(笑)、明るいカンジで纏めるとするとまあ「もう、やりきったかな」っていうのと「自分の中でやりたいこと楽しいことにチャレンジしたい」っていう気持ちが出てきたってカンジですかね。
たま:実際は明るい理由だけじゃないとは思うんですけど…
富田:はい(笑)
たま:敢えてそこには焦点を当てずに(笑)前向きな言い方をすれば「やり切った」という事と「何か次に新しい事楽しいことにチャレンジしたくなったので、レースライダーとしては一旦区切りをつけたい」と。
富田:そうですね、そういうカンジでお願いします(笑)
<今の仕事とこれからチャレンジしたいこと>
たま:今のお仕事はざっくりと「YAMAHAのテストライダー」と聞いてましたがもう少し突っ込んで聞いていいですか?
富田:はい
たま:YAMAHAの開発部ってことになるのかな?
富田:そうですねYZの開発部。
たま:モトクロッサーの開発を引き続きやると。
富田:ですね。(小島)太久摩くんとか(岡野)聖みたいなカンジですね。
たま:YAMAHAのモトクロスバイクを開発する部署ってことですかね?
富田:そうですね。
たま:太久摩くんとか岡野くんが同僚ってことになるのかな?契約で?
富田:そうですねみんな契約で同僚になりますね。
たま:一緒に仕事したり?
富田:一緒にやる時もあります。
たま:じゃあ心強いですね(笑)
富田:(笑)はい、先輩方に教えてもらいながらやってます。(鈴木)健二さんとかもいるので。
たま:歴代YAMAHAトップライダーの皆さんと一緒に仕事してるわけだ?
富田:そうですね。
たま:それはとてもいい職場環境ですね。
富田:ほんとにいい環境で。自由というか… イベントとかスクールとかやる時にも融通が効きますし。ファクトリーライダー時代はそういう事にかなり制限があってできなかったんですよ。そんな状態でファンにアピールしろって言われてもどうしたらいいのか?ってカンジだったんですが、今は、そういう活動をどんどんしていいって言われてますし、副業もOKだって言われてます。なので、モトクロスとは関係のない事もやってみたいなと思っていて。今までの(レースライダーとしての)活動でご縁ができたスポンサーさんだったり、付き合いのある経営者の方たちといろいろ喋りながら「何か違う事もできないかな?」って探っているところです。これからはそういうことにもチャレンジしていきたいなって思っています。
<その時その時で考えって変わるんだなあ…と>
たま:その話を伺ってて思い出したんですが、コロナ禍前に一緒にスイーツを食べに行った事があったでしょう?
富田:(笑)ありましたね。
たま:あの時がちょうどYAMAHAに入られてすぐの時で。
富田:はい。
たま:あの時に「モトクロスを辞めた後に何をするかを今から考えているんで、そういう事情を知ってる人の話を聞いてみたいんです」っておっしゃってて。
富田:テツさん(溝口哲也氏)の話とか聞いたらいいんじゃないかってなったんですよね。
たま:そうそう。あの時点で『ライダーの次の人生』みたいなものに目線が行ってたわけじゃないですか?
富田:完全に行ってましたね。
たま:レースに対して真剣じゃないとかではなく、レースはレースとして向き合うけども次の人生も考えなきゃなっていう風にあの時すでに思ってらしたわけでしょ。
富田:はい。
たま:その時の展望は今も続いてるのかしら? それともあの時はあの時で今は違うのかしら?
富田:あの時はあの時でしたね(笑)「その時その時で自分の考え方って変わるんだな」って最近すごく思ってて。一昨年、全日本チャンピオンを獲るまでは「出来るだけ長くやりたいな」っていう気持ちがあって(レースに)取り組んでたし、もし辞めたとしたらモトクロスには全く関わらない仕事をすると思ってたんです。その頃はテストコースを走りながら「俺、テストライダーでこうやって何十周も走る事できるのかな?」って考えたり「たぶんできないな」って思って過ごしてたんですけど、そこから2〜3年経った今になると、チャンピオンを獲ってしまってからは「あれ?もう俺、怪我とかを恐れて守りのレースしちゃってるよな」とか。なんだろう…「長く(やりたい)って言ったものの、ちょっと…怪我は怖いかも」っていう思いも出てきたし、テストライダーっていう話が来た時に「あ、なんだかそっちも面白そうだな」って思ったりしたんですよね。
たま:ある意味180度変わったわけですね?
富田:変わりましたねえ。自分でも「変わったなあ」って思います。でも「全く違う業界で何かやりたい」っていうのは変わってないし、でもそれが明確に『何か』っていうのは正直まだ決まってなくて。今、YAMAHAの仕事と一緒にやるってなると一気に制限がかかるような気がして「それで出来る事ってなんなんだろう?」っていう考え方に変わっているので「なんか今まで考えてた事と違う事になっちゃってるなあ」てカンジがあって。今までは「辞めたらモトクロスに関わらない」って思ってたんで「何でも出来るな」って思ってたんですけど、YAMAHAのテストライダーとしてやりたいなっていう気持ちもある中での『何か』ってなると「週末だけは動けるな」とか「臨機応変に自分が身動き取れるような仕事って何だろう」っていう考え方で見ちゃうと、また練り直しになったカンジがあって(苦笑)。
たま:これから探るっていうことですね。自分の人生の時間配分とか…
富田:そうですね。まあ、がっつりそっちっていう事じゃなくて副業みたいなところから始めていくのかなっていう。
たま:なるほど。じゃあ『どんな業界』とかっていうのもまだ考えてないのかな?
富田:う〜ん。興味があることはたくさんあるんですけど、その興味がある物の入口がわかんなくて入口探しをしてたりとか。それも今はいろんな人に会って話を聞きながら探ってるとこですね。一昨日も障害者の派遣みたいな仕事をやってる方と知り合って「何でそんなことをやろうと思ったんですか?」、「どうやって始めたんですか?」みたいな話を聞いて「そういう考えで始めるのかあ」って感心したり。いろいろ勉強しています。
たま:チャンピオンになるまでの間に培われた人脈をがんばって活用して第二の道を探りつつみたいな…
富田:(笑)そんなカンジですね
たま:今、お幾つなんでしたっけ?
富田:33歳になりました。
たま:まだ全然若いやん!
富田:若いのかなあ?(笑)
<経済的に何本柱かにしたい>
富田:僕、ライダーだった時はライダーの1本柱でずーっとやってきてて、それがダメになったら全部崩れてしまうっていう不安みたいなものとずっと戦ってきたんですよ。
たま:ライダーは大怪我したらっていうのがね…
富田:はい。それもそうだし、例えば「クビになりました」ってなっても「じゃあ来月から俺どうやって食って行こう」みたいなのも不安で。それもあって、辞めてからテストライダーとしての契約金でとりあえずご飯は食べていける、他で何かしながらとりあえずお小遣いを貯めて遊んだりとか、そういうスタイルがいいのかなと。例えばYAMAHAの仕事もずっとあるわけじゃないと思うので、いつかはクビになるのかなって思ってるし、その時にあと1本2本何かが残ってると安心だなって思ったりして。なので、まあ3本柱くらいで行きたいなって気持ちでいるんですけど。そういうのを人に言ったら「そんなのヌルい」って「1本もできないやつが3本もできるわけない」みたいなことを言われるんですけど。まあ、ちょっとそういう「守り」に入ってるカンジはありますけどね。
たま:でもさ、家庭のある人がそういう堅実に人生設計していくのは全然間違ってないと思うし、ぶっちゃけ年齢重ねていくと体力なくなってくるからあれもそれもこれもやれるのってあと10年20年くらいだと思うんですよ。だからあれもこれもそれもやれるうちにやっといて刺さるもんなら何本も刺して幹を太くしておいてっていうのは、全然ありだと、私は思いますけど。
富田:うんうんうん。そういうカンジでいろいろ考えてるんですけど。
たま:最終戦の時に投資の話をしてたじゃないですか? あれもその一環なのかな?
富田:はい、あれもそうです。その一環です。
たま:ある方が、今の50代以上は貯金しとけば増えた時代の人たちだから投資っていうと難色を示すけど、今の20代30代は貯金じゃなくて投資っていう考え方だっておっしゃってて。今の若い人は投資に対してすごく自然体だよね?
富田:(笑)たしかに世代によって違いがあるなって思いますね。ある程度以上の年代の方に投資の話題を振っても反応鈍かったりしますし。
たま:ちょっと投資に拒絶反応みたいなのあるよね(笑)
富田:ありますね(笑)自分の親とかにも話したら「そういうのは危ない」みたいに言われたり。
たま:その世代は投資とか株とかいうとちょっとギャンブルみたいな捉え方をしちゃう人も多くて…
富田:そうですね(笑)
たま:でも、トッチの中では投資も何本かの柱の一つなんですね。
富田:はい。
たま:トッチ達の年代は老後の年金とかもあてになんねぇって思ってるでしょ?
富田:はい思ってます(笑)
たま:そういうコトも視野に入れて将来の自分の経済的なことを考えてっていう人は、ライダーにもそんなにはいないかなって思うんですけど…
富田:僕はその…保険だとか…常に先が心配でけっこうやってたりするんです。個人年金も払い込んだりしてるんですけど、投資をやり始めてから「保険とか年金じゃなく株とか投資で資産を残す方法もあったんだな」ってわかって。いろいろ勉強していくとどんどん方法が見つかるんですね。
たま:それはトップライダーという位置にいた時にある程度賞金なり契約金なりでまとまったお金が入って、それを置いとかないでちゃんと増やそう、みたいな考えから?
富田:はい。たらればですけど、もうちょっと早くからそういうの(投資)を知ってやってたら、この何年か世界の情勢でいろいろあったじゃないですか、そしたらずいぶん変わってたかもしれないなあなんて…
たま:『金』買っておけばよかったな、とかね(笑)
富田:めちゃくちゃ思います(笑)
たま:私も思うよ(笑)
富田:(爆笑)
<贅沢を楽しいと思わないんですよね>
たま:そういう時代だからというのもあると思うけど、ライダーという出来る時期が限られたお仕事でなおかつ次につなげるのが難しいお仕事だから、どうしたっていろいろ考えるし、保険にも入ってるっていうあたりいかにもトッチらしいなって思います。
富田:(笑)だから今まで…逆にお金を遣いにくかったというか贅沢もできなかったっていうのはあるんですけどね。でも「これから先、俺、贅沢することあるのかな」って思ったらたぶんない気がしてて。
たま:それでお家買ったんだ?
富田:どんどんそっちに突っ込んじゃうかもしれない(笑)家に関しては家族ができて住んでるところが狭くなって家が欲しいなと思ってた時にスポンサーさん繋がりで工務店さんにご縁ができて、少しだけ割安のサポート価格(笑)を提示していただいたので建てることになりました。
たま:なるほどね!そういう堅実さもトッチらしいなって思います。
富田:(笑)僕は倹約家なんで。
たま:わりと少ないじゃない?ライダーの中で倹約家って。
富田:トップライダーでも最初から速かったライダーってわりと浪費家になるのかなっていうカンジがあるんですけど、僕はTE時代とかすごいお金がないのも経験してたし「あの時の生活に戻りたくないな」っていう気持ちが強くて。
たま:お金で苦労をしているからお金の大事さがわかる、みたいな?
富田:(笑)そうですね。遠征の時は車で寝るのがあたりまえみたいな、メシもすき家、吉野家があたりまえみたいなカンジだったし、その中でレースに勝ちたいってなるとお金をすごい遣うし…っていう生活。ほんとに世の中で辛い人からしたら「でもモトクロスやってんじゃん」ってなるかもしれないんですけど。でも、あの時代の生活に戻りたくないっていう不安はずっとあるし、その気持ちは強かったですね。贅沢もちょっとだけやったんですけど贅沢を楽しいと思わなかったです(笑)
たま:困らないくらいがちょうどいい、みたいな?
富田:そう。結局いい車買ったりしても燃費悪い車で「うわあ、燃費悪いな」って考えちゃってる自分が苦しくなってきて「何のために自分はこの車買ったんだろう?」って「俺はこういう(車に乗る)性格じゃねえなあ」って思ったりとか。友達と遊ぶ時、例えば(岡野)聖とゴルフ行くとかそういうのに遣うお金はあんまり気にしないんですけど、普段独りでいる時の贅沢は別にしなくていいかなっていう感覚なんですよね。
たま:ブランドもの買おうとかそういうのはない?
富田:全然ないっすね。
たま:いいんじゃないですかね、お父さんになったんだし、子供にはこれからどんどんお金がかかるわけだし。
富田:それも不透明なんで不安なんですけどね。どれだけかかるのかもわかんないですし。ウチは嫁も全然贅沢しないんですよ。ブランドものとかも興味ないし。ただ、一軒家に住みたいとはずっと言ってたんでそれぐらいは応えないとなっていう感覚で。だからまあ(夫婦の感覚は)合ってますね(笑)
たま:よかったね
富田:はい(笑)
<次のステップの『成功例』になりたい>
たま:というわけでたいへん富田選手らしいお話をいろいろ伺ってきたわけですが(笑)
富田:なんかもう全然ゆるーいカンジのお金の話になっちゃいましたけど(笑)
たま:いやまあ、それこそレーサー富田俊樹選手がどんなだったかって話は他のメディアの方が記事にされると思うので(笑)そういうのを読みたい方もいるとは思うんですよ、レーサーとしての富田俊樹がどういう人だったかっていう。
富田:はい。
たま:でも、そうじゃなくて富田俊樹という人物自体に興味のある方もいるだろうし、それこそさっき言ったように一般の人から見たらIAライダーは神様みたいだって思われてるじゃないですか、そのIAライダーが引退してこれからどう生きていくのかみたいなことを知りたい人もいるのかなあと思って。
富田:ライダーを辞めてから苦労している例も目にしているので、自分はそうならないようにしたいな、何かこう『成功例』みたいになれたらなって思います。
たま:うまく次のステップに進んで、そこでちゃんとやっていけてるっていう。
富田:はい。そういう風になりたいですね。
たま:トッチはまだこれからだからね。
富田:第二の人生をいい人生にします。
たま:第二の人生で成功して5年後くらいに「辞めてすぐの時にこんな話をしたけど、今は何々で成功している富田俊樹さんです」って紹介するみたいな。
富田:「未だに見つかりません!」って言ってるかもしれないですよ(笑)
たま:それはそれでネタとしては面白いですけどね(笑)そんなことなく『ライダーの第二の人生シリーズ』で成功者として語ってくださいよ。
富田:はい。
たま:最後にファンの方に向けて何かありましたら。
富田:そうですね、テストライダーとしてもそうですけどまだ業界に関わり続けていきたいとは思っているので… 今のところ全日本会場に行くとかはあまり考えてないんですけど、モトクロスの普及みたいなコトだったり、あとイベントとかも自由に出れることになったし… あ、この度同じ愛知県ということでダートバイクプラス(ダートフリーク)さんにサポートしていただけることになりまして。「なんかイベントとかやりたいんですよね」って言ったら「じゃあ、ダートフリークライダーでやってよ」って言っていただいたんです。で、ウエアはファストハウス着ることになったんですよ。
たま:おおお!想像つかない!(笑)
富田:そういうのもあったりするので、そうやってサポートしていただくからにはちょっとは露出しないといけないと思ってるし(笑)なにかしらを自分でやるのかイベントにゲストで出るのかはわかりませんけど、そういう形でこれからもモトクロスに携わっていこうと思っているので。
たま:そこでファンの方にはお目にかかれると。
富田:はい。そういうところで会えたら、ってカンジですね。
ということで、富田俊樹選手の「今までとこれから」について思いつくままに緩く語っていただきました。長年モトクロス一筋でやってこられた富田選手にとって、モトクロス以外の世界を視野に入れての「これから」は未知の世界。モトクロス界への関わりも残しつつ新しい世界にもチャレンジするという難題も富田選手なら堅実にこなされていくような気がします。2年後3年後にトッチがどんな姿を見せてくれるのかを楽しみにしつつ、これからも応援していきたいなと思いました。
ちなみに今回のイラストはどんなカンジにしようか?と相談したところ「これからはビジネスの話をしたりあちこちによろしくお願いします!ってする機会も増えると思うので、スーツを着て頭を下げてる姿なんてどうですか?」とご提案いただき、後からリクルートポーズ集みたいな自撮り写真まで送ってきてくださいました。サービス精神旺盛!…というわけでスーツ姿のトッチ、いかがでしょう?(笑)
pc: @ryohei0116