AMAスーパークロス事件簿|レース後激論バトル「トマック vs. バーシア」@ 2020 アトランタSX
シリーズ折返しとなる、2020 AMAスーパークロス 第9戦 アトランタ。波乱&ドラマの多かった一戦となり、各所で見応えある熾烈なバトルが繰り広げられたのですが、レース後にも事件は起こっていたのでした。
スタートに出遅れたイーライ・トマック、更にその後方から追い上げるジャスティン・バーシアは、レース序盤の混戦の中で接触伴うバトルで順位を入れ替えます。トマックとブレイク・バゲットとの接触両者転倒により、トマックとバーシアのバトルはわずか1周のみでしたが、その際の接触を巡ってレース後の両者の議論はヒートアップ。
レース中のバトルから、レース後の様子までの一部始終は下記ビデオでチェックできます。エンジョイ!
えーと…(笑)、まずは何を言い争っているかについて抄訳すると、両者の言い分があまり噛み合っていないようなのですが… あれは汚いだろ、いやいやお前がやってきたんだろ、全開で当てただろ、んなこと知っちゃことない等のお互いの言い分の応酬。
極めつけは「今までクリーンなパッシングが出来たことないだろ?」とのトマックの問いに「今年のこと言ってんのか? もちろん!」と返答した、アグレッシブなライディングを身上としてきたバーシアのキャラを裏切らない「今年限定」の切り返しには思わずニヤリ(笑)。
AMAスーパークロス事件簿|壮絶激闘バトル「バーシア VS. トマック」@ 2020 サンディエゴSX
映像見る限り、最初のバーシアのパスは接触こそ認められますが、スーパークロスであれば特段取り上げる程のものではないもの。しかし、トマックが直後に仕掛けたパスはアグレッシブなものでしょう。上記接触のタイミングで、バーシアは右手の甲に傷を負っています。
これまでの両者のライバル関係や接触・因縁の過去も考慮するとお互いにバトルとなると火がつくのは、歴史が証明していますが、今回に限っていうと、トマックの焦りや度々指摘される精神的未熟さが露呈した印象。ビデオ最後の作り笑いはトマック自身の余裕の無さを逆に映し出しているようです。
もう少し視野を広げると、自らのミスや負傷で3年連続タイトルを逃している(遠ざけている)トマック。最大の課題は自らのメンタル面なので、バーシアのようなアグレッシブなライバルを刺激しないほうがスマートだと考えます。この手の問題はレーサーとしての資質も絡んでくるものなので、チームとして組織的に取り組み、対策するべき問題ではないでしょうか。
レースファンとしては、激しいレースアクションは大歓迎! この手のライバル関係はレースやシリーズを盛り上げる最大の要素のひとつであるので今後も期待したいのですが、出来ればレース序盤ではなるべく見たくない接触です。
日本ですとライダー間の因縁ライバル関係やいざこざを報じることはタブー視というか、忖度されがち…ですが、欧米のスポーツシーンではモトクロスに限らず、この手の問題も大きく報道されます。逆にプロモーターが積極的にプロモーションの材料として使用していくことは多いのは事実。過去にもブラッドショーとマティアセビッチ、スタントンとバイル、リードとスチュワート等、特出したライバル関係がレースシーンを盛り上げてきた歴史があります。欧米の「モト文化度」の高さを今回も改めて感じました。時代が変わったなと感じたのは遠巻きからでも音声がしっかり拾えていること。
最後に、皆さん忘れていると思いますが…(笑)、最大の被害者となったバゲット。バーシアだけでなく、バゲットまでも敵に回してしまったトマック。三人揃って250時代はタイトルを争い、全員がタイトル獲得の実力者。ほぼ同時期に450クラスにステップアップしている同世代ライバル同士。今後さらなるドラマの匂いがしなくもないですが… シリーズ後半戦突入のAMAスーパークロスシリーズ、引き続き大注目です!
AMAスーパークロス事件簿|壮絶激闘バトル「バーシア VS. トマック」@ 2020 サンディエゴSX
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