ヤバすぎるスキル:MXGP王者ロマン・フェーブルの1分間でGPトップライダー二人をパスする方法!
2016 FIMモトクロス世界選手権 MXGPクラスのディフェンディングチャンピオン、ロマン・フェーブル(ヤマハ)の約1分でMXGPトップライダー二人をパスする方法。
イギリスGPでの脳震盪の影響による欠場からの復帰戦とは思えない、デサール(カワサキ)とポーラン(ホンダ)というMXGPのベテラン達を立て続けに「迷いゼロ」の素晴らしいパッシングシーン。
エンジョイ!
キレあり過ぎ感!
決して勢いだけではない、冷静な分析・判断力があってのパッシング術。
例年、滑りやすい路面に逆バンクが多いコースレイアウトのチェコGP。その分、パッシングは通常よりもリスキーにならざるを得ませんが、フェーブルは各セクションで瞬時に少なくとも下記の3要素を同時に一瞬で判断しています。
- 前のライダーとの距離感
- 仕掛けるタイミング
- 仕掛ける際のライン取り
どれも当たり前の要素ですが、どれか一つでも欠けると危険すら伴うのがモータースポーツなのです。
まず、デサールへのパッシング。ポーラン攻略の為、ライン取りに一瞬の迷いが出たデサールのイン側に飛び込みます。フェーブルは直前のジャンプ踏み切り前には既にラインを変更済だったという、積極的に仕掛けるタイミングを探っていた姿勢が功を奏した形。
続いてペースが上がらず、セオリー通りのイン側を抑えるライン取りを続けるポーランに対して、フェーブルは思い切ったライン取りの変更、アウトからの加速を生かしたクロスラインでのパッシングを試みます。滑りやすいコーナーで思うように加速出来なかったポーランをすんなりと攻略成功!
単純なスピード差やタイミング、運だけではない、効率的にパッシングを成功させる要素が働いていたことがお分かりいただけたでしょうか?
モトクロスの教科書があるとしたら… 実践編としては上級者向けのパッシングかもしれませんが、その行程のひとつひとつは、ごくごく基本的なセオリー通りのものと言えるでしょう。
問題は、状況確認、決断、実行という行程を「迷いゼロ」で行える思考のスピード感があるか? ないか? というところかと。こればかりは、経験と思考のトレーニングの積み重ねが重要で近道は無いでしょう。
もしかしたらモトクロスよりもエンデューロシーンの方がパッシングする機会は多いかもしれません。このフェーブルのビデオから学べることは多くありそうです!
pc: Yamaha Racing