AMAスーパークロス事件簿|イーライ・トマック「アキレス腱断裂」2023 デンバーSX

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2023 AMAスーパークロス 第16戦 デンバー、450SXメインレースでのイーライ・トマック首位快走中の「負傷リタイア&タイトル絶望」の衝撃が未だ冷めやらぬ中、当該シーン映像とレース翌日時点での情報、モトゴシップまとめをお届け。

 

450SX決勝ハイライトビデオ|2023 AMAスーパークロス 第16戦 デンバー

まずホームレースとなるデンバーSX迎えたトマックの状況としては、ランキング2位セクストンに「18点差」リードで残り2戦。ウェブやバーシア、アンダーソンといった優勝や表彰台狙える有力ライダー達が負傷欠場中ということもあり、大きなアクシデントなければ2年連続3度目のAMAスーパークロスチャンピオン獲得はほぼ間違いなしという圧倒的有利なものでした。自身もタイトル獲得を視野にレース勝利にはこだわらずに表彰台を狙うレースをしていくとコメント。

そして、デンバーSXメインレース。オープニングラップで首位浮上したトマック、4周目に悲劇が訪れることに…。

 

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リズムセクション最初のシングル、テーブルと続くジャンプで「僅か」にオーバージャンプ。続くジャンプ飛び出しで不自然に左足を上げる様子が確認できます。

過去数十年とAMAスーパークロスを観続けてきましたが、この程度の「僅か」なオーバージャンプな場面はそれこそ何百回も観てきたレベルのもので、トップライダーであれば大きな問題になるほどのミスや大きな衝撃ではないように見受けられます。前後サスペンションがフルボトムしたタイミングで足首が大きく曲がり、アキレス腱断裂に至りました。

単純に着地時の衝撃なのか? それとも… トマック自身が荷重した際のタイミングの悪さなのか?

ライブ中継観戦時にトマックのリタイアに言葉を失い、さらにこうして何度も当該シーンを繰り返し観てもその不運さと理解し難い負傷を上手く言葉にすることが出来ません。

 

 

中継内でトマックのチーム監督からアキレス腱断裂とシリーズ離脱が発表され、トマック離脱後のレースを制したセクストンが今季5度目の優勝。セクストンが逆に7点差リードでポイントリーダー浮上と同時に最終戦を前に事実上の2023 AMAスーパークロスチャンピオンが決定的という状況となったのでした。

セクストンやホンダ陣営だけでなく、レース関係者達が笑顔なく揃って困惑した表情が印象的なフィニッシュ後のレース会場となりました。

 

 

ヤマハからのリリースとトマックのコメントをまとめると…

・AMAスーパークロスシリーズ離脱
・手術決定
・負傷詳細や経過は今後改めて発表
・復帰時期未定
・健康、負傷回復優先
・レース復帰は1,2ヶ月後に改めて考える

というもの。

 

アキレス腱断裂、手術からの回復となると約6ヶ月の療養期間が必要とされています。となると事実上、2023年のレース復帰は絶望的。さらにモトゴシップ的には今季限りでの引退説も根強い、現在30歳のトマック去就問題としては、このまま現役引退という可能性も否定できません。

アキレス腱断裂が多いスポーツといえば、テニスやバスケットボー等が思い浮かびます。明るい材料となると、NBA選手のアキレス腱断裂後の復帰率は高いというデータがあるようで、復帰後のパフォーマンスに大きな低下はさほど見られないというデータもあるそう。

故コービー・ブライアントやケビン・デュラント等のNBAトップスターもアキレス腱断裂から復帰後活躍しています。

レースキャリア終盤を迎えているトマックにとって楽観視出来る状況でないのは確かですが、このまま現役引退というのは、レースファンとして受け入れたくない現実。トマックの復帰を心から祈るばかりです。

 

450SX決勝ハイライトビデオ|2023 AMAスーパークロス 第16戦 デンバー

Octopi Media


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