ヤバすぎるスキル|翼の折れた砂神様「強行出場レース勝利」ジェフリー・ハーリングス

sr141230banner

 

2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第6戦 ベルギーGPでの最大のサプライズ! 2週間前の第4戦 オランダGPで肩甲骨骨折・欠場していたジェフリー・ハーリングスが、強行出場。レース1で勝利し総合2位獲得が話題騒然。

 

 

サンド世界最速と言われる「砂神様」ハーリングスではありますが、スキル的にもフィジカル的にも非常に厳しいコンディションとなるディープサンドコースでの強行出場に疑問符は付きまといました。多くの予想を良い意味で裏切るレース1での首位浮上シーンと強行出場の背景ストーリーをシェア。

 

ロマン・フェーブルを追い詰めるハーリングスとの世界最高峰サンドバトルをお見逃しなく。エンジョイ!

 

 

降雨の影響もあり、例年よりも転倒車が多い難コンディションとなった今年度大会のベルギーGP。ハーリングス自身もヒヤリとするシーンがありましたが、今季は光るスピードを度々披露し、ホールショットからレースをリードする好調フェーブルを徐々に追い詰めてズバッとイン側に飛び込む仕掛けで見事に首位浮上。

 

電撃的な飛び込み… シビれます!

 

 

ハーリングスのコメントによると、レース中盤までは肩の具合を確認しながらフェーブルとのタイム差も確認してのライディング。レース終盤にかけ、勝負可能と判断したハーリングスは深く荒れたサンド路面を明らかにフェーブルとは異なるビタビタな加速を続けて急激にフェーブルに接近。クロスラインからの迷いゼロのイン側飛び込みで首位浮上に成功。フェーブルは為す術もなくポジションダウン。

 

レース2ではスタート直後に同郷オランダのグレン・コールデンホフと接触転倒。激しい追い上げを見せるも療養中の身からの強行出場ということもあり、ミスせずに体力面も考慮しての5位でフィニッシュ。

 

 

世界のレースファンが驚いた今回の強行出場。背景には8月22日開催予定だった、フィンランドGPの新型コロナウイルス感染拡大による大会中止があります。負傷直後は、4〜6週間を回復に要する骨折ダメージと発表があり、ハーリングス自身もタイトル争いから完全離脱のコメントを出していましたが、フィンランドGP中止によって出来た約1ヶ月のインターバル期間を本格的な療養にあてることにして、得意のサンドコースであるベルギーGPとラトビアGPの2連戦はダメージコントロール的にポイント獲得の為に出場するというものでした。

 

さらに前戦チェコGPでのポイントリーダー、ティム・ガイザーの転倒マシン損傷による15位という今季ワーストリザルトもあります。ハーリングス自身の中で、フィンランドGP中止の件とガイザーの取りこぼしで再び逆転タイトルの可能性が出てきたと判断したとコメント。

 

 

とはいえ、ベルギーGP出場を最終的に決断したのはレース前日の午後というギリギリな状況での決断だったそうで、レース勝利は想定外の結果で大満足とのこと。

 

ハーリングスの強行出場により、再びタイトル争いが面白いことになってきたMXGPシリーズ。ラトビアGPもハーリングスは肩甲骨骨折の状態で強行出場には変わりはありませんが、ランキング首位に対してのビハインドを51点差から「42点差」へと削ることに成功。シリーズ前半戦で「42点差」という数字をどのように受け取るか? 大きなリスクを抱えながらも逆転タイトルに後のないハーリングスの活躍から、まだまだ目が離せそうにありません!

 

レースビデオ&リザルト|2021 FIMモトクロス世界選手権 MXGP 第6戦 ベルギーGP

Ray Archer


You may also like...