ヤバすぎるスキル|タイ・マスタープール「天国の兄に捧げる」ワンハンダーホールショット
開幕戦からのロレッタ・リン2連戦に続く、今季2度目のダブルヘッダー(第4戦〜第5戦)がミシガン州レッドバッドで開催されました。AMAモトクロスを代表する会場のひとつということもあり注目度も高かった2連戦。
その第4戦レッドバッド1での最初の決勝レース、250MX モト1のスタートシーンが大きな話題となりました。
ホールショット獲得は足骨折で欠場が続き、この大会が今季初レースとなった、タイ・マスタープール。昨年のAMAモトクロスシリーズでスターレーシングヤマハからプロデビュー果たした、プロ2年目のヤマハ期待の逸材(昨年のランキングは11位。最上位は4位。全レースでポイント獲得)。
今季初レースでいきなりのホールショットだけでサプライズなのですが、ホールショットライン通過時にはワンハンド! のオマケ付き。その手をよく見ると… ボリュームボタン押して実況の興奮も必聴です。エンジョイ!
@ s u p e r c r o s s l i v e
今季初レースで特大ワンハンダーホールショット! その手をよく見ると… ガッツポーズではなく、「人差し指を掲げている」点に注目なのです。
マスタープールは、このレースのベストラップを記録しながらレース中盤まで首位快走。ジェレミー・マーティンとRJ・ハンプシャーとバトルを繰り広げ、見事3位で表彰台インタビューを受けると「兄に捧げた」ワンハンダーホールショットだったとコメントしました。
マスタープールは3兄弟の末っ子。キッズ時代からUSアマチュアシーンでは有名な3兄弟で、地元テキサス州には家族がモトクロスコースも所有。特に長男のジェシーはスズキやFOXからサポートされ将来を嘱望されていましたが、2010年にレース中のクラッシュが原因でこの世を去っているのです(享年14歳)。
AMAスーパークロスではFOX契約ライダー全員がジェシーを追悼するバットパッチを身に着けてレース参加は当時、話題となりました。現在では引退している同郷テキサスのブレイク・ワートンはジェシーのレースナンバー「956」を2012年に選択し、ロックスターエナジースズキからAMAスーパークロス250SXクラスに参戦し、優勝。ランキングもバーシア、ロクスンに続くランキング3位という大活躍の逸話もあるのです。
次男のジェイクも450MXクラスに参戦中、第5戦終了時点ランキング17位(最上位7位)。
今季初レースでホールショット、その瞬間に亡き兄に捧げる人差し指を突き上げるワンハンド…。思いつきでは出来ないはず。きっと、日々亡き兄を想い続けているからこそ自然と身体が動いた動作だったのではないでしょうか? 世界最高峰シリーズでこんなドラマあるからレースは素晴らしい。何度観ても、胸アツ通り越して目頭熱くなってくるのです。
因みに昨年のベストリザルト4位は同会場レッドバッドで記録したもの。更に、今季レッドバッド2連戦での250MXクラス全4レース中、マスタープールは3度ホールショット獲得。レース中のベストラップ記録以外にも、タイムドプラクティスでもベストラップ記録。第4戦は総合8位(3-13)、第5戦でも総合8位(4-13)。ランキング14位の下田丈選手から14点ビハインドのランキング16位に一気に浮上。
このクラス、近年はスターレーシングヤマハのマシンパワーが常に話題となっており、スターレーシングヤマハ勢がスタートで常に複数台がホールショット争いしているという状況。マスタープールのスタートスキルと相まって、今後も快進撃続くのでしょうか? 天国の兄も応援しているはずです!
4年前にはキッズ時代のタイ・マスタープールをヤバすぎるスキルで取り上げ済み。下記記事リンク先のチェックもオススメし〼
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