AMAスーパークロス事件簿|王者クーパー・ウェブ「コンクリート直撃」大クラッシュ@ 2020 アーリントンSX

sr141230banner

 

2020 AMAスーパークロス 第8戦 アーリントン(ダラス)、今季2度目の決勝3レース制「トリプルクラウン大会」として開催され注目を集めました。メインレース数、周回数共に合計すると通常のレースフォーマットよりも多いこともあり、荒れていく路面コンディションの変化も影響し、大会通して転倒者も多かった一戦。

 

 

アーリントンSX最大の波乱・事件はディフェンディングチャンピオンのクーパー・ウェブの大クラッシュ、リタイア。ドラゴンズバックでバランスを崩したウェブが背中からコンクリートに叩きつけられるシーンは、これまで見てきた最も危険なクラッシュのひとつで最悪のケースが頭をよぎるような瞬間でした。

 

@ s u p e r c r o s s l i v e

 

ドラゴンズバック出口、前回り状態でバランスを崩したウェブは、コントロール不能状態でトリプルジャンプ飛び出し口を横切る形でコースアウト。このセクション、タイムドプラクティスではアダム・シアンサルーロが鎖骨骨折、ジミー・デコティスも転倒のダメージで以後のレース欠場。ジャスティン・ブレイトンも転倒… と、ファクトリーライダーを次々と飲み込んでいく難セクションとなりました。

 

レース後の記者会見で優勝のトマックを筆頭に今回のドラゴンズバックの危険性を指摘する声が相次ぎました。具体的には、今回のドラゴンズバック最後の「コブ」が通常よりも低いというもの。結果、前輪が最後のコブにヒットせずに後輪のみがヒットすることによってフロントロー状態が起こりやすかったというもの。ウェブだけでなく、上記トップライダー達も同様のケースで転倒となり、記者会見での指摘がズバリという結果。多くのライダーが神経を使ったセクションであったようです。

 

路面コンディションによりコブが削れて低くなることも想定出来ていたとは思いますが… 他にもドラゴンズバック着地となるジャンプが通常よりも距離が離れていたことも議論の的に。

 

 

この投稿をInstagramで見る

 

Cooper Webb(@cooperwebb2)がシェアした投稿

 

心配されるウェブの状況ですが検査の結果、骨盤と股関節部に骨挫傷による骨内部の出血は認められるものの骨折はなし。KTMからのリリースでは、次戦アトランタSX出場予定が発表されました!

 

 

骨盤と股関節部へのダメージ。奇跡的に骨折はないとはいえ、あれだけの衝撃ですから次戦出場してもどのような結果になるのかは未知数。ライディングポジションの中心となる部分ですから、最悪のケースではプラクティス走行してリタイアという決断もあるかもしれません。

 

 

現在、ランキング上では3位のウェブ。ポイントリーダーのトマックに1レース分となる、26点ビハインド。シリーズ折返しとなるアトランタSXでのウェブの活躍が、逆転タイトル獲得の重要なポイントとなるはずです。頑張ってほしい、ウェブ。ライディングに大注目です!

 

現在のAMAスーパークロスはコースレイアウトが図面で用意されており、主要セクションのスケールは統一されたものとなっています。とはいえ、各スタジアムで用意される土質やコースレイアウト完成後の修正もあり、常に図面通りの完璧なコースレイアウトが用意されるとは限りません。さらに難易度と危険性が必ずしも比例するわけではないのでその辺りのバランスをどう取るのかは、今回のようなケースも参考にされ、積み重ねでAMAスーパークロスコースは安全に配慮されながら進化し、エンターテイメントとしてのバランスも保たれることでしょう。

 

450SXイーストハイライトビデオ|2020 AMAスーパークロス 第8戦 アーリントン(ダラス)

Simon Cudby


You may also like...