AMAスーパークロス事件簿｜「ペナルティの真相」250SX東西激突ショーダウン勝者ジェレミー・マーティン
2018 AMAスーパークロス 第12戦 インディアナポリス、今大会は今季新採用の東西地区シリーズ混走「ショーダウン」初開催で「250SX最速ライダーは誰だ？」という主催者のプロモーションやレースファンの関心度高かった一戦。
ショーダウン名義での初レースの優勝は2年ぶり、今季初優勝のジェレミー・マーティン（ホンダ）。しかし、ライブ中継時の450SXメインレース直前に突然、マーティンがペナルティ審議対象となり正式リザルトは保留となっている旨のコメントがありました。
そのペナルティ審議対象シーンをシェア。コレは…
@ s p e e d
赤十字フラッグ無視の決定的瞬間！
当該セクションのトリプルジャンプを「シングル・ダブル」で通過… AMAスーパークロスのレギュレーションでは赤十字フラッグ掲示中は「連続ジャンプ禁止、ジャンプを飛ばずに通過」という記載があり、トリプルジャンプの2個目と3個目をダブルでクリアしたジャンプが、ペナルティ審議対象となったことに。
当該セクションがトリプルジャンプということでフラッシングライト点滅もあり、マーティンは減速。そして2個目と3個目を「ダブルジャンプ」でクリア。
マーティンのレギュレーション違反に「優勝取り消し」？ と関心度高いトピックとなり、審議の行方に注目あつまりましたが結果的には「順位に変動なし、7点減算」というペナルティが下されました。関連して、2位のアダム・シアンサルーロ（カワサキ）繰り上げ優勝はありません。
順位に変動なし？
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2016年には同様の赤十字フラッグ無視で優勝のライアン・ダンジーに「2順位降格」優勝取り消し3位というペナルティ（2位のジェイソン・アンダーソン繰り上げ優勝）が下されていただけに最初は理解に苦しむマーティンへのペナルティでしたが、実は2017年から赤十字フラッグ無視ペナルティに関するレギュレーションに変更があるのでした。
少々ややこしいのですが、タイムドプラクティスとヒートレースで赤十字フラッグ無視の場合はこれまでの認識通り、2順位降格のペナルティ。なんですが… メインレースでは同じ「赤十字フラッグ無視ペナルティ」でも内容が異なります。
- 順位に変動はなし
- 2順位降格分の獲得ポイント減算
- 2ポイント減算のペナルティ
今回のマーティンのケースでは…
- 優勝「順位は変動なし」
- 優勝ポイント26点から「2順位降格の3位獲得ポイント21点」に減算
- 「2ポイント減算ペナルティ」も加わり獲得ポイント19点へ
実はこのヒートレースとメインレースでペナルティ内容がことなるレギュレーション最初の適用ライダーはマーティンが初めてのことではなく、2017年 AMAスーパークロス 第3戦 アナハイム2での記憶に新しいケン・ロクスン大クラッシュ時にクーパー・ウェブとウエストン・パイクの両者に適用されたのが最初のケースなのでした。
今では世界中でライブ中継が行われている最も関心度高いモトクロスレース「AMAスーパークロス」。2016年のダンジーのケースのようにメインレースでの順位変動ペナルティが中継終了後に下された混乱を記憶している身としては、レースファンの混乱を避けるためにも変則的なペナルティを採用することとなったのであろう経緯を想像すると… AMAとしても苦肉の策ということなのかもしれません。
全てを理解したつもりでも、モヤモヤが頭の隅に少々残るペナルティ内容。テニスや野球、サッカー等、判定やルール適用がビデオやデータで関係者だけでなくファンや視聴者に「見える化」され、そのスピードも年々早くなっている現在なのでAMAだけでなく全日本選手権等でも誰にでも開示され、分かりやすくしていく構造はますます必要となっていくことでしょう。
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