レースビデオ＆リザルト雑感｜2023 AMAモトクロス開幕戦フォックスレースウェイ

by SetagayaRacing · Published 2023-05-28 · Updated 2023-05-30

【追加：リザルト雑感】

2023 AMAモトクロス開幕戦フォックスレースウェイ（全11戦）「450MXクラス」、「250MXクラス」レースビデオ＆リザルト雑感をシェア。

開幕戦は昨年同様、カリフォルニア州フォックスレースウェイが舞台。好転に恵まれ、絶好のレース日和ながらもタフなコースコンディションで熾烈なレースアクションが繰り広げられました。

エンジョイ！

Fox Raceway National 450 Class Highlights | Pro Motocross

【450MX リザルト】
1. Jett Lawrence (HON), 1-1. – 450クラス正式デビュー戦でピンピン完全勝利達成！勝利は予想出来ましたが、タイムドプラクティス最速ラップ記録時の2番手セクストンに対して「2.5秒」速いという脅威のスピードや安定したマシンコントロール、プレッシャーに打ち勝つ精神面の強さは予想以上の活躍。両レース共にホールショットから全ラップ首位の完璧な勝利を450MXデビュー戦で飾る素晴らしさ。フィジカル、マシン共に仕上がりの高さも強く印象づける勝ちっぷり。なお、今回の総合優勝でフォックスレースウェイ6大会連続総合優勝を記録。

2. Chase Sexton (HON), 2-2. – タイムドプラクティス中のクラッシュ時に一時は動けないほどのダメージを負いながらもレース2でローレンスを追い詰めた新SX王者。SXタイトル争いの影響でアウトドアテストが不足していることを認めるコメントもあり、ローレンスとのマシン挙動の違いは中継映像でも明らかでリアサスペンション変更も行われました。レース2でのローレンスとの僅差バトルは3位フェランディスに40秒以上の大差を付けるホンダファクトリーの強烈な強さを印象付けました。

3. Dylan Ferrandis (YAM), 3-3. – SX期間中の脳震盪の影響で約2ヶ月ライディングから離れており、フィジカルとマシン作りで100%に至らないまま開幕戦を迎えた 2021年450MX王者。まだまだ本調子には程遠い印象で両レースで後方からの追撃を受ける時間帯もありました。現時点での体調では表彰台登壇は十分満足とのコメント。ホンダファクトリー同士のタイトル争いに絡んでいくには早急に100%の状態に近づける必要があります。

4. Aaron Plessinger (KTM), 5-4. – 正式発表前ながらも来季もKTMファクトリーとの契約更新を公言したプレシンジャーが、転倒もありながらも活躍。ラップタイムでは両レースでフェランディス以上のベストラップを記録しており、安定感を取り戻せば表彰台登壇も遠くないでしょう。

5. Cooper Webb (KTM), 4-5. – 今季のレッドブルKTMとの契約はSXのみ参戦というものでしたが、開幕戦の10日前にAMAモトクロス参戦を決断（ナッシュビルSXでの脳震盪からライディング許可直後）。急遽、KTMも対応してレース前日に本格的なAMAモトクロス参戦契約締結というサプライズ参戦。優勝争いからは大きく離されるものの準備不足を感じさせない上位での戦いぶりは、タイムドプラクティス4番手記録するスピード含めて、ラウンド毎に調子を上げていくことが楽しみです。

6. Adam Cianciarulo (KAW), 6-7.
7. Grant Harlan (YAM), 9-6.

8. Jose Butron (GAS), 10-8. – スペイン人元MXGPライダー（MX2ランキング3位、ネイションズ代表）が今季はプライベートチームからAMAモトクロスフル参戦。

9. Lorenzo Locurcio (GAS), 7-11.
10. Fredrik Noren (SUZ), 13-9.

【450MX ポイントランキング 1 of 11】
1. Jett Lawrence (HON), 50 points
2. Chase Sexton (HON), 44
3. Dylan Ferrandis (YAM), 40
4. Aaron Plessinger (KTM), 34
5. Cooper Webb (KTM), 34
6. Adam Cianciarulo (KAW), 29
7. Grant Harlan (YAM), 27
8. Jose Butron (GAS), 24
9. Lorenzo Locurcio (GAS), 24
10. Fredrik Noren (SUZ), 20

Fox Raceway National 250 Class Highlights | Pro Motocross

【250MX リザルト】
1. Hunter Lawrence (HON), 3-1. – タイトル候補最右翼と目されるローレンスが幸先良い総合優勝。レース前の月曜日に大クラッシュで肋骨にダメージを負っていたことをレース後に明かし、トップ5を目標に参戦した一戦だったとのこと。勝利したモト2では痛みが増していたとレースを振返りました。モト1の下田選手との3位争い、ホールショットから独走優勝とAMAスーパークロス250SX初タイトル獲得の好調の波をしっかりとキープ。450MXクラスのジェット・ローレンスとの兄弟2クラス総合優勝はAMA史上初の快挙です。

2. Haiden Deegan (YAM), 6-2. – 話題の大型新人が開幕戦でいきなりの総合2位！モト1で転倒ありながらもしぶとく追い上げ。モト2ではGP2冠王者ビアルとのバトルを制する激走。スピードに自身はあったものの自身も驚くような好リザルトで鼻息荒いアウトドア初表彰台となりました。フィジカル強化に力を入れてきたと語り、その言葉通りレース後半でも果敢に勝負していける体力と精神力が光りました。

3. RJ Hampshire (HUS), 1-11. – SXシリーズ期間中からAMAモトクロスに向けて調子が上がっていることを公言してきたハンプシャーでしたが、モト1の下田選手とのバトルを制してからの独走勝利は好調を裏付ける快勝。モト2では対象的にオープニングラップの2回転倒含め、計3回の転倒というスピードと不安定というなんともハンプシャーらしい展開に。チームから表彰台の可能性をピットボードで示されていたそうで、モト2ラストラップでハイマスとディフランシスコを立て続けにパスするフィジカルの強さで、表彰台登壇に成功！

4. Tom Vialle (KTM), 7-3. – フランス人GP2冠王者、注目のAMAモトクロス初戦。MXGP時代と異なるSXからの短い調整期間もあり、まさかのタイムドプラクティス16番手からの決勝レースへ。両レースで好スタートを揃えて上位で存在感を示す活躍もGP2冠王者としての期待度の高さからは少々残念な印象。とはいえ、AMA参戦初年度ということもありまだまだビアルの存在には大注目でしょう！

5. Justin Cooper (YAM), 5-4. – タイムドプラクティス最速ラップ記録。今季はスーパークロスで450SXクラスにスポット参戦はあったものの基本は、AMAモトクロス250MXシリーズのみのフル参戦契約。ライバル達よりも調整期間にアドバンテージあったもののスタート出遅れもあり表彰台逃す結果は残念…。

6. Maximus Vohland (KTM), 2-9. – 所属チームや事前練習で好調が伝えられていた2世ライダー。モト1で下田選手やローレンスの追撃を振り切りキャリアベストリザルト記録。モト2ではオープニングラップの転倒で追い上げ、9位。次戦はホームレースとなるハングタウンだけに期待でしょう。

7. 下田丈 (KAW), 4-6. – 転倒やスタート失敗もあり、苦戦した印象受ける結果。思うようにペースが上げられずに苦戦した一戦だったと振返ります。しかし、鎖骨骨折から復帰5戦目ということやモト1転倒後のローレンスとの接近戦バトルでの追い上げスピードはタイトル候補として十分なパフォーマンスと見るべきでしょう。混戦が予想される今シリーズは下田選手の安定感やフィジカルの強さは大きな武器となるはず。ポイントも上位と僅差なので次戦以降の戦いぶりに大注目！

8. Guillem Farres (YAM), 8-5.
9. Levi Kitchen (YAM), 10-7.
10. Carson Mumford (KAW), 11-8.

【250MX ポイントランキング 1 of 11】
1. Hunter Lawrence (HON), 45 points
2. Haiden Deegan (YAM), 37
3. RJ Hampshire (HUS), 35
4. Tom Vialle (KTM), 34
5. Justin Cooper (YAM), 34
6. Maximus Vohland (KTM), 34
7. 下田丈 (KAW), 33
8. Guillem Farres (YAM), 29
9. Levi Kitchen (YAM), 25
10. Carson Mumford (KAW), 23