たまモト特別編|モトクロスの雨&泥対策についていろんな人に聞いてみたよ

sr141230banner

 

 

全日本モトクロス最終戦SUGO大会、あいにくの荒天でタイムスケジュールが大幅に遅れ、さらに夕方近くの濃霧によりIA1の予選は中止、IA2の予選は日曜朝に持ち越される事に。こんな天気でも基本的に決勝は中止にならないのがモトクロスのすごいところ。せっかくの機会なので、こんな荒天の時のモトクロスの「雨&泥対策」についていろいろ調べてみました。

 

ご自分でオフ車に乗っている方やモトクロス観戦の上級者には今更なお話も多いかと思いますが、モトクロス初心者の皆さんにも楽しんで読んでいただけるように噛み砕いた内容を目指しましたのでご了承くださいね。

 

  • モトクロスブーツの泥対策

 

 

こちらのブーツ写真3枚は練習走行の時に撮ったもの。ブーツの中に泥が入らないようにとガムテープやラップなどで防御します。どんな素材をどんな風に巻くかはライダー個々で工夫があるようです。練習走行前、待機している時などに足下を観察してみると面白いですよ。

 

 

  • シート周りの泥対策

 

 

練習走行の転倒からの復帰の時、新井選手のシートになにやら「掴む所」があるぞ!と気がついたのでさっそくKawasakiのテントに行って聞いてみました。

メカニックさんのご説明によるとこれはKawasakiではオプションパーツとして昔からあるものなんだそうで「ずっと前からつけてましたよ」とのこと。今まで気がついてませんでした、うかつですみません(笑)。マディ(ドロドロのコンディション)で転倒した時、ただでも重いバイクに泥がいっぱいこびりついてとても重くなってしまいます。この持ち手ひとつで倒れて泥に埋もれているバイクを起こすのがずいぶん楽になるとか。

 

 

新井選手曰く「KX60の頃にはこれ標準装備だったんですよ、10年とかそのくらい前…かな。自分が子供の頃は正直これがなんの役に立つのかわかってなかったけど、今になって『そうかこれはこうやって使うものだったのか』って思いましたね(笑)」

 ちなみにこの「泥の時バイクを起こすための持ち手」はKawasaki以外にHONDAさんのバイク(HRCやNRT)にもついていました。

 

 

  • ラジエーター周りの泥対策

 

 

バイクを正面から観た時にライダーの足の間に覗いている縦の肋骨みたいなもの、わかります?あそこにあるのはラジエーター(エンジンを冷やす水を通す機構)とそれをガードする部品(白い板状の部分)なんですけど、あそこに泥がくっついてしまうとエンジンが熱くなりすぎてしまうので泥がつかない工夫が必要なんですね。というわけであの部分には網戸の網状のものを貼って泥対策がされています。これ、専用の網も売っているそうなんですが、NRTのメカさん曰く「ホームセンターで買ってきた網戸の網でも代用できます」とのこと。メカニックさんによってはストッキングを張る人もいるそうなんですが「ストッキングは水を吸ってしまって泥が落ちにくくなるからイマイチ」だそうです。「網タイツだとどうですか?」と聞いたら「網タイツのほうがいいかもしれないけど、繊維が水を含むのは一緒だからね」と。どうやら網戸の網(っぽいもの)がベストなようです。皆さん身近なものを使っていろいろ工夫されているんですね。

 

 

  • ハンドル周りの対策

 

 

ハンドル周りもいろいろと対策されています。まずグリップの手前についているハンドガード。

 

 

新井選手のバイクのハンドガードには黒いスポンジ状のものが貼り付けてあります。スポンジには泥が付きにくく、ついてもはがれやすいので泥がついて困る部分にはこの黒いスポンジが貼ってあるのをよく見ます。ヘルメットに貼っている人もいますね。

 

 

HRCの山本選手,成田選手のハンドガードは一見同じ市販品のガードに見えますが、成田選手のものは縦を広くするために継ぎ足しがしてあるそうです。山本選手のがノーマルサイズ。

 

ハンドル周りで他に重要なのはグリップ(握る所)が滑らないようにすること。

 

 

岡野選手は「とにかくグローブを汚さないこと。泥で汚すと滑ってうまくアクセルがあけられなくなるので」と「その為にもハンドガードは必要」だそう。ひと昔前はグリップ泥汚れ対策としてグローブを軍手に替える人、グリップ自体に針金で割り箸を括り付ける人などがいました。岡野選手にその話をしたら「僕はしませんけど浅井はやってますよ」。見ると浅井選手がちょうど割り箸を取付中でしたので写真を撮らせてもらいました。浅井選手カメラを意識してちょっと表情硬いですね(笑)

 

 

 

  • ライダーの雨対策

 

マシン関係以外でライダー本人が工夫している雨対策についても聞いてみました。

 

 

まず、池本選手は「ゴーグルですね。ティアオフに水が入らないように工夫してます。どういう工夫かは秘密です(にやり)」あとはやはりブーツの履き口。ガムテ派とラップ派どっちですか?と聞いたところ池本選手はガムテープ派だそうです。

 

 

岡野選手もやはりゴーグルの対策が重要とおっしゃっていましたが「どうやってるかは教えたくないですね」ときっぱり。ゴーグルの雨対策はライダーそれぞれにこだわりの工夫があるみたいです。

手に透明の幅広ビニールテープを持っている新井選手を見かけたので「それは何に使うの?」と聞いてみた所「ヘルメットのバイザーを延長するんですよ」とのこと。顔面に泥をかぶらないように、でも、延ばしすぎると泥が溜まって重くなるので適切な長さがわかるまで経験値が必要だとのこと。「ライダーそれぞれでセッティングがあるんですよ(笑)」だそうです。

 

 

山本鯨選手にも「ライダー本人の雨対策を教えてください」とお願いしてみた所「まずクラッチを使わない、あとはメンタルを鍛える、それからウエアは毎回着替えることかな」…そっち方面かい!!(笑)いや、むしろライダーにとってはそういうことが大事なんですね。

 

 

  • 「とにかく泥を溜めない」メカニックさん達の工夫

 

 

泥だらけのレースの時に、ゼッケン周りに全然泥がついていないバイクを見て「なんで?」って思った事ないですか。あれは専用の泥付き防止スプレーがあるんです。製品は何種類かあってそれぞれのチームで拘りのセレクトがあるみたい。ファクトリーSUZUKIのメカニックさんに実際に吹きかけているところを撮らせていただきました。このスプレーが吹きかけてある所には泥がつきにくくなるそうです。「ちなみにどことどこに吹きかけるんですか?」と伺ったところ「摩擦が必要な所、滑っちゃ行けない所…ブレーキとかグリップ周りとかシート以外は全部吹き付けます」とのこと。なるほど、泥がついて困る部分もあれば泥がついてもいいから滑らない事が重要な部分ってのもあるんですね。

 

 

YAMAHAのメカニックさんが教えてくださった泥対策は「泥が詰まりそうな隙間には先にスポンジ様のものを詰めてしまう」という技。足下のブレーキやチェンジペダル周辺の構造上の隙間に泥が詰まるとブレーキが効かないとかギアチェンジができないとか困ったことになるのであらかじめ「防爆材」という目の荒いスポンジ的なものを詰めるのだそう。ちなみにこの防爆材は本来ロードバイクのタンクに入れて使うそうで…ぜんぜん違う用途のものでも使えるものは使う精神、すばらしいです。

 

 

 

  • タイヤについても聞いてみました

 

ダンロップさんの前を通っていたら納屋さん(元IAライダー、現ダンロップタイヤサービスのスタッフ)がいらしたので、雨用タイヤについても聞いてみました。

 

 

たま「雨用タイヤと普段のタイヤって素人が見てもひと目で違いがわかりますか?」

納屋「わかりますよー!じっさい並べてみたら一目瞭然です」

 

 

というわけで納屋さん、普通のタイヤ(ミディアム)と雨用のタイヤを並べて撮らせてくださいました。ちなみに黄色いシャツの納屋さんが持っているのが普通のタイヤ。ヘルメットかぶったライダー(側にいたのぞさんこと安原志選手に協力をお願いしました)が持ってるのが雨用のタイヤ。たしかに全然違いますね。雨用タイヤは溝の間隔が広いので泥を後ろに搔くような構造になっているんだよと溝部分を指し示して説明してくださいました。おおーー!言われてみればそういう構造に見えるぞ!

 

 

…という様に、大雨やドロドロのコンディションでも走るモトクロスレースの為に、ライダーもメカニックさんもメーカーの方もいろんな工夫をされているんですね。明日の決勝もあいにくの雨予報。ですが雨の時にしか見られないいろいろな工夫いろんな技に注目して観ると晴れのレースの時とはひと味違う楽しみ方ができるかもしれません。

 

以上、いつもとはちょっと違うえかきやたまの予選日レポでしたー!

 

 

予選リザルト速報|2017 全日本モトクロス選手権 第9戦 最終戦 MFJ-GP大会 スポーツランドSUGO
事前情報|2017 全日本モトクロス選手権 第9戦 最終戦 MFJ-GP大会 スポーツランドSUGO
全日本最終戦MFJGP参戦|AMAモトクロス V2王者 ジェレミー・マーティン戦績まとめ
モトゴシップ|V5 ウーメンズ世界王者キアラ・フォンタネージの実力とは?


You may also like...