クラシックモトビデオ|1986 モトクロス・オブ・ネイションズ イタリア大会 マジョーラ・パーク
【2016年9月22日の記事を再編集】
モトクロスのオリンピックとも称されるビッグイベント国別対抗世界選手権「モトクロス・オブ・ネイションズ」の歴史を語る上で欠かせない、1986年のマジョーラ・パークでのイタリア大会。
ネイションズの歴史、そしてUSモトクロスシーンを語る上で最も重要なレースのひとつとして数えられる「1986 モトクロス・オブ・ネイションズ」(当時の大会名称はモトクロス・デナシオン)。その理由としてデビッド・ベイリー、リック・ジョンソン、ジョニー・オマラという、オールホンダ勢による当時全盛期のスーパースターばかりを揃えたアメリカ代表の大活躍、圧勝ぶりが挙げられます。
MXGP発公式ビデオとして、1986年大会のハイライトビデオが公開されていますので以下にリザルトと共にシェア。レーススタートから、デビッド・ベイリー自身による当時を振り返るナレーションも聞くことも出来ます。エンジョイ!
コースサイドを埋め尽くす大観衆、アメリカ代表のスーパースター感&オーラが凄まじいことになっています!
ベイリーとジョンソンとが手を取り合ってガッツポーズでチェッカーを同時に受けるシーンや、アップダウンの激しいコースで強豪国の500ccマシン相手に非力な125ccでバトルを繰り広げ、順位を上げてくるオマラの神がかり的なライディング、3レース全てでアメリカ代表が1,2フィニッシュを飾る圧倒的な勝利等、今日でも語り継がれるに相応しい鮮烈な印象を与えてくれる1986年大会なのでした。
・Race 1 (125/250)
1. リック・ジョンソン(アメリカ – ホンダ250)
2. ジョニー・オマラ (アメリカ – ホンダ125)
3. ミケーレ・リナルディ(イタリア – スズキ125)
・Race 2 (125/500)
1. デビッド・ベイリー(アメリカ – ホンダ500)
2. ジョニー・オマラ (アメリカ – ホンダ125)
3. デビッド・ソープ(イギリス – ホンダ500)
・Race 3 (250/500)
1. デビッド・ベイリー(アメリカ – ホンダ500)
2. リック・ジョンソン(アメリカ – ホンダ250)
3. デビッド・ソープ(イギリス – ホンダ500)
・国別総合順位
1. アメリカ
2. イギリス
3. イタリア
当時からのコアなレースファンの間では広く知られていることですが、ベイリーはこの数ヶ月後に背骨を骨折しレースキャリアを終えることに。オマラは今大会前にホンダから来季の契約更新無しを告げられながらもホンダを見返すことをエネルギーに大活躍。マシンを250から125に乗り換え、ホンダでのラストレースを終えスズキに移籍。ジョンソンは3年後の負傷により全盛期の走りを取り戻すことなく引退へ…。という、三者三様のレースキャリアを歩むのですが、3選手全員がこの大会をキャリアハイライトと呼べるような大活躍。背景のストーリーも併せて、1986年大会を特別なものにしていることでしょう。
モトクロス最強国アメリカを強烈に印象付けるのに最も象徴的な「1986 モトクロス・オブ・ネイションズ」。11月に開催された、1986年ジャパンスーパークロス(後楽園球場)では三名揃って来日し、ジョンソンが優勝。オマラはスズキで参戦。ベイリーは予選レースフィニッシュ直後、リック・ライアンにマシンを故意に激突させた衝撃の瞬間もスタジアム観戦時の懐かしい想い出です。