たまモト|「全日本呟きネタ」2023 全日本モトクロス選手権 開幕戦 HSR九州

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全日本開幕戦からあっというまに2週間が経ちましたね。えかきやは当日Twitterを使って現地の様子をいろいろと発信していたのですが、最近はTwitterをご覧にならない方も多いとか。というわけで、リアルタイムで発信した呟きを元に140文字では語りきれなかったことや後から調べて分かったことなどをつけ加えて、あらためて「現地で見たこと聞いたこと」をピックアップレポしたいと思います。えかきやの発信をご存知なかった方はもとより、リアルタイムでご覧になっていた方にも楽しんでいただけるように再構成いたしました。

 

土曜の予選日、会場についてすぐに朝イチ笑顔をいただいた、星野裕選手。

「エントリーリスト見て気がついたんだけどIA1クラスでSUZUKIは、裕ちゃん1人なんだね」「そうなんですよ、IA1は僕だけみたいで。スタートでひとりだけキックしてます。笑」「ひとりでキック…それは、目立つ。笑」「黄色、僕一人で目立つと思うんでがんばります」

 

同じく朝イチにお会いした福村鎌選手。こちらも数少ない SUZUKIライダー。星野選手と同じチームSBEでIA2クラスを走っておられます。

「ときに、大城選手はじめ中部のライダーってカメラ向けるとみんなそのポーズだよね、なんでかな?」「コースサイドを広めようと思って」あ、なるほどCOURSESIDE(コースサイド)のグラフィックを表しているのね。数少ないながらSUZUKIのIAライダーは二人ともなかなかに個性的。笑
[COURSESIDEは中部の道脇白龍、大城魁之輔、福村鎌、佐々木優が立ち上げたアパレルブランド。気になる方はこちらをご覧ください。https://courseside.stores.jp

 

土曜日の朝、IAクラスのライダーズミーティングを後ろで拝聴。MFJの方から次回(10月開催)の九州大会にてIA1とIA2の混走レースを予定しているとのお話がありました。IA1とIA2で今までと同じ2ヒートレースを開催、それぞれの上位15台が混走でヒート3を行うという説明がなされ、これについて選手会で意見をまとめてくださいというようなお話でした。

 

ミーティングが終わってすぐに、選手会長の能塚選手やアドバイザーの北居さんの元にジェイさんがおいでになってなにやら意見を述べておられました。おいでになったスタッフの方に伺ったかぎりではレースフォーマットについてはこれから選手の意見なども聞いて詰めていくとのこと。

 

いったいどういうレースになるんでしょうか。ドキドキしながら今後の正式発表を待ちたいと思いました。

【編集者注】4月21日正式発表

 

前日まで降っていたという雨の影響で土曜の公式練習走行はズブズブのマディ。最終コーナーから1コーナーへのストレート部分、浅井選手や中島選手がリア荷重で走り抜けていかれるのを観て、横にいらした東福寺さんに「こういう(ズブズブなコンディションの)ところは、リア荷重で走るのがいいんですか?」て気軽に聞いたらものすごく丁寧に応えてくださいました。曰く「リア荷重にしすぎると泥の下にあるギャップにかかった時にコントロールできなくなるから、ある程度は余裕を持っておかないとダメなんだよ」「450だとパワーで押し切っちゃえるとこがあるけど、250はパワーがないからより繊細なコントロールが必要になるんだ。まあパワーがある分450は体力がいるんだけどね」とのこと。身振り手振りを交えてすごく詳しく教えてくださって、バイク乗ってるわけでもないえかきやにまでこんなに丁寧に教えてくださるなんて…と感激した次第。

 

今シーズンから、スタートエリアにメカさんが入れなくなりまして、ライダーが順番にグリッド後ろのコーンにゼッケン観マーカーを差し、脚台を設置していくスタイルに。

 

メカさんの「地ならし」が観れないのはちょっと寂しい気がしますが、ライダーがスタートした後ものすごく丁寧に泥を払っておられるスタッフの方々の姿を見るとそんな感傷を抱くのも申し訳ないなと。

 

HSRはそもそもメッシュスタートなので「地ならし」は必要ないんですが、それならそれでメッシュに挟まった泥が気になるライダー達。麦踏み(地ならし)のかわりに落穂拾い(泥の塊をよける)に余念がないのでした。

 

グリッド決めだけじゃなく公式練習でのスタート練習やサイティングラップへの出発の違いなどスタート回りの手順がいろいろと新しくなり、観戦する側も「あれ?」と戸惑うかもしれません。興味ある方は練習走行からスタート回りに張り付いてみるのも面白いかもです。

 

ジェイ・ウィルソン選手といえばフレンドリーなファンサービスが素晴らしいと評判のナイスガイですが、今年はこのファンサに新アイテムが投入されました。ジェイさんの今年のゼッケン27がドン! と入った缶バッチ。

 

YAMAHAスタッフさんによるとこの缶バッチはジェイさんが自費制作されたものなんですって。こんな話聞いちゃったらありがたみ倍増、もらった方は大事にしてくださいね。

そんなジェイさん、今年は新しいチーム「YAMAHA FACTRYINNOVATION TEAM」にてIA1クラスを走られます。ライダーとしてだけでなく、チームマネージャー、チームメイト町田旺郷(まちだあさと)選手のサポート、テストライダー、YAMAHAライダーのメンタルトレーナー、ヤマハ若手ライダーの育成…とほんとうにたくさんの役目を担ってらっしゃる。

日曜日の昼休みにちょこっとお話させていただいたんですけど、めっちゃ町田選手のことを推してらして、なにかにつけて「アサトは素晴らしい選手だから。これからもっと伸びるから」っておっしゃっていて、本当に可愛がって期待しておられるんだなあって感じました。そんなジェイさんの愛弟子、町田選手の今後の活躍にも期待したいですね。

 

全日本ライダーにはたくさんの仲良し兄弟、姉妹、姉弟、兄妹選手がいらっしゃいますが、そんななかでもひときわ仲良しなのが神田橋姉弟。姉の芽さんは数年前までLMXの選手でしたが、今はIA2クラスに参戦されている弟・暸選手のサポートに回っておられます。昨年から少しずつ活躍が目立ってきた神田橋選手。土曜日の予選B組ではアロンソ選手、池田選手に続く3位を快走。「すごかったね」と言いに行ったら姉の芽さんが「やればできるコなんですよ!」と本人より嬉しそう。暸くん曰く「スタートが上手く決まった結果です!」との事でした。残念ながら決勝日には転倒してしまったりで予選ほどには活躍できなかったけど、次回オフビではまた活躍してお姉ちゃんにドヤ顔(笑)させてあげてほしいです。

 

元プロ野球選手ミスタータイガースの掛布雅之氏がDIDアンバサダーとしてHSRに来場。そんな掛布さんにインタビューされていた裕ちゃんこと星野裕選手、いつもより緊張してみえたけど掛布さんにツッコミを入れられつつ楽しげにお話されてました。が! そもそも裕ちゃんは掛布さんをご存知なのかしら?という素朴な疑問が。周囲にいたチームスタッフも「裕は相手が誰だかわかっとるんかな?」と。

そこでインタビュー後、裕ちゃんの周りに集まったおじさんおばさん、さっそく裕ちゃんに質問「裕、あの人だれかわかっとる?」「わかってますよ、掛布さん、タイガースのすごい選手だった人でしょ?」「おおー!」「…で、なにが凄かったんでしたっけ?ピッチャーでしたっけ?」ここで周りのおじさんおばさんは一斉にズコー(笑)

 

チームスタッフさんが「バース、掛布、岡田のバックスクリーン三連発をしらんのかい?!」と熱く語られるも裕ちゃんはキョトン顔。よく考えたら掛布さんが活躍されていた時代は彼が生まれる前か生まれてすぐの頃、そりゃ知らないよねと言うと「まあ、僕はギリギリ知ってますけど、僕より若い選手は知らないんじゃないかなあ」「そっかーもうそんな年代かあ…」「アメリカのライダーで言ったらマクグラスとかそんなカンジで知らないと思いますね」「え?マクグラスってもうそういうポジションなの?!」「若いコらは知らないんじゃないですかねえ、マクグラス」「ええぇぇぇ…」えかきや的には、掛布さんの扱いよりもマクグラスについての認識のほうがショックでした。

そんな裕ちゃんですが、掛布さんからインタビューをうけた際に「これだけは言っとかなきゃって思って『僕はカープファンです!』って言いました!」それで掛布さんに思いっきり突っ込まれていたんだね…知らないとはいえ大胆だわ、裕ちゃん。

 

地元九州の溝口哲也選手と息子さんの溝口寿希也選手の親子エントリー。残念ながら2人とも予選通過ならずでした。「スタッフの方に言われたんですけど親子でエントリーは全日本初らしいですよ」と哲也選手。寿希也選手は全戦参戦ではないため次に出られるのは中国大会(広島)とのこと。

「テツさんは?広島には出ないの?」「いやもう今回だけでいいかな」「えええ?!そう言わずに広島で親子対決を見せてくださいよ!」「そうやねえ、(予選の組が違ったので)親子でグリッドに並ばれんかったからねえ」「ってことなんで寿希也くん、なんとかお父さん引っ張り出してください!」「はい(笑)」さて、広島での親子対決はなるか?

*溝口親子のインタビューは後日あらためて「たまモト」で紹介予定です

 

IA2のスタート前、なにげなく目にしたライダーのバットパッチ。気をつけて見るとずいぶんと凝ったものが…。

柳瀬大河選手のバットパッチはなぜかもぐらのイラスト。
「大河くんなんでもぐらなの?!」「シーズンオフに練習してたコースにもぐらが出たんですよ。それで同じ「土を掘る」からもぐらがいいかなって思って。」「うーん、わかったようなわからないような(笑)でもかわいいね」「いいでしょう?もぐら」

 

ほかにもいろんなバットパッチがあって面白かったのでそれぞれの由来や意味を引き続き調査していきたいと思います。

 

今回、あちこちで見かけたのが「スタートのポジションで構え、ボールなどを落として掴む」というトレーニング。反射神経を鍛えるためなのかな?阿久根選手がスタート前にやってらしたのを見かけ、後で聞いてみようとTwitterで呟いて聞きそびれてしまいました。そしたらレース後、マウンテンライダースのトレーナー大隅健人さんがSNSのメッセージで詳しく教えてくださいました。

曰く「下田丈君のyoutubeでレース前にやっているのを見てウチのトレーニングにも取り入れたんですよ」「それはやはり反射神経とかそういうものを鍛えるためなんですか?」「多分ですけど、レース前に行う事で瞬間的な判断を向上させるトレーニングだと思うんです。こちら側はボールランダムに落とすので、そのボールを瞬時にキャッチすることで、右脳と左脳が働き、瞬時に脳と身体が動きやすい状態にするものだと思っています」「なるほどー!」「そのおかげか、阿久根に関してはスタート確実に出るようになりました」「たしかに阿久根君、今回のレースめっちゃスタート出てましたね」「下田君発信でうちは取り入れましたが、調べてみるとF1のトップライダーもスタート前に同じトレーニングをしていました。世界的に取り入れられてるトレーニングかと思います。」「そうだったんですね!!」

 

とまあ、大隅さんのおかげで疑問解決。ちなみに大隅健人さんは元IAライダーです。モトクロスライダーからボクシングに転向されボクサーを引退された後、マウンテンにいらしたご縁で2年前からマウンテンライダーズの選手とLMX楠本菜月選手のトレーナーをされています。マウンテンの内田篤基選手も「ボクシングとモトクロス両方を知っているので教わることが多いです。ボクシングの方のトレーニングでは動体視力を鍛えるとかそういうのはモトクロスに活かせると思うんですよね」とおっしゃってました。開幕戦でマウンテンの選手が好調だったのは大隅さんのトレーニングが実を結んだ結果かもしれませんね。

…と、リアルタイムの呟きプラスアルファの現地レポ、会場の楽しさ面白さが少しでも伝わりましたでしょうか?

 

たまモト – The Newsmoto


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