モトゴシップ|下田丈「ランキング3位浮上の可能性まとめ」2020 AMAスーパークロス 250SXイーストシリーズ
2020 AMAスーパークロス 250SXイーストシリーズ参戦の下田丈選手。ホンダファクトリーサポートチームのガイコホンダ所属ルーキーとして今季からAMAスーパークロス初参戦。6月16日時点でのランキングは6位に付けています。
新型コロナウィルス感染拡大によるシリーズ中断・再開を経て、現在に至るまでの期間にレースリザルト以外のところでも大きな動きが出ているので、ここで一度まとめてみることにします。最後に触れますが、下田選手にランキング3位浮上の可能性が出てきているのです!
まず、タイトル候補の一人として目されていたRJ・ハンプシャー(ハスクバーナ)。シリーズ開幕前に膝の靭帯を負傷していたことを隠しながらのシーズンインでしたが、シリーズ中断期間中に手術を行いました。これにより以後のレースは欠場、シリーズ離脱ということに。これには理由があり、突然のシリーズ中断発表直後はシリーズ再開は9月の方向で調整されていたのは以前のモトゴシップでもシェアした通り。しかし、事態は急速に変化し5月末からシリーズ再開へ。9月のシリーズ再開後に向けて万全の体調にする為への手術への判断が裏目に出てしまった形に。新型コロナウィルス感染拡大や収束への見込み状況把握が難しかったこともあり、結果的にシリーズ離脱となったことは仕方ないとコメントしています。
さらに下田選手のチームメイトでV2 AMAモトクロス王者でもあるジェレミー・マーティン(ホンダ)。2018年 AMAモトクロスシリーズ中に腰椎骨折の負傷。1年半の療養期間を経て、今季AMAスーパークロスで復帰となったわけですが、250SXイーストシリーズ第6戦終了直後にシリーズ離脱を発表。理由は来季も250クラスに残留するためというもので、250クラスにおける実績も豊富なライダーの計画的なシリーズ離脱に批判の声も…。AMAスーパークロス250SXクラスでは度々レギュレーションが変わっているのですが、シリーズ累計ポイントの合計により、450SXクラスへのステップアップが義務付けられています。マーティンのシリーズ離脱はこのステップアップを避けるためのもの。450ステップアップの意向はあるものの現時点でシートを獲得出来ていないことと、負傷前の万全のフィジカル面を取り戻すことに時間が掛かっていること、そしてガイコホンダとの契約は2021年まで残っていることが理由として語られています。
そして、最新モトゴシップとしては今季デイトナSXでプロ初優勝を果たした、SXフル参戦2年目の伸び盛りギャレット・マーチバンクス(カワサキ)までもがシリーズ離脱を発表。250SXイースト第7戦での赤旗再スタートの原因となったマーチバンクスのクラッシュ。転倒による肺のダメージがシリーズ離脱の原因。
今季250SXイーストのタイトル争いを語る上で欠かせない3名がシリーズ離脱を発表。もうひとりのタイトル候補だったコルト・ニコルスはシリーズ開幕前の負傷でレース復帰したばかり。残り2戦となるタイトル争いは、ディフェンディングチャンピオンのチェイス・セクストンとシェーン・マケラスに絞られた形。その差はわずか「3点差」。
【250SXイースト ポイントランキング 7 of 9】
1. Chase Sexton (HON), 166 points – 3点差ながら再び単独ポイントリーダー浮上。イースト単独開催、東西混走「ショーダウン」の残り2戦の争いへ。
2. Shane McElrath (YAM), 163
3. Garrett Marchbanks (KAW), 119 – シリーズ離脱
4. Jeremy Martin (HON), 105 – シリーズ離脱
5. Jalek Swoll (HUS)), 91
6. 下田丈 (HON), 89 – 同期ルーキーのスウォールに逆転されるもランキング6位キープ。マーチバンクスとのポイント差は「30点」。
7. Enzo Lopes (YAM), 81
8. Rj Hampshire (HUS), 80 – シリーズ離脱
9. Pierce Brown (KTM), 73
10. Kyle Peters (HON), 69
今季、下田選手のリザルトは第7戦まで終えて「10・10・5・7・21・8・11」という数字が並びます。転倒や不運によるリタイアもありますが、平均順位は「10位」で平均獲得ポイントは11点となります。タラレバですが…リタイアの21位を除くと平均順位は「8.5位」、有力ライダーに欠場者いるということで端数切捨て「8位」と仮定すると平均獲得ポイントは15点ということとなります。
最終戦は東西シリーズ混走「ショーダウン」で上位進出のハードルは上がりますが、最上位5位という下田選手のポテンシャルと有力ライダー欠場を考慮すると、15点×2「30点」のビハインドをひっくり返してのランキング3位浮上は可能性的にはアリと言えるでしょう。
ルーキーである下田選手としては、メディアや外部が期待するような逆転ランキング3位や同期ライバルとのポジション争い以上に、表彰台登壇やショーダウンでの上位フィニッシュへの優先順位の方が高いと思われます。ランキング3位となれば、それこそ日本モトクロス界にとっては快挙ではありますが、来年以降のレース勝利やタイトル候補として成長していく方が個人やチームにとっても重要であるからです。奇しくもキッズ時代から切磋琢磨してきた同期ルーキーのジェット・ローレンスがウエストシリーズで初表彰台登壇を果たしたばかり。
ここまでズラズラと述べてきて、期待するなと言われても無理がありますが、具体的な大きな目標が浮上してきたタイミングで迎える残り2戦の250SXイーストシリーズ。下田選手の活躍、大注目とともに日本から応援送りましょう。
250SXイーストシリーズ第8戦は、日本時間6月18日の朝スタートです!
Geico Honda