えかきやたま「たまMoto」2016 全日本モトクロス選手権 最終戦 MFJ-GP 予選レポート
えかきやたまさんによる、全日本モトクロス選手権 予選日の注目・活躍したライダー達のレース会場からのコメントをお届けする「たまMoto」。今回も、たまさんだからこそ引き出せるリアルなコメント&情報満載です。
予選レース後に行われた熱田孝高選手、田中教世選手、北居良樹選手のIA1ビッグネームの引退記者会見の様子も併せてお届け。エンジョイ!
■ 渡辺祐介選手(IA2予選A組/1位)
たま:予選1位でしたね
渡辺:そうですね。このコースは地元なんで。得意だし… 得意っていうか乗り込んでるだけなんですけど。
たま:でも、ラインとかわりとこう…
渡辺:うーん、でも、雅己さんのほうがラインどりはうまかったです。雅己さんの後ろについて勉強させてもらった部分はあるんで。
たま:明日は行けそうですか?
渡辺:明日は行くつもりではいるんですけどね。
たま:ナイト選手はどうでした? 予選を見る限りだと渡辺君のほうが速かったですけど。
渡辺:うーん、でも慣れてないだけだろうなと思って。身体も大きいし乗り方も… ビデオしか観てないけどすごく綺麗なんで。負けてられないなって思いました。
たま:そこはでも地元の意地で。
渡辺:そうですね。なんとか応援に応えたいです。沢山来てくれてていっぱい応援してもらってるんで。
たま:では明日応援に来て下さる皆さんに一言。
渡辺:期待を裏切らないように、転ばないように…1位になるんで応援してください。
■ 田中雅己選手(IA2予選A組/2位)
たま:スタート、出ましたね!
田中:そりゃもう『有言実行』ですから。
たま:でもその後が…渡辺選手に前走られてましたけど…
田中:まあ…彼は地元んんでね。僕はここ事前練習に来てないですし、まだ練習走行だったってことで。
たま:渡辺選手に「地元だしラインも知ってるし…」って言ったら「田中さんのほうがラインよかったですよ」って言ってましたけど。
田中:いやいや…またそうやって。あのコはねそうやって言っておいてバチーン!と来るんですよ(笑)
たま:そうなんですか?!
田中:僕、小指死んでますから。(オフビで渡辺と接触時に負傷)
たま:大人しそうに見えてけっこう来ますね(笑)
田中:そうなんですよ。来るんですよね、若い子は。
たま:それでも田中さんの『有言実行』はかっこよかったですよ
田中:いやもう出る気しかしないですからね、スタートは。
たま:明日も行けそうですか?
田中:明日も行きますよ!後悔のないように今年を締めくくりたいと思います。
たま:では何か締めのの一言を
田中:調子はいいんで。タイムもそこそこ出てるし、明日は思い切って走ります。今年は怪我に泣かされたシーズンでしたけど調子は戻ってきてるんで、今までで一番いい走りをします。
■ 古賀太基選手(IA2予選B組/1位)&横澤拓夢選手(IA2予選B組/4位) NRT仲良しチームメイト2人で一緒にコメントいただきました。
たま:ではまず横澤選手、スタート出てましたが?
横澤:はい、出ました!
たま:でも、戻ってきた時に…
横澤:…抜かれました!(笑)あの、僕がイン側だったんですけどアウトから古賀君がけっこう出てて1コーナー曲がった時点では僕の方が前だったんですけど…「あー(古賀選手が)来るんだなー」と思って(苦笑)
たま:そこで諦めちゃだめだー(笑)
横澤:「来るんだなー」と思ってました。そしたら来ました(笑)
たま:じゃあ明日は逆パターンで?
横澤:そうですね!もう、大丈夫です!
たま:そうですか(笑)じゃあ逆に古賀選手。
古賀:はい、おつかれさまでした!スタートも出たんですけどちょっと突っ込み過ぎちゃってアウトまで膨らんでインから来るかなーっと思ったら案の定36番がインから飛び出てきて。でもワンツーだったんで、NRTで予選ワンツーフィニッシュってしたことがないんで今回こそはワンツーフィニッシュしたかったんですけど…自分がトップに立って後ろを見た時には、後ろは岡野選手と小川選手ですれ違う所で「あれ??」ってカンジでしたね(笑)。
たま:じゃあ、チームメイトにハッパをかけてください(笑)
古賀:そうですね。明日はいつも通り2人で切磋琢磨して上まで上がって行けば、最終戦ですし、2人で表彰台に上がれればと思います。
たま:2人で1番2番で。どっちが1番で2番かは別にして。
古賀:とにかくワンツーで終われればいいかなと思います。
たま:ではワンツー狙って2人でがんばってください!
古賀/横澤:(声をあわせて)はい!がんばります!ありがとうございます!
■ 小川孝平選手(IA2予選B組/2位)
たま:予選2位でしたがどうでしたか?
小川:どうでしたかって…僕、今朝の練習走行でぶっ飛んでしまったんで…
たま:え?!どこで?
小川:KYBの後ですね。ブレーキかけたらそのままハンドル切れてぶっ飛んじゃって気付いたらコーナーに転がってて…その時は「今日は終わった」と思いましたね。そんな状態で練習走行ほとんど走れてないんで、僕にとっては予選が練習走行でした。
たま:じゃあ、肩の力が抜けてよかった的な?
小川:いやあ、肩は痛いです(苦笑)肩と胸と肋骨と腰が痛いです(笑)あとひざの裏?
たま:あららら…満身創痍じゃないですか?
小川:痛いとこばっかりです。それでも2位だったのは練習通り走れたんじゃないですかね。それがよかったんじゃないかと思います。調子も上がってきてると思います。
たま:じゃあ明日はどんな感じで?
小川:明日は転けないことです。まず練習走行転けずに走って予選の様な走りが決勝でも出来ればもうちょっと上にいけるんじゃないかなと。
■ 岡野聖選手(IA2予選B組3位)
たま:明日のレースにいろいろかかっている岡野選手にもお話を…予選はいかがでしたか?
岡野:予選はスタート遅れてしまって、走りはあんまり良くなかったですね。最後ちょっとずつ良くなってきたんですけど、もっと行きたかったですね。
たま:固くなってるということはないですか?
岡野:固くなってるとは別に思わないですけどイメージ通りには走れてなかったですね。ここまできたらやるしかないですよね。
たま:明日はトレーナーをしてくれた今井さんも観戦にこられると聞きましたが?
岡野:今井君来るみたいですね(笑)まあ僕は別にプレッシャーもないんで、ポイント差も離れてるし。自分の走りが出来てそれでもあかんかったらあきらめがつくし。でも、自分の走りがでけへんで終わってしまったら後悔が残るんで。そこだけですね。
たま:じゃあ明日はかっこいい所を見せてくださるということで?
岡野:そうですね、かっこいい走りをしたいですね。
■ 能塚智寛選手(IA2予選A組3位)
たま:明日に向けて緊張されていますか?
能塚:いや。特には緊張してないですよ。
たま:明日に向けての抱負とか。
能塚:出来るだけ楽にスタート出て楽に勝ちたいですね。
たま:笑
ここで芹沢監督が通りすがる
芹沢監督:なに?笑
能塚:いや。楽に勝って、楽にチャンピオン取りたいなって。
芹沢監督:ホントに楽が好きだねえ。笑
たま:では締めに一言。
能塚:チャンピオン獲れるようにがんばって走ります。応援よろしくお願いします!
■ 山本鯨選手(IA1予選3位)
たま:ひさしぶりに日本のコースを走った感想は?
山本:ホントにひさびさに…3年ぶりに日本のレースを走ってスタート前はネイションズより緊張しました。ただ、ホントにいい体制で走れているので明日のレースは楽しんで走りたいと思います。
たま:成田選手との2位争いが今日の予選の見所だったように思います。成田選手とのバトルについての感想を聞かせて下さい。
山本:成田さんとのバトルは前半飛ばして1回成田さんを抜く事が出来たんですけど、その後、離す事が出来なかったし、成田さん地元の菅生はすごく速くていろんなラインも持ってて強かったです。そんな中でも楽しむことができたし、いろいろ勉強できたにもなった予選でした。短い時間でしたけどちゃんとレースが出来て良かったです。決勝は勝ちたいです。
たま:明日への意気込みをお願いします。
山本:明日は…トップが今日速かったんでその走りを研究して、もっと自分の走りができると思うし、コースもバイクも人間的にもまだまだやりようがあるんで、明日は自分のペースももっと上げられると思います。表彰台から随分長い事遠のいてるんで…3年間遠のいてるんで、明日は表彰台の一番高い所に立ちたいです。立てるように頑張ります。そのためには応援してくれる人の力が必要になるんで、ぜひ応援して下さい。
土曜の夕刻、今シーズンで引退を表明したベテランライダー3名の引退記者会見が行われました。詳しい内容は専門誌におまかせするとして、面白コメント&その場の雰囲気をざっくりとお伝え。
熱田孝高選手,田中教世選手、北居良樹選手の並びで着席。まずはそれぞれの引退についてのコメントを述べてくださった後、各プレスからの質問に応えていただくという形式で進行。 えかきや的に面白かったものをいくつか紹介します。
1: 3人の中では一番歳若い北居良樹選手が「僕が小さい頃から憧れていた偉大な先輩方とこうやって一緒に引退式ができることを光栄に思います」と「僕は最近あまり活躍できてないので2人の相手にはならなくなってきてたんですけど…」と謙遜すると熱田選手がいきなり「え?だってこないだの名阪で突っ込んできたじゃん!」とカットイン。「あ、あれは…すみません」と北居選手。それまでしんみりムードだった会場が一転和やかな笑いに包まれました。
2: カメラマン佐藤敏光さんより「後輩の若手ライダーになにか言葉があれば」という質問に3人が3人とも口を揃えて「チャレンジ精神を持って欲しい」と。熱田選手は「僕が若い頃はとりあえずアメリカ行って走りたい、とか、とりあえずスーパークロス走りたいとか向こう見ずなチャレンジ精神を持っている奴がいっぱいいた。いつの頃からかそういう若手がいなくなったのが残念」と。田中教世選手もそれを受けて「僕も若い頃に海外に行って刺激を受けてきた。(熱田)孝高君に「やめとけ」って言われてもスーパークロスに出場して怪我をして帰ってきたこともあった。そういう経験,刺激を受ける事をもっとしてほしい」と。北居選手は「僕も高校卒業して、すぐの頃からシーズンオフにはアメリカにトレーニングに行っていっぱい刺激を受けてきた。いまの若手は当時と違って金銭面での協力が得にくくなってそういうことが難しくなっているとは思うけど、できれば挑戦してほしいし、30代ばかりのIA1クラスにももっと挑戦する気持ちがほしい。おじさん達を追い出すくらいの意気込みで挑戦して下さい」と。
3: もしも引退後に「ネイションズの監督を…」というような依頼が来たらどうしますか?という質問に。熱田選手は「もちろんやれと言われたらやりますよ!あとは金銭的な面の話し合いで…」と熱田選手らしい回答に笑いが。「いや、身銭を切ってまでやるのは違うでしょう」と。ごもっとも。次いで田中選手は「僕は孝高君みたいに英語が出来ないからちょっと向いてないと思うんですけど…でもやれるならやってみたいですね」と控えめながらやる気のある回答。最後の北居選手は「僕は2人のような実績がないので、僕が監督をやっても選手が言う事を聞いてくれるかどうか…『お前に言われたくないわい』と思われるのではないかと…」と謙遜しつつも「でも、もしそれでモトクロスに貢献できるのならやいたいです」と。三人三様ながらに日本のモトクロス界について真剣に考えているんだなあと感じさせられるコメントでした。
4: 最後に明日のレースへの意気込みを聞かれて「今日は田中君につっこまれて(横で田中選手が「え?!!」と動揺)前に出れなかったんですけど、あすは外人スイッチを入れてトップ争いをしてみせます」と熱田選手。「結果が良くても悪くても力を出し切ったら納得して終われると思うので出し切れるようにがんばる」という田中選手。それを受けて北居選手が「今、教世君は皮をかぶってました。教世君は昔、チャンピオン争いを熱田君に阻止されたことがあるので、その恨みを最後にここで晴らしてくれると思います」と爆弾発言。会場は笑いの渦に。「僕もKTM初優勝を阻止された恨みがあるので」とこっそり自分の分も追加してさらに笑いをとっていました。(ちなみに『皮をかぶって』ではなく『猫かぶって』が正解ですよ、北居くん?)
とまあ、最初こそしんみりムードだった引退会見ですが、さいごは3人で笑い合う姿でおひらきとなりました。明日の決勝では三人三様、悔いの無いレースを。私たちも心から応援しますので!
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