【あなたも目撃者!】アナハイム2事件簿 リード VS カナード
ビッグ・モトゴシップ発生!ビデオに収められたシーンだけでは事件は終わらないのでした…とにかく改めて例のシーン。そしてリード、カナード、AMAのコメントも踏まえて雑感を。
現地アメリカでも大騒動!メディアも大きく取り上げ大変なことに。リードが悪い、カナードが無茶過ぎる、黒旗?等、色々な目線で考えることが出来ますが、一つ確かなことはリードがカナードに対して行った悪意ある?とされる行為についてレース失格の処分が下されたこと。ここでは時系列で3つに観点から考えてみます。
きっかけとなったリードとカナードのクラッシュ
これは疑いようのない、カナードの判断ミスが招いたクラッシュ。完全に後方から追突しているし、カナードのマシンがリードの身体を押し上げ、リードは身動きできない状態でコースアウト。スピードの乗らないセクションだったからお互い再スタート出来るレベルのダメージで済みましたが、時と場合によっては惨事になっていた可能性も。
カナードのコメントによると、自らの判断ミスは認めているものの、前周でリードがアウト側のラインを走っていたからイン側から仕掛けたという、避けられなかったレース中のアクシデントを強調。スーパークロスではありがちなクラッシュの形ではありますが、これは判断ミスの言い訳にしてはAMAトップライダーとして、かなりお粗末な印象。
リードのコメントは、カナードのコメントを受け、バトル中に自分のポジションを守るのは鉄則、とバッサリ。クラッシュについては後方からの衝撃で訳が分からず怒りと混乱の中、再スタートしたとのこと。このクラッシュに関してはリードとしては防ぎようがなく、為す術もなくという感じしかないでしょう。
リード失格の原因。カナードへの❝悪意ある❞とされるコンタクト
これもビデオではっきりと分かる通り、リードがカナードに身体をぶつけています。リードはコメントで「エルボー」という言葉を使って、カナードへの報復行為については認めています。ただ、カナードをクラッシュさせたり、危険な状態に陥れるような行為ではないと主張。
リードとすると悪意ではなく「何するんだよ!」的なアピールをしただけという意図だそうです。カナードのクラッシュは後ろを振り返っていないので知らなかったとのこと。
カナード側は、激しいクラッシュで汗が飛び、ズレたゴーグルを直しながら再スタートしたら、よく分からないうちにクラッシュしていたと。ビデオでも確認出来ますが、ティアオフを外すためにハンドルから左手を離しているところにリードがぶつかってきています。
因みにレース後の二人のやり取りは、カナード「何してくるんだ!?」に対してリードの「お前こそ何してくるんだ!?」の返答ww お互い色々主張したあとはカナードがリードに対して「赤ちゃんみたいに騒ぐ奴だなー」と吐き捨ててその場を去ったそうです。両者ともにレース後の時点では謝罪は無し。
AMAがレース中にリードに対して提示された黒旗(失格)について
中継では分からなかったのですが、カナードの転倒したのを受けてAMAの競技監督J・ギャラガーはその周のうちに失格と判断し、失格を意味する黒旗をリードに対し提示。具体的には、ビデオでのリプレイ等の確認やヒアリングを行わずにスタジアムのスクリーンで流された映像と自らの目撃した内容からリードの悪意ある行動と判断し、リードへの失格というペナルティを決断。その周のフィニッシュラインでリードに対し黒旗を提示したということ。
上記の点がこれから更に問題とされそう?というかすでにUSメディアでは議論を促すような記事がアップされ始めていて、論点は、いくら競技監督とはいえ充分な審議を行わずに個人の主観のみでレース中に黒旗を提示した判断は正しかったのかどうか?という点。
ここでリードやカナードのコメントを頭に入れた上で、再度ビデオを見直してみると、リードからのコンタクトはカナードを転倒させるに至らない程度の衝撃しか与えてないように個人的には見受けられます。更に、中継リプレイ時の解説エミッグによる、カナードが左手をハンドルから外しているとの指摘を聞いて初めてその事実を知りました。
リードの行為を肯定するわけではありませんが、目的がカナードをクラッシュさせることであれば、身体をぶつけるだけのような今回の接触程度では済まないレベルの衝撃を与えないと、難しいことのようにも感じます。
例えば、カナードがクラッシュしなかったら?ハンドルから手を離していなかったら?中継に映らないセクションで行っていたら?競技監督が直接見ていなかったら?等、たらればですが、黒旗一発失格処分を下すには、AMA側の検証不十分と受け取られても仕方がない要素も多くあるのが現状。
この背景には開幕戦250SXでのバウワーズが仕掛けたオズボーンへのアグレッシブなパス問題も影響していることも少なからず考えられ、その際は 処分の対象とはならずに競技監督ギャラガーがバウワーズへ直接口頭注意を促したことがありました。USメディアで色々な意見が紹介され、一連の騒動を経 て、アグレッシブ?悪質?な行為に対してAMAが少々過敏になっていた可能性も否定出来ないかもしれません。
実際、リードは競技監督のギャラガー氏に対して、感情的に判断を下したのでは?と疑問を抱いているそうです。
雑感まとめ
雑感なので思いっきり個人の見解ですが…
・最初のクラッシュはカナードの判断ミス。
・処分対象となったリードの行為に対しては何かしらのペナルティとなっても仕方がない。
・レース中の黒旗失格という判断については、AMAのミスジャッジでは?
こうして改めて色々と考えてみると誰も特をしない騒動というのがホント残念。騒動の原因を作ったカナードはタイトル争いはかなり厳しい状況に。リードもマシントラブルや自らの不調から復調段階での失格…。AMAは不明瞭な説明に終始し、不信感も。
レースファンとしては、この件で今後ライダー達がアグレッシブなライディングを躊躇してしまう状況が作られるのでは?と少々心配も。黒旗失格を意識する中でのレースが見ていて楽しいことはありません。そういう状況を避けるためにも、AMAにはレースファンが納得出来る説明をする責任があると思います。
まだまだ尾を引きそうなこの騒動。モトゴシップでは引き続き追いかけて行きたいです!